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ほぼ同じ内容を繰り返していると飽きますよね。
読み返しすると4度同じ文章を読んだ気になって凄く胃もたれします。
何を言いたいかというと、徐々にまた文章に差が出ますってだけのお話。(しかしここからではない)
小道具を届ける時みたいに、高宮は重い荷物の方を持ってくれた。
「デート楽しかったね」
なんて言われでも、アタシは楽しくなんかない。なんだか気持ちがモヤモヤして落ち着かない。
「全然」
そう、答えたのに
「また行こうね」
なんて高宮は返す。人の話聞いてた?
それから数回、アタシは高宮と買い出しに行く機会があった。
明日は文化祭本番で、今日は最後の買い出しだった。と言っても、お菓子を買うだけなんだけど。他の女子達も一緒に行きたがってたみたいだけれど、高宮が
「頑張ったキミ達を労わりたいんだ」
とか、微笑んで言いやがったので、最後まで二人きりの買い出しになった。
「ねぇ、永瀬さん」
帰り道、ゆっくりと口を開いた。
「キミのコト、『槙乃ちゃん』って下の名前で呼んでいい?」
驚いてその顔を見ると、思わず惚けてしまいそうな笑みでアタシを見ていた。
「ボクの事『天澄』って呼んでいいからさ」
「なんでよ」
その顔を見ていられなくて、逸らした。
「こんなに仲良くなったのに苗字呼びだなんて他人行儀すぎてちょっと寂しい」
しょんぼりと、犬だったら耳と尻尾が下に下がってそうな雰囲気でいじけられた。アタシとアンタは他人だろ!……でも、
「……別にいいよ」
あんまり悪い気はしなかった。
「でも、ちゃん呼びが気持ち悪い」
「えぇっ?じゃあなんて呼べばいいの?『槙乃』?」
少し、絆されてしまったみたいだ。きっとただ、一緒にいる時間が他よりちょっと長くて緩んだだけ。係が終わればもう、関わることもないだろう。
「……ちゃん呼び以外だったら、別にいい」
とか答えたら、『まき』だなんて家族にも呼ばれたことのない愛称を付けられてしまった。強いて言えばさんを付けるか呼び捨てだろ?!
頼まれたものを持って教室まで帰れば、このお出かけは終わりか。名残惜しいネ。
「デート楽しかったね」
なんて言ってみても、彼女は不機嫌そうに
「全然」
そう、答えるだけだった。
「また行こうね」
想定内の返事☆逆に「うん、そうだったね」なんて返すのは、彼女じゃないよネ?なんだかこの塩対応に慣れてきちゃったヨ。
それから、彼女とボクとで数回買い出しに行く機会があった。神様に感謝だね!あんまり信じてないケド。
明日は文化祭で、今日は最後の買い出し。無駄にお菓子を買うだけだケド。他の子達も一緒に行きたがってたみたいだけれど、
「頑張ったキミ達を労わりたいんだ」
そう言って最後まで二人っきりで買い物デート♡他の奴らに邪魔なんかさせないヨ。
「ねぇ、永瀬さん」
帰り道、ボクは勇気をほんのちょっぴり出して彼女に聞いてみる。
「キミのコト、『槙乃ちゃん』って下の名前で呼んでいい?」
笑いかけてみるケド、上手く笑えてたかな?なんだか柄にもなく緊張してたんだ。
「ボクの事『天澄』って呼んでいいからさ」
「なんでよ」
彼女は顔を逸らす。……うーん、ダメ、かな?もう一押ししてみよう。
「こんなに仲良くなったのに苗字呼びだなんて他人行儀すぎてちょっと寂しい」
しょんぼりと、精一杯いじけてみせる。半分くらいは本心。
「……別にいいよ」
え!イイの?すっごく嬉しいなァ。
「でも、ちゃん呼びが気持ち悪い」
「えぇっ?じゃあなんて呼べばいいの?『槙乃』?」
上げて落とすの、上手いよネ。見事に踊らされちゃった☆でも、キミだったら踊らされるのも、イイかもしれないって思ったんだ。
「……ちゃん呼び以外だったら、別にいい」
だから、『まき』ってあだ名で呼ぶことにした。凄い嫌がってたケド、『なんでもイイ(意訳)』って言ったもんネ。言葉の責任は取ってヨ?




