表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/200

第131話・問題はそこじゃない……

 ここからは川縁(かわべり)に場所を移して会議の続き。緑玉で麻痺から回復した二人が、こぞって水を飲みに走ったからだ。


 ……唸りすぎて喉が渇いたとかホント仲ええな。

 

「あとさ、これを話すのは迷ったんだけど……」


 と、切りだしたものの、実はまだ迷っている。それは最も気になっていて、まったく情報がない転生/転移者の”覚醒“についてだ。


 なぜかはわからないけど、女神さんは(かたく)なに言おうとしない。

 だから特に深い意味もなく『言わないならアンジーたちの神さんに聞いてもらうで』と、言ってみた。そしたら……


 ()()()()()()()()()()()()()()()、是非そうしてくれと言われた。


「どうしたの?」

「さっさと話せよ、うぜえな」

「……うん、ホント真面目な話だから、本気で考えて欲しい」

「真面目な八白さんって珍しいね。氷河期になるよ?」

「ああ。なんだよ、気持ち悪りぃ……」


 ……そこまで言うか。ウチ、そのうち泣いちゃうぞ。


「転生者のさ、というか君らの場合は転移者だけど、“覚醒”って聞いたことある?」

「覚醒? なんだろう……」

「知らねえよ、そんなもん」

「だよねぇ……」

「それがどうかしたの?」


 アンジーは食い気味に体を乗りだして興味津々。初代(はつしろ)新生(ねお)は、ほとんど関心がないといった反応を見せる。


 もうちょっと周りを見てほしいところだけど、JKにそこまで求めるのは酷なのかもしれない。むしろ今は、アンジーの“強すぎる”好奇心がちょっと厄介だ。


 ……妹アンジーの件は絶対にバレる訳にはいかないのだから。


 妹が魔王軍にいるとわかったら、戦略もなにもなく一人で乗り込んで行ってしまうだろう。それだけは絶対に避けないとならない。


「予知能力と関係があるって感じ?」

「うん。毛玉((グレムリン))の言葉だからどこまで信用できるかは不明だけどさ。覚醒ってのをすれば、ウチたちも予知みたいなチート能力が使えるかもしれないんだよね」


 女神さんがさっさと教えてくれれば、こんな面倒な事しなくて済むのに。と、ウチは単純に考えていた。


 しかしこの状況に、アンジーはなにか”引っ掛かり“を感じたらしい。


「八白さんの言葉通りなら、この先の戦況を有利に持って行けるとは思うけど。ちょっとね……」

「なんだよ、強くなるならいいじゃねぇか」

「初代さ、もうちょっと先まで考えるようにしようよ。()()()()()()()()()()()

 

 ……アンジーはなにを危惧しているのだろうか。


「覚醒できれば有利になるよね?」

「だから、それで強くなるんだろ? なにが悪いんだよ」

「そんな有益な情報を、敵であるグレムリンが私たちに話す必要があるのかな?」

「あ……」


 そうか、言われてみれば……ウチたちがチート能力を手に入れたら、魔王軍にとってはマイナス要素にしかならない。


 ——そんな事をわざわざ教えてくるなんて、裏があると見るのが当然だ。


「多分、なんだけど。その覚醒ってのにはなにか制約というか……対価みたいなものが存在するのかもしれない。それもかなり致命的な部類のね」

「致命的な……対価?」

「多分ね。ただ、スーの行動で裏をかく事ができたってのは、その予知能力者自身に大きな負担がかかっていて、力を発揮しきれなかったって考えれば納得できるんじゃないかな?」


 なるほど、それならつじつまが合う。わざわざグレムリンが情報を漏らしたのは、マイナス要素に期待しているってことか。


 ウチたちが覚醒してチート能力を手に入れても、それにともなう負担の方が魔王軍的にはプラスに働くという計算なのだろう。


 ……そうすると、ますます妹アンジーの救出を急がないとならない。


 転移者に負担があっても覚醒能力を使わせるって事は、最終的に使い捨てるつもりなのだろうから。


「それでも予知能力ってとんでもなかったよ。あんな“幼女”が部長((ドライアド))を抑え込んだって話だし、少しくらいの対価なら払ってでも……」


「ちょっと、八白さん?」

「ちっ……ふざけんなよ」


 ……え、なにこの二人の反応は。どうしたんだろ?

ご覧いただきありがとうございます。


「この作風嫌いじゃない!」という方いらっしゃいましたら、このあとがきのかなり下にある☆☆☆☆☆で応援していただけると嬉しいです(下にずんどこスクロールお願いします!)

ブックマークやランキングボタンをポチっとして頂けたら、涙流して踊ってしまうかもしれません。Shall we ダンス?

是非是非、続けてご覧いただけると幸いです! 


無断転載・引用禁止。

表紙及び作中イラストはNovel AIで生成後、加筆修正して仕上げており、著作権は作者に帰属しています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ