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第101話 任せてばかりでごめんなさいね


お待たせしました!

クリスマスイベのガチャは何故か爆死するんですよね……

去年もですね(^ω^)

みんなー!オラにガチャ運をわけてくれぇー

\(^o^)/

 


「……よし、オッケーですわね」

「いや、全然オッケーじゃないんだけど?」

「さっそく噂の『あーん』とやらでもしてみますか? 割りと(あこが)れがありましたし」

「そうなんだ……じゃなくて、説明を! ひま後輩、せ! つ! め! い!」


 リスクがどうとか、味方だとかの流れから、まさかの付き合うという着地点が予想できる者はそうそう居ないのでないだろうか。その上、説明すらしてくれないとなると、ただ俺がパニック状態という状況が出来上がるだけだ。


「言葉通りですわ? お付き合いをするんですよ」

「下手かっ! 説明下手なのか!?」

「まぁ、まぁ。いや……流石に私も突発的に言い過ぎたと思ってますよ? 今から少し時間をください。ちゃんと考えを纏めますね」


 鋭い目付きにも慣れれば、あまり近寄り難さも感じない。ツインドリルも可愛く見える。お嬢様口調も違和感はなく、ひま後輩は成績も良い。

 だけど少し、稀にだが、この後輩……天然っぽい所が強く全面的に押し出てくることがある。

 先輩という立ち位置から見ると、それも可愛いものだと思えるが、今はしっかりしてくれ……という気持ちの方が上回っていた。


 だが、ひま後輩は俺の為を思って考えてくれているのだ、と(はや)る気持ちを落ち着かせる。

 彼女は味方なのだ。俺は信じると決めたのだから、今はひま後輩がその考えを教えてくれるのを静かに待つことにした。


 そして弁当の中身が八割程度減った頃に、話す準備が整ったのか、ひま後輩は姿勢を正した。

 考えてる姿も、ビシッとした姿も絵になる後輩だ。そのせいで、無意識に相手を威圧(いあつ)というか萎縮(いしゅく)させてしまうのだろう。今の俺でもそうなのだから、友好度の低い人なら尚更だろう。


「まず、この提案は私欲二割、青先輩の為八割と思ってください」

「なるほど」

「まず、私と付き合う事の真意を話しますと……」


 ひま後輩の思い付いた案の真意は二つある。

 一つ目は、俺が一番を選ぶのが難しいと言った事への作戦。

 それを確かめる方法としてひま後輩が考えたのは『無くしてから気付く大切さ作戦』らしい。ひま後輩と付き合い、三人と距離を置いた時に誰を一番に思えるか……それを確かめるという作戦だ。


 二つ目は、一つ目の続きみたいなものらしい。

 誰かと付き合った際の距離が出来た関係性をどうするか、というもの。

 今まで通りにはいかない関係を受け止め、それでも選んだ一人を大切にできるのか、という予行練習。


「リスクはお察しの通り、取り返しのつかない事になる可能性が含まれている……という事ですわ」

「ひま後輩と付き合った……っていうのはさ、三人にだけ教えるの?」

「その予定ではあります。そのお三方が広めなければ、広まりませんわね。そのリスクもあります」

「どういう反応をするんだろうね……そこ、ちょっと怖いんだけど」

「まぁ、普通に考えるのならですよ? 青さんに興味を無くしていくか、友達として在るか、でしょうね。好きだけど諦めて他の恋に走ることも考えられます」


 出来る限りのフォローはします、と説明の最後にひま後輩は言ってくれた。

 関係性を変えること、壊すことに近いこの提案はちょっと怖い。

 このお試しをやり終えた時の、三人を試していたという事が原因で嫌われる事になるかもしれない。

 俺の為に考えてくれたのは分かっているが、起こり得るリスクに腰が引けている状態だった。


 のののが他人行儀で話してくるかもしれない。

 マノンと一緒にアホなことをできなくなるかもしれない。

 もう、紅亜さんの甘いお菓子が食べられなくなるかもしれない。


 そのリスクを、いずれは選ばないといけないことも分かっている。むしろ……その為の予行練習としてひま後輩が提案してくれている。


「あぁ……ちなみに私欲の二割というのはですね、私も誰かとお付き合いをしてみたかった……というのがあります」

「なるほど。付き合うとなると話さないといけない事が多いもんね、ひま後輩って」

「まぁ……そうですね。こんな提案をしなければ青せ……誰とも付き合えないのですから、打算ありの自分の面倒臭さが嫌になります」

「それでも、ひま後輩にはありがとうって思うよ。八割は俺の為を思って考えてくれたんだし」

「お三方には最大限のフォローをします。青さんの信じる私を……どうか信じてくださいませんか?」


 いろいろ思うところはある。それに、やっぱりリスクが怖い。

 ひま後輩には話して無い関係性や今の状況だってある。

 それでも……俺は自分が信じるひま後輩へ「お願いします」と返事を返していた。


「えぇ、こちらこそお願いします。交際はそうですね、今からということで」

「分かった」

「お三方には私から“説明”しますので、任せてください。たしか次は……体育祭の練習の時間ですよね? 都合は良さそうです」

「あっ! 体操服を教室に置きっぱなしだった。戻らないとだわ」

「私も“いろいろ”と準備がありますので、そろそろ戻りますわ」


 先に食器を手にして席を立ったひま後輩を見送りながら、残っている弁当を急いで食べ始めた。


「……ん? 三人に説明とフォローって言ってたけど、期限とかって……」


 説明に関しては、俺とひま後輩が付き合ったという報告だろう。三人に対して、宣言をするかの様な役割をひま後輩にさせてしまう事に、今更ながら申し訳なさが出てくる。

 それにこのお試しは、俺が結論を出すまで続くという期限があやふやなものだ。その点に関してもひま後輩には多大な迷惑を掛ける事になるだろう。

 ひま後輩からこの提案を破棄する場合は当然として受け入れるが……お礼として喫茶店で注文の数を増やすくらいの事はした方が良いかもしれない。


 ……心配事が急にに増えて、なんだか胃が痛くなってきた。



 ◇◇◇


「おっ、青。ラッキーアイテムはどうだったんよ?」

「いや……胃が痛いな」

「俺も胃が痛いわ~、部活別のリレーのアンカーやれとか言われてよ。ボールを腰回りで回しながら走れとか言うんだぜ?」

「まぁ、あれって得点入る競技じゃないから良いんじゃない?」

「単純にハズいっつーの! はぁ……とりあえず行こうぜー、今日は競技ごとの入場と退場とかやるらしい」


 それも先輩から聞いたのだろう、勝也が教えてくれた。入場と退場の流れだけなら実際に競技をする訳じゃないし、楽な時間になりそうだ。

 まだ、選手応援席の組み立ては完成してないからその周辺でダラダラと喋ったりするのだろう。俺は保健係りとして場所が決まっているのだが。


 勝也とグラウンドに向かい、ブラックと合流して時間が許すまで駄弁(だべ)っていた。

 ただ、時間が許すとは三年生のリーダー達が集合を掛けるまでではなく、ひま後輩が呼びに来るまでであったが。


「お話中に申し訳ありませんわ。青先輩をお借りしても?」

「おっ、灰沢さん。もちろん、良いぜ」

「ありがとうございます」


 何がもちろんなのか……もしや、俺が人に借りられるのが当然とでも言うのだろうか。

 ブラックに関しては視線を何処かに向けて、ひま後輩を見ようとも……いや、少しだけチラチラと見てるな。どの部分かは言わないけれど。


「では、少しだけお借りしますわ」


 勝也とブラックから少し離れ、小声なら周囲に聞こえないだろう場所に移動した。

 朝もチラチラと見られていたが、俺が女の子と居ると見られるのか、ただひま後輩が見られているのか迷う所だ。たぶん、どっちもなんだろうけど。


「手短に言いますと、三人で移動していたのでまだ言えてません。何となく、お一人ずつに言いたいのです」

「そこはひま後輩に一任するよ」

「わかりました。まぁ、失敗した時は私が責任を取りますので」

「何をもってして失敗とするのか……いや、その前に三人にどう説明するの?」

「えっと…………はい、大丈夫ですよ?」

「いや……どう説明を」

「大丈夫ですよ?」

「いや……」

「大丈夫です!」

「そ、そうか……」


 大丈夫なら教えてくれても良いと思うのだが、そこは言わないらしい。

 もしかすると、まだその部分は上手く考えを纏めていないのかもしれない。なら、そこをもう少しだけ練ってから話にいかないと三人の反応……特にマノンあたりが深く話を掘り下げてくるかもしれない。そうすれば、どこかでボロが出そうな気がする。

 でも、ひま後輩の大丈夫という言葉を信じて待つことしかできない。

 ただ、与えられ流されている……情けなくなると分かってて、それでもその状況に甘えてる自分ってやつ。それが、ホント情けなくなってくる。


「せめて、早く終わらせるように頑張るよ」

「それは困ります!」

「……えっ? 困る?」

「あっ、いや……困ると言いますか……。ほら! 私の私欲の方も気にしていただければ……嬉しいのですけど」

「まぁ、それも気にはするけど……やっぱり早めにやらないとひま後輩も大変だろ?」

「いえ! まったく! むしろ、ずっと決めなくても良いと言いますか……」

「ずっと……って、ひま後輩は俺をどんだけ優柔不断な男だと思ってんの!?」

「それは……かなりですわ!」

「返す言葉もございません……」


 優柔不断でなければそもそもこんな状況になってなかったと、ひま後輩の正当で正確な評価の前に軽く落ち込む。


「はい! 全員集合!」


 体育教師の根元先生が、散らばっていた生徒に集合をかけた。

 俺とひま後輩は赤組が集まっている方へ向かって、自分の並ぶべき場所に進んでいく。

 授業の始まりの挨拶をして、先生から軽く注意事項と今から行う体育祭練習の内容が話されていく。だいたいは勝也から聞いた通りの内容だった。


 注意事項なんてものも、簡単に言ってしまえば怪我に注意すること、時間が短いからテキパキ動け、ということでダラダラはできそうに無いらしい。

 その後に、各組の三年生リーダーが指示を出しながら、俺達は最初に行うプログラムである入場行進の準備に入った。







誤字脱字その他諸々ありましたら報告お願いします!(´ω`)


更新が三日に一度くらいになるかもしれませんね、イベントしたいし……

右カノの書き溜めとかないですしおすし!


うーん……新しく書いてたのをあげるのもアリ……?


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《更新中の作品です!!!》

転移物のハイファンタジーですよ!息抜きです(´ω`) どうぞ、よろしくです! 『アイテムチートな錬金術師』

2020/1/11~。新作ラブコメです! 『非公式交流クラブ~潜むギャップと恋心~』
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