第115話 また……作っても良いですか?
お待たせしました!
全然話進まないですね
(o≧▽゜)o
よろしくお願いします!
「――という訳で、日曜日は来れないと思う」
「いや、どういう訳ですか? いきなりそこだけ話されても……」
店に入っていつもの席に。
今日は時間も時間ということで、何も頼んではいない。ただ、ひま後輩を捕まえて、話し掛けているだけだ。
たしかに急というか、話を省きすぎた感はある。
省いた部分を上手に伝えきれる自信が無かったから結果として、そうなってしまっただけなのだがな。
(マノンを送る為……なんて流石に言えないよなぁ)
どう伝えようか迷っている姿を見たひま後輩が、訝しげに俺を見ている。
下手な嘘はバレるだろうが、真実をそのまま伝える訳にはいかない状況。
ひま後輩になるべく嘘は吐きたくないと思っているのに、結局は吐いてしまう自分というのを自分で解っている。
それだけに、偽善者という言葉を投げ掛けられたら、俺は反論が出来ない。
「日曜日は予定があるんだ」
「それは、彼女の私に会うよりも大切な用事ですか?」
「それは……」
マノンの荷物を施設へと運ぶのは大切というよりも、大事な用事だ。
ただ、この一週間いろいろとやってくれた事のお礼を伝えるのは、大切な用事といえるだろう。
だから、迷った。それがひま後輩に会う事より大切かどうかの比べ方が分からずに。
ひま後輩が会おうと言うなら、会う。でも、マノンの事だって忘れちゃいけない。
「……うん。やっぱり、日曜日は開けて欲しい。埋め合わせは絶対に」
「なーんちゃって、ですよ! ふふっ。そう気構えなくても大丈夫ですよ、青さん。土日は恋人関係もお休みにしようと思っていましたから」
「そ、そうなの? あー……何か、怒られるのかと」
「私がそんなに度量が小さい人間とお思いですか……まったく。ですがまぁ……埋め合わせの件は覚えておきますね!」
――冷や汗が流れていた。
何だかドラマなんかである問い詰められるシーンってこんな感じなのだろうと、次からより男性側に感情移入ができそうだった。
埋め合わせって言葉もよく考えると、浮気男が使いそうな台詞だ……いけない。何かが、いけない。そんな気がしてくる。
「休みの日にでも……って、ひま後輩って休みあるの?」
「た……たぶん? 店長に言えば休めるとは思いますけど」
「そっか。じゃあ、無理のない日にデートでも」
「デ、デート……は、はい! 絶対ですよ? 絶対ですからね!!」
グイッと近付いて来たひま後輩との距離が、握り拳ひとつ分になる。
大きい瞳が、キラキラと輝いてみえる。
そこまで楽しみにして貰えると、期待値が上がりすぎて怖いが、頑張らないと……という気持ちにもなる。
「う、うん。約束ね……」
「あっ……す、すいません。近かったですね」
「あっ、いや、大丈夫だぞ?」
「ほっぺが紅いですよ青さん。という私も……大丈夫じゃなさそうですね。えへへ」
照れ笑うひま後輩。
釣られて照れ笑いをしてしまう。
どこへデートへ行こうか。なるべくお金を使わない場所の方が良いだろうな。
動植物園とか、緑豊かな公園とか、意外と釣り堀なんかも良いかもしれない。
ひま後輩の希望も聞いて決める方が良いか。とりあえず、今日はそんな感じで……。
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
「あっ……はい。入口まで」
今日は何も注文してない。そのまま鞄を肩に掛けて入口のドアまで歩いていく。
「それじゃ、また……来週」
「はい。あの……青さん。また、お弁当作ってきても良いですか?」
「良いの!? むしろこっちからお願いしたいくらいだわ。材料費は……いや、都合が合ったら一緒に買いに行こう」
「はい!」
「じゃあ、またね」
「またです。青さん」
ドアを開けてくれたひま後輩に手を振って、お店を出ていく。
ひま後輩に見送られながら歩いていく。何度も振り返っては手を振って、家へと帰って行った。
◇◇◇
「碧ちゃん、あーんですよ」
「あ、あーん? どうしたの、マノン姉?」
「んー? 何でもないですよ、ただ碧ちゃんに『あーん』したくなっただけで」
(マノン……さては噂を知ってるな?)
家に着いて、夜ご飯の時間。
マノンが米を茶碗に盛り付けてくれている時に「少なめで」と言ったのにも関わらず、ちょい盛りぐらいで出てきた。
そして、今日のメインのおかず『からあげ』。それをこれ見よがしに、碧に食べさせていた。
勝也も知っていた噂。友達がいつの間にか多くなっていたマノンが知らないとも思えない。
「じゃあ……お兄ちゃんには私がしてあげる。はい、あーん」
「いや……」
「あーんっ!!」
「はいはい……あーん」
「じゃあ次はお兄ちゃんの番だよ!」
俺の番か。流れからして碧にお返しではないのだろう。
そんな事をすれば、また碧から怒られてしまうかもしれない。ただでさえ喧嘩疑惑があるのだから、ここは普通に流れを読んでおこうか。
「マノン」
「はいはい」
「どぞ」
「あーんでしょ!!」
厳しい……今日の碧は一段と厳しい。
ムッとした視線を受けたまま、俺はマノンにからあげを差し出す。
「あーん」
「ん。美味しい」
「すまんな、俺の箸で」
「今さらですよ」
(まぁ……箸くらい、たしかに今更だな)
食べさせ合いはそこまでで、あとは普通に各々のペースで食べていく。
お腹の満腹具合から、俺の食べるペースが一番遅かった。
マノンと碧が同じぐらいに食べ終わり、次にお母さんが食べ終わる。
それから少しして、ようやく俺が食べ終わった。しばらく動けそうにないぐらいにお腹はパンパンになっていた。
「マノン姉、ドラマの前にお風呂に入ろ」
「良いですよ」
「お兄ちゃんも入る?」
「入るわけないんだよなぁ……」
「私は構いませんよ?」
「は、はっ!? ……あんまり冗談言ってるとビック死するからやめてくれ」
ビック死。それは、ビックリして死んじゃう事だ。
マノンの発言はそれの一歩手前の状態になる威力があった。
ここで俺が「じゃあ入る……」なんて言えば「冗談に決まってます」なんて台詞が返ってくるのだろう。
分かっているのに驚いた。女の子の怖い所のひとつだよな。
「わっ、マノン姉大胆! でもやっぱり恥ずかしいからダメ~」
「じゃあ、行きましょうか碧ちゃん!」
「今日も碧が背中洗ってあげるね」
「私も洗ってあげますよ」
二人で話ながらリビングを出ていった。
俺はお茶を啜りながら、テレビを観て、胃の中のモノが少しでも消化されるのを待った。お母さんは食器を洗っている。
「青、本当にマノンちゃん日曜日に帰るの? もっと居て貰ったら?」
「まぁ、そこはマノンの好きにしたら良いと思う……みたいな? 一応は伝えてみるけど」
「そうねぇ、たしかに本人の居たい場所に居るのが一番ね」
「そうだね……じゃあ、碧達が上がったら次、入る」
「はいはい。ちゃんと勉強もしなさいよ」
リビングを出て、部屋に戻る。
充電コードを外したスマホで勝也にチャットを送った。
『明日、午後から大丈夫か?』
『もち。駅で良いか? 一時には終わって、三十分には駅に着くと思う』
『了解なり』
短いやり取りだが、勝也とはだいたいこんなもんだ。
明日はまた買い物に付き合って貰おう。午後からなら流石に寝坊もしない。
俺はふと気付いて、追加でチャットを送った。
『昼飯はどうするん?』
『なんか食いにいくべ?』
『おけ。じゃあ、明日』
スマホをまた充電して、まだ横にはなれないと、椅子に座る。
ただ、風呂待ちしているだけじゃ勿体ないと多めに出された宿題を机に広げた。
机の中にいつも常備させてあるお菓子を切らしている事に気付いたのは、宿題をし始めてからしばらくしてからだった。
「買いに行くかぁ……?」
別にお腹が空いている訳ではないが、いつもある物が無いと、不安になってくる。
買うだけ買って、食べるのはいつでも良いと考えを振りきって、財布を片手に部屋を出た。
まだ風呂に入っているのか、そろそろ上がるのかは知らないけど、それでずいぶんとゆっくりだと思った。
(買い物から戻って来ても、まだ入ってるかもな)
お母さんに一声掛けて、近くのコンビニへと向かった。
誤字脱字その他諸々ありましたら報告お願いします!(´ω`)
前から気になっていたギャルゲー(エ○ゲーのヴィー○版)を買ったんで更新遅くなったらすいません。
可愛いキャラが一人居たんですよ。
そう、『中二病の宇野宮さんはちょっとイタい』に出てくる宇野宮さんのような、ね!




