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〔改訂版〕ジュラシック・テイル ~猫耳転生と恐竜少女~【異世界だと喜んでたのに実は白亜紀の地球でした!?】  作者: 幸運な黒猫
world:02 この娘が味方であの娘が敵で。

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第30話・起死回生

 ――ティラノを初代(はつしろ)新生(ねお)に奪われた⁉


 もっとも注意しなきゃならない事だったのに。それも、よりによって恐竜人(ライズ)を手駒としか思わないヤツに奪われてしまった。


 ベルノも捕まっているし、ウチは一体なにをやってんだよ。


 ……戦術もなく、恐竜人(ライズ)を突っ込ませるだけのヤツだと(あなど)ったのが原因だ。


「おい、チビのジュラたまもよこせよ」

「ふざけるな、やる訳ないだろ。ティラちゃんを返せ!」

「負け犬の遠吠えってやつだな。取り返せるならやってみろよ……。やれ、ティラノ。こいつぶっ倒して持ってる指輪を全部奪うんだ!」


「うぅ……あ……亜、亜紀っち……ごめん……」 


 頭上に木刀を構えたまま、必死に抵抗しているティラノ。小刻みに震え、尋常ではない量の汗が噴きだしていた。


 ジュラたまの持つ強制力が相当なものだって事がよくわかる。


「ふふ、さっさと負けを認めろ、クズ」


「クズクズクズクズって、確かに白亜紀(ここ)に来る前はそうだったかもしれないけど。そんなウチでも信頼してくれている仲間ができたんだ。裏切れないんだよ、そういうのは」


 とは言ったものの、結局は虚勢でしかないってわかっている。初代新生だけならまだしも、ティラノや他の恐竜人(ライズ)たちが相手なのだから。


 ――だけど、なにもせずに屈するのは、絶対に違う。


 パワハラに負けて引き篭もった前世。そんなウチが白亜紀(ここ)にきて、みんなのおかげでやっと前向きになれたんだ。


「彼女たちを裏切る事だけは、絶対にしてはいけない。例え、死ぬことになっても」

〔しかし、死んだらみんなを守れませんよ? それは裏切ったことになりませんか?〕


 ……なんでこんなときにド正論言うんだよ。


 確かにウチには恐竜人(ライズ)と戦えるだけの力はない。


 それでも、まだ手はある。ティラノの攻撃をかい(くぐ)り、初代新生に直接攻撃を仕掛けて気絶させる一手だ。



 ――猫人の身体能力ならワンチャン行けるはず。



「あ、そうそう、八白亜紀。うちの神さんって意外と優秀らしくてさ」

「……?」

「お前がオレを直接狙ってくるんじゃないか? って予測してるんだけど」

「な……」

「お、当たり? 神さんマジ優秀じゃん」


 と、バカにした笑いを向けてくる初代新生。


 それまでウチの中で色々な感情が入り乱れていたけど、その表情をみた時、モヤモヤっとした嫌な気分が支配していくのを感じていた。


 そのまま感情にまかせて踏みだそうとした時、ティラノのうしろにいたトリケラトプスの恐竜人(ライズ)がスキルを発動させた。


「レックス……」


 地面に突き刺した巨大な盾が光を帯びる。


「ディヴァインベイル!!」


 光は左右に分裂し、その場に光の盾を発生させた。


 トリケラトプスの恐竜人(ライズ)が持つ巨大な盾。そしてその左右に展開する光の盾。


 それは、『ここは通さない』という意思が籠った、絶対防御に振り切ったスキルだった。


「嘘だろ……ティラちゃんを避けるだけでも相当困難なのに」


 恐竜人(ライズ)二人を回避するルートがまったく見えず、十数メートル先の初代新生がはるか遠くに感じる。いくら考えても打つ手がなくて、あきらめの気持ちが頭をよぎっていた。


「ちっ、さっさとやれよ、アホが」


 初代新生は舌打ちをして、ティラノに悪態をつく。そして、その指に光るジュラたまが絶対順守の命令を恐竜人(ライズ)に下した。


「――亜紀っち避けてくれ。頼む!」 


 ティラノの意志に反して、容赦なく振り下ろされる木刀。


 そして、空気を切り裂く爆音をまとった一撃が、なにもできないウチに迫っていた。

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表紙及び作中イラストはNovel AIで生成後、加筆修正して仕上げており、著作権は作者に帰属しています。


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