第56話 お腹空いたら、うどんうどん
お待たせしました!
のののの可愛さを十全に!10/10伝えたいのに!!
まだまだ上手く伝えられていない気がする……
頑張ってはいきますよぉー!はぁいっ!!
(深夜なのでテンション高め)
よろしくお願いします!
※のののの台詞を少し……一部削ったりしました。それに伴う影響は無いです。
「神戸、また同じ所……」
「ののの、俺は日本から出ないと誓って……」
「聞き飽きた」
英語はどちらかと言えば苦手だ。これならまだ数字を相手にしていた方が楽と思えるほどに。うん……これは確かに今の内から勉強しておかないと駄目かもしれない。
「これなぁ~、文法を間違えなかったと思ったらスペルミスとかあるしなぁ~、ののの……飛躍的に英語が出来る様になる――」
「しゃらぷ。苦手は無くす……ね?」
(ごもっとも……だな。よし、せっかく教えてくれてるんだし頑張りますか!)
カーペットの上に座り、脚が折れるタイプのテーブルを挟んで相対していたのののが、気付けば隣に居る。
見づらい、教えづらい、合理的……と口に出しては少しずつ移動してきた感じだが、そこまで大きいテーブルじゃないから窮屈にも感じる……が、のののの家という事もあるし、勉強を教えて貰っている以上、余計な事は何も言えないし、言わない。
「神戸、スペルミス」
「……ぉぅ」
「そもそも、答え違う」
「それは先に言って欲しいんだけど!?」
英語を二時間、休憩を少し挟んで次は別の教科を一時間。
お昼を過ぎた頃になって、のののがポツリと一言『お腹空いた』と言った。
その一言がトリガーとなったのか、恥ずかしい事に俺のお腹が空腹を叫んだ。のののが口角を上げてしてやったり顔を見せてくるが、その直後にののののお腹も同じ悲鳴を上げていた。
「お腹……空いたのか? ののの? ん? ののの?」
「私は空いてない。でも神戸がお腹空いたから……食べに行く」
顔を少し紅くしたのののが、そっぽを向いたまま部屋を出て行こうと動き出した。
食べに行くという事は、この辺でどこか良いお店があるという事だろうか? のののも外食とかするんだなと、少し意外に思った。
「近く?」
「そう遠くない」
玄関を抜けて、駅から歩いて来た方とは逆側へとのののが歩いて行く。来る時とは違い、今度はののののペースに合わせて、隣を歩いた。
曲がったり、真っ直ぐだったり、曲がったり……時には戻ったり。近道と言って進んだ道がそうでも無かったりしながら、ようやくのののが連れて来ようとしていたお店へと辿り着いた。
やはりと言うか、何と言うか……そのお店はうどんのお店。ののの曰く、最近オープンしたばかりのお店らしい。
「やっぱり混んでる……でも、今日なら……」
「なるほど……いや、ののの? 押さなくてもちゃんと前を歩いてあげるから」
「ふふー、やっと食べられると思ったらつい……」
相当楽しみにしていたのだろう、いつもより力が入っている気がする。最近出来たばかりらしいし、こんなに並んでいるのなら、近くまで来たのに諦めてしまうだろうのののの姿が目に浮かぶ。
そもそも女の子が一人でうどん屋の列に並ぶのは勇気がいるかもしれない。のののなら尚更に。
まぁ……仕方ない。盾として使われてあげますか。
最後尾に並んだ俺達は、このうどん屋に期待を膨らませながら三十分は待っていた。
◇◇
「らららっせらっせぇ~、二名様でーす!」
案内された二人用のテーブル席に座ってメニューを開く。
外にオススメのメニューは書かれているのだが、やはり初めてという事でどんなメニューがあるのか気になるからな。
運ばれてきたお冷やを一口飲んで、のののとメニューについて話始める。
「サイドメニューも充実しているみたいだぞ?」
「うどんも良い。今日は冷たいやつの気分」
このお店のこだわりが書かれてある部分を読んだりしてみたり、店の雰囲気を感じてみたり。ラーメン屋はたまに行くこともあるが、うどん屋は滅多に無いから新鮮に感じる。
のののの足がちょくちょく当たっている……気分が良いんだろうな。
「神戸、あれ見る」
「ん? 大盛チャレンジ?」
のののが指を指した方の壁に、時間内に食べきれたら半額になるというゲームの張り紙がしてあった。
四杯分の麺に、天ぷら各種盛り合わせを二十分以内という内容。お腹が空いている時でも俺には無理そうな内容だ。
「……やるしかない?」
「俺は無理だぞー?」
「大丈夫。神戸は下がってて……ここは私が」
まるで悪役と戦う時のヒーローみたいな事を言っているが、いくらうどんが好きだからといっても、のののには無理だろう。小柄で大食いの人も居るだろうけど、別にそういう訳でもないしな。あと……。
「のののは猫舌だろ? 熱いのしか無いみたいだぞ?」
「むぅ……それは仕方ない。普通に注文する……神戸、任せた。私はこれ」
「はいよ。すいませーん!」
コミュ障を発揮するのののに代わって店員さんに注文する。
のののは『冷やしぶっかけうどん』で、俺は『肉うどん』を。
混んでいるから少し時間は掛かるみたいだが、話していればすぐだろう。まぁ、のののとなら話さなくともまったく、全然、これっぽっちも構わない。二人で居て話さなくとも気まずい雰囲気にならないのが、のののと居て楽な所でもあるからな。
だが、あえてここは……会話をして時間を潰そうと思っている。理由があるわけでは無いが、しいて言うなら暇だからな。
「のののはテスト大丈夫なのか?」
「問題ない。神戸はノートを取る事に必死……話を聞いた方が覚える」
「あー、確かに……先生が何言ってたかって覚えて無いかも? ノートに書いてある事だけ覚えてる感ある」
藪を突っついたら巳良乃さんの勉強講座が始まってしまった。授業の受け方から始まり、ノートの取り方や復習の仕方。時間を区切って集中する事……実際に頭の良いのののに言われると、説得力がある。
授業の受け方一つで成績が上がるというなら、試してみて損は無いだろう。
「そういえば、のののはもう進路って決めてるの?」
「………………秘密」
「その間が気になる所だけど、まぁ……無理には聞かんさ」
少しの沈黙の後に雑談をポツポツとして、人の入れ替わりがさらに加速し始めた頃に、俺達の注文したうどんが運ばれてきた。
「おっしゃっしたー! うどんでーす!」
雑な紹介と共に運ばれてきたが、美味そうだ。
味の染み込んでいる豚バラ肉と、出汁と麺の色合いがとても良い。香りに関しては……まぁ、別に嗅ぎ分けられるほど良い訳じゃないから良い香りとしか表現できない。
「「いただきます」」
まずは一口……と、勢いよくすすりたい所だが、この熱さは無理だ。出来立てが美味しい事は知っているのに、猫舌がそれを邪魔してくる。ののの程じゃないと思うが、俺も猫舌で熱い物は得意じゃない。
俺が一口も食べていない中、冷たいうどんを幸せそうに食べるのののが居る。
「美味いか?」
「美味しい……神戸、柚子のやつと一味を取って」
味を調節しながら食べていくのののを見ながら、俺も少しずつ食べ始めた。うん、美味い。学食とはやはり違う美味しさだ。
満足感的にはお店に軍配があがるだろう。学食のは飽きない美味しさだけど、お店のガツンとした美味しさだ。どちらが良いかは時と場合と人それぞれだろう。
「出汁がやっぱり……こう、良い感じだな」
「…………そうだね」
(気を使われた!? うん、もう……黙って食べよう)
ちょうど良い食べられる熱さになったなら、こっちのもんだ。
のののに倣って一味を少しだけ入れたりして、肉うどんを堪能する。少しだけ汗ばむ季節になってきたし、のののと同じで冷たいうどんにすれば良かったかもと考えるが、美味しいから熱くてもオーケー感がちょっとだけ強い。
のののは食べるのが遅いからいつの間にか俺が追い抜いてしまったけど、スープを飲む事で時間を稼ぎ、食べ終わるタイミングを一緒になるように合わせた。
「「ごちそうさまでした」」
――この一言を一緒に言う為に。
のののが机に肘をついて、チビチビと水を飲み出した。まだ動かない……いや、まだ動けないの合図だろうか? いくらうどんとはいえ、のののは消化も遅そうだもんな。
俺も水をチビチビと飲みながら、のののが動き出す時をゆっくりと待つことにした。
誤字脱字その他諸々ありましたら報告お願いします!(見直しは……もう、していない……すまない)
今、新しいやつを書いているんですが、転生で日常系でいこうかと思いまして(たまにラブコメも?)。こっちの更新……というか、他のも週1くらいになっちゃいましたね。
(逆に言えばほぼ毎日日替わり作品を楽しめる!?)
というのは、置いといて……もうすぐPV数も200万いきそうです!
読んでくださりありがとうございます!
感謝で夜も眠れません!
では、おやすみなさい(´つω・。)