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花さんと僕の日常   作者: 灰猫と雲
第一部
164/778

秋の章 「サンドイッチ」

「やだやだやだぁ〜!殺す殺す殺す〜!絶対に殺すんだからぁ!生きたまんま内臓引きちぎって川に流さなきゃこの怒りは収まんないよ〜!もぉ〜!絶対に殺すのぉ!」

俺の母親が、物騒なセリフを撒き散らしながら駄々っ子になっていた…。


瀬戸さんが中橋光一にシャイニングウィザードを決めた直後、ドアから花さんの声が聞こえた。

「あ、こりゃマズい」

この状況を見られたら3人は確実に生きてこの中学校からは出られない。

「お前らそいつ担いで窓から逃げろ」

練生川さんもさすがに花さんとの付き合いは長いだけあって花さんをなだめるよりも金髪ピアスとヤマトを逃がすことを優先した。

ガラガラガラ

「秋!大丈…夫…、鼻血出てるじゃない!………あいつらか。おいちょっと待てやゴラァ!」

「わーーーーー花さん、俺大丈夫だから!もう全部終わって円満解決したから!落ち着いてカレー食べよ?」

「大丈夫な訳ないでしょ?秋が血流してるんだよ?安心して。上手くやるから、ね?あいつら殺そ?」

「疑問形で問いかけないで!俺肯定しないからね!」

「じゃあいい。私1人でするもんっ」

「だからぁ、もう終わったんだってばぁ…」

「私は終わってないもんっ!」

「花さんはそもそも始まってもいないでしょ?」

「やだやだやだぁ〜!殺す殺す殺す〜!絶対に殺すんだからぁ!生きたまんま内臓引きちぎって川に流さなきゃこの怒りは収まんないよ〜!もぉ〜!絶対に殺すのぉ!」

もぉ誰だよ俺のこと殴ったのぉ〜。

めんどくさいよもぉ〜。

「落ち着けよ花」

「ちょっとサ…練…生川、くん?」

「スッと言えよ笑」

「るさいなぁ!なんて呼んでたか忘れたんだよっ!」

「練生川様だ」

「絶対違う。ていうかそもそもアンタが私のこと置いてくからこんな事になったんじゃん!」

「バカ言え!お前がいたら間違いなくココに死体が3つ転がっている!そんで俺と祝人がどうやって誤魔化そうか頭を悩ましてただろうよ!断言する!」

練生川さんに加え祝人さんまで真顔でうなづいている光景に、その場にいた未成年は俺ともう1人を除いて若干引いていた。

瀬戸さんだけは目をキラキラさせてた。

俺を含めさっきまでここにいたゆきりん、桜さんに高橋真夏と瀬戸さんは、この2人なら死体くらいなら何とかして誤魔化せそうだと思ったに違いない。

「は〜い借りてきたよ救急箱〜!」

阿子さんが野島さんに言われ救急箱を保健室から持ってくる。

余談だが阿子さんは保険委員長だ。

「はい桜」

救急箱を手渡された桜さんは、そのまま高橋真夏の手にそっと置いた。

「ゆきりんの処置、よろしくね」

「え?でも桜さんが、、、」

「遠足の時にサンドイッチ分けてあげた恩を仇で返す気?笑。返せる時に返さないと女の名折れだよ笑」

なんか、流行ってる笑。

「覚えてたんですか?何年も前のこと!」

「昨日カラオケ大会でめっちゃメンチ切ってくれたじゃない笑。どっかで見たことあるなぁ〜ったんだけど、家帰ってやっと思い出せたよ。お弁当忘れて私のサンドイッチめっちゃ羨ましそうに見てたもんね笑」

「あははは、すみません。あの時の、めっちゃ美味しかったです」

「でしょ?初めて私が作ったサンドイッチなの」

その場にいた約半数に衝撃が走った!

「だからゆきりんの手当て、頼みます」

「桜さんは七尾くんの方…するんですか?」

「今の花さんの前でそんなことするのは自殺行為だよ笑。それに私はちょっとやることあるから。じゃ、よろしく。秋とゆきりん、それから高橋さんと瀬戸さんは終わったら3年1組に来てね。準備して待ってるから」

桜さんはそう言って生物準備室から出て行った。

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