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学校
猫がいたその場所にはもう何もなく、目の前には光もなかった。
猫が何故見えたかはわからなかったが、足は猫の行った方へ進んでいた。
先は見えない、ただ、光があると信じてその歩を止めるのはやめなかった。しかし、その先にある光は見えず、立ち止まろうとした瞬間、足元に魔法陣みたいなものが浮かび上がり、自分を包み込んでいった。
眩しい!!と思った瞬間、目の前の奇妙な光景に、
「はぁ」と溜息しかつけない阿比留奏であった。
それもそのはず、目の前には学校電子化によって作られた仮想空間に、何万もの人が埋め尽くされていたのだから。