1/1
プロローグ
いつもいつも、私は虚空だった。
小・中学校の義務教育どころか高校ですら、退屈だった。私は人として何かがない。不適合な人間だった。
卒業、絶縁、友人の死までも、泣く事はなかった。
人として涙を忘れていたのかもしれない。
永遠に泣く事は無いのだなと、思っていた。
それなのに、会ってしまった。
変わってしまった。全てが。
優先順位も、思考回路も、何もかもが。
出会わなければ良かったのかもしれない。けれど、出会っていなかったら変われていない。
これは、虚空だった私の、1つの出会いの物語。