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花さんと僕の日常   作者: 灰猫と雲
第一部
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秋の章「高橋真夏1」

『大熊猫大好きさんからのリクエストで白銀ディスコでした。いやぁ、可愛いねぇ月火ちゃん。一緒にお風呂入りたいねぇ。体洗ってあげたいねぇ』


あのバカ何言ってんだろう?


『さてそれでは早速今日の乱痴気ランチ、始めてみたいと思います。ゲストはこの方で〜す!』

『やっ!2年4組、高橋マカだよ。真夏って書いてマカって読みます!まなつって呼ばないでね』


精力剤みたいな名前だ笑。


『マカちゃんでよろしいか?』

『は〜い。わ〜、生の野島さんだ!凄い!私この放送出たかったんです!』

『だろうねぇ笑。さっき廊下で俺のアタマ鷲掴みしてココ連れてきたもんね。拉致ったことはあっても拉致られたのはこの放送始まって以来だよ』

『すみません、思わず。テンション上がっちゃいました〜』


テンション上がって人の頭を鷲掴みする中2女子。色んな人種がいるんだな。


『この放送に出たかったってことは、何か話したいことがあるの?』

『はいっ!けどそれは野島さんが聞き出してくれるんでしょ?笑』

『まぁね。けどいきなり核心ついても何だから少しおしゃべりしましょうよ』

『はい。よろしくです』

『じゃあまず3サイズから』


バカかよっ!


『えっと上から99.9、55.5、88.8です。ちなみに身長は167cm、体重は50kgです』

『それ峰不二子のヤツな』

『えへ、バレました?』

『だってバスト99.9って…どう見ても80ちょっと、、、こら、顔面にフリスク全部ぶつけるな!』

『野島さんが女子のデリケートなゾーンに侵入しかけるからでしょ!』


野島、デリケートゾーンには侵入しちゃいかんだろ。


『というわけで今日はナイスバデーなマカちゃんと野島貴明でお送りしま〜す』

『しま〜す』


荒れるぞ今日は。放送も、阿子さんも!


『マカちゃんは部活入ってるの?』

『はい。部活っていうか同好会なんですけど、VTCに所属してます』

『連続可変バルブタイミングコントロールシステム機構かぁ。マカちゃんは日立の職員か何か?』

『さすが野島さん、よく知ってますね。VTCはトルク、燃費、低排出ガスと目指すものでベストタイミングが異なるバルブタイミングを…ってオイ!ちげ〜よ!』

『だろうね笑。中学校の同好会でやるにはコアすぎるよね。で、VTCって何?』

『Voice training circleの略です』

『ああ、ボイストレーニングね』

『まぁ平たく言えばカラオケ部です』

『遊んでるなぁ笑』

『遊んでますね笑。毎日放課後はカラオケ三昧です』

『部員は何人?』

『会長と私の2人しかいないです笑』

『少なっ。俺らの同好会より少ないじゃん笑』

『そうなんですよぉ。だから今年の文化祭のカラオケ大会は何としてでも優勝して新入部員を増やします!』

『てことはマカちゃん歌上手いんだ?』

『う〜ん?下手ではないと思うけど会長が凄すぎて私なんか全然。会長は去年も出たんだけど負けちゃって、すごい悔しかったからリベンジに燃えてますよ』



「なぁ乃蒼」

向かいに座っていた乃蒼は今さくらんぼを食べている。

「一応確認しておきたいんだけどさ」

「でるよ?約束したじゃん。今さらナシとかダメだからね?」

「あ、出る出る。約束だから出るよ。けどそれって、もし勝っちゃったらまた俺歌わなきゃダメ?」

「当然」

隣にいた雪平が

「何?お前ら、カラオケ大会出るの?」

と乃蒼に聞く。

「うん、出るよ。今年一緒のクラスになったら秋と一緒に出るって約束したの」

あの時まさか俺も特進に来るなんて思わなかったな。

「お前、歌上手いの?」

俺が答える代わりに幼馴染2人が口を挟んだ。

「雪平…聞くな」

「当日までのお楽しみにしといた方がいいよ笑。きっと…雪平の想像の斜め上行くから笑」

失礼な奴だ!なんで半笑いなんだよお前ら。

「え?もしかして歌下手なの?」

誘っといて露骨に嫌な顔すんなよ。

「下手では…ないと思うけど?音楽の時に歌のテストで歌ったじゃん。アレくらい」

通知表の音楽は、…3です。

「乃蒼は歌上手いの?」

そういや乃蒼の歌も音楽の時間以外で聞いたことはない。

「下手では…ないかな?少なくとも歌のテストで2人救急車で運ばれちゃうくらい下手ではない」

「そんな奴ぁいねぇよ笑」

「いたよ!5時間目の音楽の時なんてサイテーだったんだからね!みんな食べた給食ケポしちゃうんだから!」

乃蒼と一緒の小学校じゃなくてホントに良かった。

「それもう兵器だな笑」

雪平、なんでもっと早く言ってくれないんだ!もう花さん武器商人やめちゃったよ。

「私ね、なっちゃんのこと大好きだけど、なっちゃんの歌だけは大っ嫌いっ!」

会ってみてぇよなっちゃん!けど歌は聞きたくないよなっちゃん!



『会長そんなに歌上手いんだ?』

『はい、ベリウマです。ジッとして歌ってらんないのが欠点ですけど笑』



あれ?まさか…まさかな笑



『会長ってまさか…茂木?』

『やっぱ覚えてました?凄かったですよね去年!私あのミスチルにやられたんです!も〜凄い好きで』



やっぱりかよ。

「茂木くん同好会なんて作ってたんだ?上手かったもんね。よっぽど悔しかったんだね笑」

ちょいちょい俺の日常に顔を出してくる茂木にイラつく俺に反して、乃蒼はほのぼのしていた。

「確かに上手かったな。俺でさえ鳥肌立ったよあの天城越え。振り付け気持ち悪かったけど」

雪平の記憶にまで止まるほどの茂木の歌唱力。確かにあいつは上手かった。けど、俺の日常に絡んでくる必要はまるでない。



『今年私は会長と同じクラスなんで2人でデュエットなんかもしようと思ってます。足引っ張らないようにしないと』

『そっか。茂木とのデュエット楽しみにしてるよ』

『え?野島さん学祭来てくれるんですか?』

『え?そりゃ来るよ。去年もいたよ。それに今年は模擬店もする予定。去年は人数少なかったから諦めたけど、今年は出来そうだしね』




「ね!秋、知ってたの?」

彩綾が力任せに俺の机をドンドン叩く。

「いや、何も。けど間違いないだろね」

「だよね!だよねぇ!絶対そうだよねぇ!」

徐々に彩綾が興奮しだす。

「お前は?」

三天さん、お前はどうすんだよ。

「なんだよ!お前出ない気かよ!」

タケルが雪平に強く当たる。タケルは体育祭で半分しか雪平と絡めていない。けどその後、入院中のタケルを毎日見舞った雪平と仲が深まった。だからどうしても雪平と一緒に学祭を楽しみたいのだろう。

「心配しなくても参加するよ?雪平くんは」

ここで何故か雪平ではなく乃蒼が断言する。

「100%参加する。確実に絶対間違いなく何があっても雪平くんは学祭に出る」

雪平の顔を見るとやれやれといった表情だった。

「そりゃ出るさ。病気になろうが這ってでも参加するよ。いいか?最初に言っとくけどもし俺が学祭でアキレス腱切っても絶対に救急車呼ぶなよ?俺は絶対最後までいるからな!」

またあのメンバーで何かが出来る。嬉しい。たまらなく嬉しくて興奮する。

「なぁ佐伯」

雪平がタケルの肩に手を置く。

「お前今度はアキレス腱切るなよ?」

静かで穏やかに、けなす。

「雪平、学祭でどうやってアキレス腱切るんだよ?disってんのか?」

首を横にふる。真顔で。

「disってんじゃない。バカしてるんだよ、アキレス」

「てめぇ変なアダ名つけてんじゃねぇ!」

「え?カッコいいじゃない、アキレス笑」

「おい乃蒼!だったら語尾に『笑』って付けんなよ!」

「あんまキレんなってアキレス笑。あ、もうキレてたんたったっけ笑」

「秋テメェぶっとばすぞ!」

「やめなよアキレス。秋は悪くないじゃん」

「どこの世界にアキレス腱切った彼氏のことアキレスってアダ名で呼ぶ彼女がいるんだよ!」

「秋を失う、秋を欠く…秋less」

「おい英天!秋に変な接尾辞つけてんじゃねぇ!」

「綺麗な腱してるだろ?ウソみたいだろ?切れてんだぜ、それ」

「秋、お前のその漫画の名シーンもじるヤツちょいちょい古いからな?」

「たいしたキズもないのに。ただ打ち所が悪かっただけで…もう動かないんだぜ」

「続きを語るな乃蒼!あと動くからな?治ったら動くって先生言ってたからなっ!」

「死ねよ」

「おい雪平!それもう冗談とか悪口のレベルじゃねぇぞテメェ!」

「みんなもうやめてよ〜!私のアキレスいじめないでよ…」

「悲哀な感じで彼氏のアキレス肯定してんじゃねぇ!おい秋っ!」

「なんだよ」

「楽しいなっ!帰ってきた!って感じがするぞ!」

そうか。良かったなタケル。いいからさくらんぼ食えよ。

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