そうして事件は解決した
闇の支配は、純情な少年の強力な煩悩によって追いはらわれたぜ!
「やりましたよ! みんな」
私は朗らかに振り返った。
成しとげた感動をみんなと共有したいからね!
それなのに誰もやったな、とかすごいわって言ってくれない。
なぜか男性陣は顔をそむけているし、女性陣は真っ赤な顔を両手で隠している。
「アンジェ‥あなた‥」
気を失った殿下を(ひざ枕で)介抱しながらキャロル様は叫んだ。
「ふしだらすぎますわ!」
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「本当にご迷惑をおかけしました!」
学園の事情聴取の後、頭を深くさげる少年はイカロス君と言うらしい。
「僕はどんな罰でも受けるので、どうか家族はお助け下さい!」
「君は操られていただけだ、大きな罰は考えていない」
殿下は鷹揚にほほ笑む。
あの日は王子他ケガ人を医務室に運び込んだ後、エドワード様が夜中の内にイカロス君を神殿に連れこんだ。
神殿には大分文句を言われたらしい。
私はその間、寮でお説教タイム。
キャロル様の部屋に連れこまれたら、五人の令嬢による総攻撃だ。
「何を考えて、あんな行動に出ましたの」
「え? 油断させるためですよ。別に鎖骨すら見せてませんが?」
「殿方の前で、上着を脱ぐのが問題ですのよ」
「袖がちぎれたらもったいないし‥」
「ブラウス一枚になるよりはマシですわ!」
「そうですわ。大体、ブラウスの袖が破れていたら‥ど、どうなると思って!」
じっくり想像する。
「は、処理していないのがバレちゃう!」
「「「違いますっ‼」」」
言い訳はことごとく火に油。
精神が崩壊するかと思った‥
お貴族様の令息令嬢は、色仕掛けなんて見たことなかったようで、効果が効きすぎたみたい☆
今日中に最終話投稿します。