表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/200

第135話・仕事仲間

「姐さんマジっスか⁉」

「それは面白そうですな。ここには強き者が多い。まだ見ぬ戦闘術を知るのは願ってもない事でござる。」


 とりあえずテンションがブチ上がったのはドライアドとルカ、そして意外にも初代(はつしろ)新生(ねお)だった。


「あとさ、ティノ呼んできて参加させてもいい? やっと変なクセが抜けたんだ」

新生(ねお)たん、怒るなよ~」

「怒らねぇよ。オレのミスだってわかってんだ。バルログと闘った時に思い知らされたからな……」


 初代新生が突進ばかりさせていたからついたという変なクセ。

 彼女としては、黒歴史と言うか触られたくない部分だろうと思っていたら、意外と前向きにとらえているようだった。


 対バルログ戦の時、ギリギリの戦いで死にかけながらも“適材適所”を実践してみせた初代新生。それが転機となったのだと思う。


 ウチが社畜時代に実費でムリヤリに参加させられた啓蒙セミナーで、『自分のミスを認めて乗り越えた人は強くなる』って講師が言っていたけど……


「あれって結構当たってたんだな」


 アンジーがライズマスターになってからは、適正を調べて戦い方を教えてを繰り返し、やっとそれぞれの戦い方、立ち位置を把握できるようになってきた恐竜人(ライズ)たち。


 ティノって、確かウチに突進してきたあの()だったな。……どんな能力を持っているのか楽しみだ。


「結構細身だった記憶があるけどアタッカーだったの?」

「ん~、ティノは短剣二刀流がメインで、ゲーム的に言えばトリッキーなシーフってとこかな? 罠を仕掛けるのが得意だよ」


 ……これまた意外なスキル持ち。どんな罠なのかも気になるけど、二刀流の娘ってのも初めてだな。


「でも、ガチのアタッカーじゃないのなら部長((ドライアド))と闘ってもあまり意味がないんじゃ?」

「そうでもないよ。剣を使う相手の動きを学ぶのならこれ以上ない相手だし。剣技だけなら私よりもずっと上だから」

「マジ? 『ずっと上』って……アンジーどうやって勝ったの?」

「“剣技だけなら”って言ったでしょ。魔法混ぜれば秒殺」


 と、アゴチョキでドヤっていやがりますが……怖いわ。


 アンジーが全開だったら、一人で魔王軍圧倒して終了してた話だよな。これならむしろ“アンジーの戦い方を学んだ方がよい気がする。


 ……と思ったけど、魔法をからめて戦えるのって恐竜人(ライズ)ではタルボしかいなかった。


 プチに海の家までのお使いを頼んで、みんなの到着を待つことになった。もちろん道中の安全確保のために、あらかじめガイアにサーチをかけてもらってある。


 “ついでに”という事で気を利かしてくれたのだろう、彼女は広域サーチでティラノの状況を“視て”くれた。


 ティラノとアクロ、メデューサたちが無事火山帯にいるのは確認できた。しかしまずいことに、近くに黒の二人組(魔王軍)がいるそうだ。


「そんなところまで追って来ているのかよ」


 簡単に負けるような事はないだろうけど、今のティラノは武器がないから心配だ……。


ミア姉((メデューサ))たちがついて行ってくれてよかった……」

〔ですが、もしメデューサが裏切って二対四になったらどうします?〕

「いやいや、さすがにそれは……」

〔絶対にないとは言い切れませんよ? 事実その場にいるのは、恐竜人(ライズ)二人と魔王軍四人なのですから〕


 突然女神さんが怖い事を言いだした。メデューサを信用していない訳じゃないけど、こうやって改めて問われると不安になってくる。


「……どうしよう?」

「亜紀ぴ、安心してOK牧場! お姉ちゃんは融通効かないけど、一度言ったことは曲げないよ」

ミアぴ((ラミア))……」


 わざわざ“昭和死語”を絡めて不安を取り除いてくれようとしてくれたラミア。

 人質になる宣言には驚いたけど、それもひっくるめて全部、みんなの事を考えていてくれているんだよな。


 魔王軍って一括りにして悪役にしているけど、個々は凄く気のいいヤツばかりだ。“一部(毛玉)除く”って注釈がつくけど。



 ――そしてここで、更にアンジーから驚きの一言が飛びだした。



「ああ、そうだ。これは神さんがポロっと言ったことからの推測なんだけど……」


 ……君は神様の事情まで察しちゃったのか。


「私たちにそれぞれついている神さんって」

「うん」

「みんな“仕事仲間”らしいよ」


〔……そ、そんな事はな、な、ないんだからね!〕


 突然キョドる女神さん。


「動揺してるのが丸わかりやで」

「仕事ってなんだよそれ。人材派遣業かよ」


 初代新生の反応はもっともだった。転生や転移を仕事でやってますとか『なんだよそれ?』ってなって当然だろう。


 ……でも、今までも色々と思い当たる節はあった。そこからなんとなく考えていたんだけど、ウチの予想は多分間違ってなさそうだ。


「やっぱり女神さんたちってさ……」

〔な、なんですか、八白亜紀〕


「……未来人やろ」

ご覧いただきありがとうございます。


「この作風嫌いじゃない!」という方いらっしゃいましたら、このあとがきのかなり下にある☆☆☆☆☆で応援していただけると嬉しいです(下にずんどこスクロールお願いします!)

ブックマークやランキングボタンをポチっとして頂けたら、涙流して踊ってしまうかもしれません。Shall we ダンス?

是非是非、続けてご覧いただけると幸いです! 


無断転載・引用禁止。

表紙及び作中イラストはNovel AIで生成後、加筆修正して仕上げており、著作権は作者に帰属しています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ