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花さんと僕の日常   作者: 灰猫と雲
第一部
107/778

秋の章 「大リーガーとブラジルセルタオイエローブルボン」

「お前は公衆の面前で何をしてるんだ」

おぉ雪平。久しぶりだな。いや実は………

「うおおおおおい雪平ぁぁぁぁぁ!お前いつからいた?どっからどこまで見てたゴラァ!」

「いつからって、『惚れるのはお前の自由だけど見返りは求めるなよ?(キリッ)』のあたりから、かな?」

・?

・・?

・・・?

・・・・!!!

「テメェそれ昼間のドーナツ屋でのセリフじゃねぇか!」

1番聞かれたくない人に1番聞かれたくないセリフを聞かれました。

「1度目は見逃してやったけど2度目となるとね。ましてやあんなの見せつけられたら黙って素通りは出来んだろ。1日に2度会うって、お前日頃の行い悪すぎだぞ?」

見られていたことを想像すると恥ずかしさで死んでしまいたくなる。

「これ見ろよ?なかなかよく撮れてるだろ?」

雪平は自分の携帯を見ながらニヤニヤしている。嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。

雪平の携帯画面には、ユーリが俺の左頬にキスをしているのが写っている。幸か不幸かユーリの顔は髪に隠れて写っていなかった。

「雪平、お前に頼みが2つある」

「立場もわきまえず贅沢な奴だな?言ってみろ」

「1つは…内緒にしといてくれ」

「考えとく。もう1つは?」

「その写真、送ってくれ」

雪平は手慣れた手つきで画面をタップすると俺の携帯に着信があった。LINEの着信を知らせるアイコンを押すとさっきの写真が雪平から送られている。

「何か奢らせてください」

「ゲーン・マッサマン」

「どうしてこのタイミングで往年の大リーガー選手の名前が飛び出すんだよ」

「タイ南部発祥のカレーのことだが」

「OK。ドトールにあるかな?」

「スタバにあったのは知ってる」

「俺スタバ…まぁいいや。付いて来い、奢ってやる貧民」

「あの写真バラまくぞ」

「お前のその携帯にバラまくだけの人数が登録されてるとは思わんがな」

「確かに数は少ないが、ピンポイントでお前に致命傷を与える人のみが登録されている」

「土下座でいいですか?」

心の底から詫びた。



「えっと、チョコラティ…バナナ…ココ…フラペチーノ…のMが1つと」

「トールサイズでよろしいでしょうか?」

「え?トール?あ、そんなに大きくなくていいです」

「でしたらショートサイズになりますがよろしいですか?」

「え?あ、はい、じゃあショート、で。それと…」

隣にいた雪平は俺をレジ前から押しのけ、

「チョコラティバナナココフラペチーノのトールひとつにブラジルセルタオイエローブルボンのショート1つ。アイスで」

と、秘密結社スターバックスの構成員を倒すべく闇の幻獣神を召喚させる呪文を詠唱し始めた。マズい、やめろ雪平!ここじゃ被害が甚大だ!もっと広いところに場所を移さないと!

「すみません、お持ち帰りで」

「テイクアウトですね。かしこまりました」

グワッと襟首を掴まれ叱られる時の子犬みたいになる。

「いいか!お前は口を出すな!お持ち帰りってなんだ?ここは牛丼屋じゃねぇ!お前は店の隅っこでホコリでも食べながら待ってろ」

ホコリって飲み込むタイミングわかんないよね?



「ちっきしょ〜め!あんな店2度と行くものかっ!ワシントンから出てくんな!ドトール最高だぁぁぁぁ!!!」

全世界2万店舗以上の秘密結社に体1つでケンカを売る中2、七尾秋。それが俺の名だ。

「俺もあの店2度と行けねぇよ。なんだよMって。なんだよ笑、Mって…笑」

堪え切れないのだろう、雪平がツボっている。

俺たちはスタバからほど近い近くの公園に落ち着いた。俺は滑り台の上に、雪平はブランコに腰掛けた。

「で、この黒髪の少女はどこの誰なんだよ。うちの学校か?」

ナントカカントカというのを飲みながら雪平は先ほどの画面を見せゆらゆらと揺らしながら聞いてくる。

「さぁ?多分違うと思うけど」

「多分て、知り合いじゃないのか?」

「知り合いになるまでは知り合いじゃなかったよ」

「大体みんなそうだろ」

ああそうか。

「いまいちピンとこないな。俺が聞きたい事だけ聞いてくからお前は質問に答えろ。いいか」

顔で『わかったよ』と意思表示をする。

「さっきの子とは付き合ってるのか?」

「いや、付き合ってない。そもそも初対面だ」

「どうやって知り合ったんだ?」

「突然俺の目の前に来て相席した」

「名前は?」

「ユーリって言ってたけど、多分本名じゃない」

「じゃあドーナツ屋ではどれくらいの時間話してた?」

「せいぜい30分くらい」

「連絡先とか交換したのか?」

「電話番号とメールアドレスはな」

「それから?」

「俺から映画に誘って観に行った」

「その後にミシィ行ったのか?」

コクリとうなづいた。

「OK七尾。整理しよう。お前は本名すら知らない初対面の子とたったの30分間で連絡先を交換し映画に誘って観終わった後ミシィでお茶して別れ際に人前でキスをした。って事でいいな?」

「いいわけあるかぁ!」

どんな凄腕ナンパ師だよ。

「おかしい。何か間違ってるか?」

返せよ俺のイメージ!

「なんつうかお前が思ってるような、そんなもんじゃねぇよ」

「俺が何を思ってるのかわかってるようなモノの言い方だな」

氷がカップにぶつかるゴロゴロというかガラガラというか、そんな音を立てながらブラジリアンレイセフォーイエローグリコを雪平は飲みきった。

「お前の今日のその行動、何かおかしいか?自分で何か後ろめたいのか?」

後ろめたいという言葉は適切ではないが、それでもやっぱり初対面の子とデートっていうのはちょっと軽すぎやしないだろうか?

そのまま雪平にぶつけてみた。

「軽くねぇよ。誰にでもそうするわけじゃないだろ?お前は」

「しねぇよ」

「だったら今日のお前の行動は全部お前が望んでしたことだ。相席したい子と向かい合わせで座り、連絡先を知りたい子と交換し、一緒に映画を観たい子を誘って映画を見て、まだ帰りたくないからミシィに誘ってお茶を飲み、帰り際にキスをした。それのドコがおかしいんだよ」

話だけ聞くとすげぇハッピーな気がしてきた。

「お前さぁ、もう子どもじゃないんだから自分のことくらいある程度自分で分かれよな。あれか?なにか理屈こねないと人を好きになれねぇのかよ」

理屈、か。理屈ね。

「そうだな。この人が好き!って明確な理由があれば好きって言えるかもしれないな」

バカにされたり冷やかされたりするもんだと思ってた。

「ねぇよ」

その言葉が涼しげだったのは日が落ちて来て気温が下がったからだろうか?

「ないから、そんなもん。もしそんなのがあったとしても、そんなの嘘くせぇ。俺は信じない」

雪平の口調がいつもよりも優しい気がした。

「人を好きになるのって、もっと本能的だと思うぞ?今思えばだけど、俺はあの人に会って15分で恋に落ちる予感はあった。その瞬間は気付かなかったけど、次の日にはハッキリ確信してた。好きってまだ言えないまでも、この人に恋をするかもしれないっていう予感みたいなの、お前の中にもあるんじゃねぇの?」

少しずつ少しずつ日が暮れていく。

「もしかしてお前、何かわかってて言ってる?笑」

見下ろす俺に見上げた雪平がとても穏やかに、けど珍しく無邪気に

「やっぱりかよ笑」

と笑った。

こいつタケルや彩綾、乃蒼でさえ気付いてないこと勘付いてやがった。

しまった!とか、バレた!なんて気持ちにはならなかった。むしろ、知られていたことで何故かホッとしている自分がいた。

恋は孤独なのかもしれない。

誰も同一に自分のことを理解してはくれない。怒りのように。

それでもその自分だけの感情の傍に誰かがいたら、少しだけ安心できるものなのかもしれないと思った。

「こうなるだろうな、っていう予測をしていたにも関わらずその結果が出る前に思わぬ方向に進みかけているから戸惑ってると、そういう事か?」

「ん?あ、そうか!そうなのか!今お前に言われて初めて腑に落ちたよ。そう!今の俺はそんな感じ。お前すげぇなぁ」

さすが恋に生きる男?さすが三天?この場合どれがこいつを形容できるのだろう?

「お前はバカだな」

俺が今こんな心境だからなのか、それとも雪平自身がいつもと何か違うからなのか、普段使うような荒い言葉も今の雪平の口から出る言葉はどれもこれも優しさに受け取れた。

「だとしたら、お前、そりゃもう恋だろ?」

そりゃもう恋だろ、という言葉がじんわりジンワリ胸に染み入る。

「俺から言わせればな笑。けどお前の中ではまだしっくり来てないんだろ?」

「そうだな、まだ少し、こう、しっくり来ない。だから今俺は恋してるぜぇ!とは思えないな、やっぱり」

ただ否定はしない。俺は今、ここよりもっと高い場所に飛ぶための助走をつけているところなのだというのはとても実感できている。

「お前はどんな答えを出すんだろうな。完全に他人事だけど興味本位で見てみたい気もするよ。誰を選ぶのか、どっちを選ぶのか、それとも大外一気でまだ会ったことのない誰かと恋をするのか。お前の可能性は無限大だ」

前を向いてブランコをゆらゆらさせている雪平の顔は見えなかったが、なんだかとても寂しげな雰囲気だった。おかしなことを言う奴だなお前は。

「なら見てればいいだろうが」

「あ?」

「近くにいるんだし嫌でも目に入るだろ。それに、俺の方が先にお前の恋の観察者だ」

後学のためにたっぷりと参考にさせてもらうぞ恋の伝道師。

「国天のお前には少し難しい話かもしれないが量子力学の二重スリット実験では観察者がいる場合にだけ干渉縞がなくなるという結果になるが、その理由に観測者が粒子の道を妨害しているのではないかという仮説がある。お前は俺の恋の邪魔者になる気か?死ねよ」

甘く見るな。毎月26日には俺の家にnewtonが届く。

「コペンハーゲン解釈では観測が現実に影響する、といった表現をしている。ではその観測とは何か?それは光だ。光を当ててしまったせいで量子の状態が変化してしまった、と考えられている。だがそれは本当か?お前は質量がゼロだと考えられている(諸説あります)光を当てられたくらいでその確固たる信念は変化するのかよ。変わらねぇだろ。まだ論じる余地のある二重スリット実験を例えに出した時点でお前の負けだ。お前こそ死ねよ」

「あぁ言えばこういう…。屁理屈マン」

頭の中でムーニー おやすみマンのCMソング流れた。


「秋ぃ〜?なにしてんのそんなとこでぇ〜」

花さんが公園の入り口から俺たちに手を振っている。買い物帰りのようで、手には大きなマイバッグを下げている。気がつけば陽が落ち公園の街灯にも灯がともされていた。

「ボーイズトークぅー」

なんだそりゃ笑。気持ち悪い。

「湊人〜、ウチでご飯食べてかな〜い?」

リレーからしばらくして、渋る雪平を俺の家に連れて来た初っ端に、花さんから『湊人』と呼ばれた雪平は鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていた。が、そこはさすが花さんである。今ではすっかり雪平も花さんに懐柔されている。

「ねぇ〜!今日の晩御飯な〜に〜?」

ビーフシチューならいいな。…もしそうなら雪平、悪いが帰ってくれ。俺の食う分が減るんだ。

「今日はゲーン・マッサマンだよ〜!」

思わず顔を見合わせた。驚き、そして大爆笑。

「ごちそ〜になりまぁ〜す!」

ゲーン・マッサマンなら許可する。好きなだけ食ってけ笑。

「じゃあ作って待ってるからねぇ〜!」

「わかったぁ!」

「あとでお邪魔しま〜す」

花さんがブンブン手を振りながら家の方に向かって歩いて行った。

「良かったな、食いたかったんだろ?笑」

「まさか夕食にゲーン・マッサマン作る人がいるとはな笑。ホントに花さんは凄い人だよ笑」

だろ?最大の自慢だよウチの花さんは。

「なあ、七尾」

「ん?」

「俺はお前が少し羨ましい」

「はああっ!?」

どうした雪平、そんなにゲーン・マッサマン食べたかったのか?

「お前や佐伯や荒木や鈴井や、多分いろんな人に愛されている花さんから、1番に愛されているお前が、俺は羨ましいと思ってる」

どうした?死ぬのか、お前?

滑り降りて今すぐ雪平のところに行きたかった。が、きっとこいつは嫌がるだろう。だからそのまま動かなかった。

「これだけ誰かから本気で愛されてるって、そうそうない事だと俺は思うんだ。お前は幸せ者だよ」

雪平が壊れたんじゃないかと思った。

「お前も、花さんと同じくらい誰かを愛してんじゃねぇか。その人はきっと俺と同じくらい幸せなんじゃねぇか?与える方が俺は凄いと思うけど」

恋の予感しかしてない奴が愛を語るとか、バカげてるだろうか?

「sendはな、してるよ。けど俺だって愛されたいっていう欲求くらい人並程度にあるんだよ」

雪平の弱い部分を初めて見た気がする。いや、見せてくれているのか、俺に、あの雪平が。

「なぁ雪平。お前にとって『好き』って、何だ?」

今のお前はなんか辛そうだ。見てて心配になる。お前は憎まれ口叩きながら人を上から見下してバカにしてるくらいがちょうどいい。俺はそっちの方がお前らしくて好きだ。

「そうだなぁ…未来の道標であり、俺の生きる意味であり、何かをする根元であり、無限の可能性であり、それと…」

意外な答えが返って来た。

「牢獄だな笑」

「牢獄?」

「牢獄は少し大げさだけどな。無限の可能性って言ったけど、ある意味俺の可能性はゼロみたいなもんだ。他の人を好きになるって選択肢は自分の中にないからな。好きな人にトドメを刺されるまで、俺は他の人を好きにならない。よくさ、いろんな恋をして成長するとかあるだろ?それが本当だとしたら、俺は全く成長しないって事だ。残酷じゃね?笑」

雪平、俺は笑えないよ。お前がどれだけの思いでその人に恋をしているのか、俺は初めてわかった気がする。

「なぁ?」

「ん?」

「俺はお前を応援することに決めたよ」

はぁ?と、雪平はたまにやる得意の変顔を披露した。そうだ、それでいい。

「お前の相手が誰でも、恋のライバルがどんな奴でも俺はお前の味方になる。今決めた」

「お前の応援が、何になるんだ?」

「ならねぇよ」

なるわけねぇだろ、自分のこともロクに出来てねぇのに。

「ならねぇけど、全世界がお前の恋に反対でも1人くらい味方がいる方が頑張れるだろうよ?」

その男は豪快に爆笑した。寂しそうな顔してるよりよっぽどいい。

「全世界が敵って、俺は誰に恋してんだよ笑。それにお前、そんなこと言っていいのか?」

「なにが?」

「俺の味方するって言ってもいいのか?俺の恋の相手は桜さんだぞ?」

全身に衝撃が走る!

「さ、桜さん!?マジで?」

「そう、マジで」

「そうか!だからお前、羽生さんのこと…」

「あぁ、嫌いだね。大っ嫌いだ!死ねばいいとさえ思ってる。もし日本が法律改正して1人だけ殺してもいいというのなら、真っ先に始末してやる」

凄く納得した。と同時に笑えてくる。やっぱお前、そっちの方が似合ってるよ。

「お前の大好きな先輩の彼女を奪おうとする俺を、お前は本当に応援できんのかよ笑」

「俺は羽生さんのこと好きだよ。もちろん桜さんだって」

「だろ?だからお前の気持ちはあり、、」

「奪おう!」

「はぁ?」

お前変顔何パターン持ってんだよ。卑怯だぞ。

「お前なに言ってんだ?支離滅裂だな笑」

「そうか?けどいいじゃねぇか。奪おうぜ!お前が羽生さんより桜さんを幸せにすれば少なくともお前と桜さんはハッピーじゃねぇか」

「ディックはどうすんだよ」

「羽生さんは…、どうにかなるよ笑」

「お前、なにも考えてねぇだろ笑」

考えてねぇよ。知らねぇよ。どうにかなる。どうにでもなるさ。

「そろそろ帰ろうぜ。花さんが待ってる。今日は…なんだっけ?ブラジルセルタオイエローブルボン?」

「それはさっき俺がスタバで頼んだやつな。行こう。俺腹減ったよ」

滑り台を滑り降りる。勢いをつけてブランコを飛び降りる。そのまま公園の出口に向かった。

「お前には言っておくわ」

薄暗くてよく見えないが少なくとも寂しげな表情ではなかった。

「リレーの時って、なんだかんだで野島さんが美味しいとこ持ってったよな」

少なくともタケルではなかった。断言する。

「あぁ。あのハゲ主役食いやがって!」

「悪いけど文化祭の主役は俺だから」

「はぁ?お前何言ってんだ?」

「文化祭で桜さんに告白するから」

「マジでか!」

うおお、ちょっとテンション上がったずら。

「お前のことだから勝算はあるんだろ?」

路地の街灯の下で雪平は歩きながらかぶりを振る。

「ねぇよ。あるかよそんなの」

「ねぇのかよ!じゃなんで告白なんてするんだよ?」

反論するように、けど共感しているかのように不思議な顔をしていた。

「一回区切りをつけたいからだ。別にフられたからって終わるわけじゃない。しつこいって思うか?俺はな、しつこいんだよ!笑」

一歩間違えたらストーカーだな。けどこいつは桜さんのことを1番に考えるだろうから、きっと適切な距離を保つだろう。

つまりそれは、合同特進組9人の関係が今のものとは形を変えるということだ。少しだけ複雑な気持ちになってしまったがそれを雪平には悟られないように努めた。

「俺はバカなんだよ。だから色んなことを同時進行で考えることができないんだ。何か1つ答えが出なきゃ次のことは考えられない。言ってる意味わかるか?」

「意味はな。お前がなんのことを指してそれを言ってるのかはわからねぇけど」

「バカだな」

「なんだとっ!」

はっはっは笑、と笑う雪平の顔を見て、やっぱりこいつ今日なんかおかしいと思った。

あまりにもなんというか、中学校2年生男子そのものすぎる。いつもは大人ぶって生意気で腹の立つヤツなのに今日のこいつはあまりにも素直だなと思った。それがあるべき姿であるのだろうけども。


この時の俺の直感は的中し、数ヶ月後雪平は特進組の俺達の前からいなくなってしまった。

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