表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

親友×親友

「あぁ、また負けたっ!」

俺のとなりで頭を抱えているのは、親友の新だ。

「健は強すぎんよ!」

「新が弱いんだよw」

今日は日曜日。2人で俺の部屋でゲームをして遊んでいる。

「もういっかい!次は勝つ!」

「あぁ、いいよ」

「ところでさぁ」

コントローラーをかちゃかちゃ動かしながら、新が切り出した。

「なんだよ」

俺も画面を見ながら返事をした。

「俺さ、彼女できたんだよねw」

「っ!?」

俺は一瞬固まった。

そして、俺の手はコントローラーを投げ捨て、健の胸ぐらに掴みかかっていた。

「うわっ!」

「ほんとか?」

自分でも恐ろしいくらい低い声で俺は聞いた。

「だ、だったらなにっ?なんで怒ってんだよ!…あ、あれか?俺が羨ましいんだろ?お前、今まで彼女できたことないしっ!あっ!」

俺は新を押し倒した。

「違う、そうじゃない!」

「だ、だったらなんだよ!離せよ!!」

「分からない。」

「はぁ?」

そう、自分でもわからない。なんでこんなに怒っているのか。

「お前、もう帰れよ」

俺は新に言い放った。

「健が怒ってるのに帰れないよ」

新は優しい。優しすぎる。

そのせいで、俺は…


「いいから帰れよ!!!」

ドンっと新を突き飛ばす。新は壁にぶつかった。

「痛っ!」

「!!」

「新!わるい!大丈夫か!?」

ふっと、我に返った。新の左頬は赤くなっている。

顔をあげた新は、涙目で、なんていうか、綺麗だった。

「なんで、健は、こんなことっ…」

そのとき気づいた。この気持ちは『嫉妬』だ。

「新、おれ、俺はっ…」

言ってしまっていいのだろうか。

この言葉を言ったら、もう親友にはもどれないんだろうな。

「新、すき。好きだ、おれ、もう押されられない、くるしい」

俺は自分の声を絞り出して、言葉をつむぐ。

「苦しいよ…」

笑うなら、笑ってくれ。だけど、俺はなかなか顔を上げられなかった。新は、どんな顔をしてるだろうか。軽蔑してるだろうか。

恐る恐る顔を上げると、新は意外な顔をしていた。

「健…」

新は頬を赤くして俺を見ていた。

「そうか、健はそういう風に思ってたのか…なのに俺は、、、ごめん」

「い、いや、新が謝ることじゃないよ!俺が悪いんだ。ごめん」

お互いに謝罪をすると、部屋に再び沈黙が。

「俺、別れるね」

「はっ?なんでだよ」

「だって、健との関係が壊れちゃうなら、彼女なんていらない。そもそも、そんなに好きじゃなかったし、それに…」

「それに、なんだよ?」

新は、まっすぐに俺を見つめて、微笑んだ。


「俺も気づいちゃったから。自分の『本当の気持ち』」


*おわり*


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ