退院
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(うわああ、ヤバい。キモい)
自分への憎悪をここまではっきり自覚するとは。
夢の中のアンジェは本物よりナイスなバディで言葉の響きも妖艶だった。
いつも清楚系美少女を心がけているのに。
(そこじゃなくて、まず刺される予感がするほうだろ。それにアレ、昨日の夢の奴と同じなんじゃない?)
私が同じ人間の夢を見ることは、大変まれである。
連続したことなんて一度もない。
(それだけ思いが強い?)
寒くもないのにブルっと震えた。
「はい、今日は寮に戻れますよ、明日からは通院で。座学に出席できるかは、もうちょっと様子を見ましょう。くれぐれも無理はしないように」」
医者が明るい情報をくれたのに、暗い顔が晴れない。
学校に戻ったら‥男漁りしていた責任をとらされてしまう。
しかもあれが誰なのかヒントはない。
(心当たりがありすぎて誰だか分からん)
全部自分のせいである。
鍛えてはいるけど、まだ手負いの身。
襲われたとして、撃退できる自信がない。
後ろからグサっとかだったら通常状態でも無理。
「まあアンジェさん、もう良いの」
寮に戻ると友人たちが心配してくれた。
みんな私が退院できたことを喜んでくれた。
夕飯時には持ち寄ったお菓子でちょっとしたパーティーまで開いてくれる。
やばい、泣く。
寝室に戻ろうとすると、キャロル様に呼び止められてしまった。
「アンジェ、心配事があるのなら話して下さらない」
バレてる。
どうしよう、キャロル様なら相談に乗ってくれるかな?
でもこんなこと話したら気持ち悪いって思われちゃう‥
「わたくしの部屋なら個室だから、話しにくいことでも大丈夫よ。だから何でも打ち明けなさい、これは命令よ!」
「うわあああん!」
私は泣きながらキャロル様に抱きついてしまった。
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