悪夢
~~~~~ (-_-)zzz ~~~~~
アンジェさんが他の男に囲まれている。
なんでそいつらばっかり見てるんだよ。
悔しくてポケットの中の魔法石を握りしめる。
どす黒い感情は、形を取り影となった。
『邪魔な奴らだ』
影が勝手に語り出す。
僕の心をそのままに。
『お前の女につきまといやがって』
僕のアンジェ‥いや、違う。
『なら奪ってしまえば良い』
それは‥そうだけど、僕じゃあいつらにかなわない。
『だから力を貸してやろう。我を使え』
使う? どうやって?
『お前の意識と肉体を我に任せよ』
え?
『全員殺してしまおう』
それは‥
『さすればアレはお前のモノだ』
目の前で男たちが次々と倒れるなか、アンジェは僕に向って手をさし出す。
ウットリとほほ笑みながら。
「やめろぉ!」
私は全力で叫んだ。
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(今の何?)
ぐっしょりと汗をかきながら目を覚ます。
「みんな殺される?」
訳が分からない。
「何なんだあの力」
今でも感じ取れる禍々しい力。
「このままじゃいけない」
私はキャロル様の部屋に走った。
「人の精神を乗っ取って操る術は知っているわ。暗殺に使われた事例があるから」
さすが高位令嬢、物知り。
「アンジェの夢の話からすると、狙われたのは殿下の可能性もあるわね」
あ、確かに。
「つまり‥殿下、もしくは私と仲の良い誰かを暗殺するために、私に好意を持つ誰かを利用しようとしている奴がいると。ずいぶん遠回りですね」
「あなたへの好意より、つけ入るスキがあれば誰でも良かったんじゃない? 操ることに成功すれば、学院内での暗殺は容易だわ」
なるほど。
「わたくしたちも注意しなければね」