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スランプやべぇ。ひと月も文章が思いつかねぇ(という言い訳)
書き直すときはもう少しマシな文章になっているはず……と、文字が書けない時に私は毎度言います。
8月に少し入った頃、アタシの宿題が終わった。ま、毎回天澄が何故か見に来てたせいで、ちょっと意地張って家でもやってたからなんだけど。
「終わった!」
最後の問題を解き終え、詰めていた息を吐いた。宿題が終わった開放感に、顔が緩んでしまう。……でも、そうしたらアタシが図書館に行く理由がなくなる……かも。
「良かったネ」
にっこりといつも通りの涼しい顔で、天澄は頷いた。コイツ、ほとんどアタシに付きっきりだったけれど、夏休みに他の予定とかなかったのかな。
「……ね、アンタは宿題終わってんの?」
アタシの宿題を見ているときもずっと、天澄は参考書とかノートしか持って来ていなかった。だから、いつ宿題してたのかが気になってたんだ。
「もちろん☆」
当然のように天澄は頷く。……ま、そんな気はしてた。
「……いつ終わらせてたの」
「夏休みの初日♡」
にこっと、よくわかんないけれど、最近見た中では最高に生き生きした笑顔でそう返された。何コイツ?!アタシが必死に宿題やってんのどんな気持ちで見てたわけ?!
「やっぱ嫌なやつ!」
そうだ、コイツはそういう変なやつだったんだ。なんか忘れてた。……恋は盲目っていうし、ね。でもなんかしゃくに障る。
「せっかくだからさ、お出かけしよっか」
「えっ?」
机についていたアタシの手を持ち上げ、そのままきゅっと硬い手で握られる。って、ついでみたいに指絡ませようとしないで?!思い切り手を振って外そうとしたのに全然取れなくて、そのまま指を絡ませて握り込まれた。
「暇だもんネ?今日は」
今日低く囁くような声に、なんだかぞわぞわして居心地が悪くなる。顔を見れなくて、目が泳いでしまった。
「……まあ、ね」
そういえば、天澄が来た時に今日はどのくらい暇なのかを聞かれてたんだった。……で。アタシは何も考えずに「今日は特に予定ないからずっと暇」って答えてたんだった。
「……ご褒美欲しいなァ、なんて」
落ち込んだ声色に思わず天澄の方を見ると、アタシをうかがい見る天澄と目が合う。
「うっ、……分かったよ」
そう言われると、行くしかないじゃん。罪悪感を突いてくるとか、信じられない。
……でも。それを少しアタシは嬉しく思っていた。
8月に少し入った頃、彼女の宿題が終わった。まあ、毎回ボクが面倒見てあげてたから、当たり前の話だけど。意地っ張りな彼女は、むきになって家で宿題をして。それをどやぁって、得意そうにボクに見せてたのが可愛かったネ!
「終わった!」
最後の問題を解き終え、彼女は安堵の溜息を吐く。真剣だった顔がぱっと、明るくなり嬉しそうに口の端が緩む。真剣な顔も良いけど、緩んだ顔も可愛いね☆
「良かったネ」
……でも、君との時間も終わりかァ。少しつまらなく思ってしまう。
「……ね、アンタは宿題終わってんの?」
彼女の宿題を見てたときもずっと、ボクが参考書やノートしか持って来てなかったのが気になったのカナ?
「もちろん☆」
当然だと、頷いてみせる。彼女はそれを聞いて、ハッと短く息を吐いただけだった。
「……いつ終わらせてたの」
「夏休みの初日♡」
ちょっと低くなった声に、そう、笑ってみせる。だって、自分の事でまきとの時間を減らしたくなかったからね。
「やっぱ嫌なやつ!」
そう不機嫌そうに顔をしかめるまき可愛い♡あ、そうだ。
「せっかくだからさ、お出かけしよっか」
「えっ?」
きゅっとその柔らかい手を握れば、まきは可愛い目を瞬かせる。終わりだからと言っても、ボクはタダじゃ起きないヨ。
「暇だもんネ?今日は」
予定はしっかり聞いてたし、少しくらいボクにだってご褒美があってもいいと思うんだ☆
「……まあ、ね」
目を泳がせてなんとか断る理由を探そうとしている彼女に、ちょっと脅しをかけてみる。
「ご褒美欲しいなァ、なんて」
と、ちらっと見る。
「うっ、……分かったよ」
彼女は面倒そうに小さく溜息を吐いたケド、OKしてくれたみたいだ。……やっぱり、言ってみるものだネ。