第12話 入れ替わりの朝
「ふわぁぁ………」
ぼくはゆっくりとベッドから体を引き剥がした。
体は寝よう寝ようと訴えかけてくるけれど、いくら日曜とはいえ時間を無駄にはしたくないのである。
「んっ………ぁあっ。」
大きく伸びをして反り返り、背中を伸ばす。
勉強机の前の大きな窓を覆っているカーテンを大きく開け放つと、シャッという音がした。
下では大きな犬を散歩させている男の人や、カメラを持って何かを撮っている同い年くらいの男の子がいた。
写真を撮っている男の子がこっちを向いていることに気づき、会釈する。
男の子は恥ずかしそうな顔で頷き返してくれた。
「朝からいい感じ!」
そう声に出して言うと、下で、
「ちょっと九十九、起きてるのかぁ?」
と言う帆兎さんの声がした。
「はいぃ!」
そう返事をすると、
「そっかぁ。今百狐がフレンチトースト作ってるから、食べに降りてこい。」
と言う言葉が返ってきた。
「今行きますぅ。」
と答えて、ぼくは髪をわしゃわしゃかいた。
「ブブブブ、ブブブブ。」
と、マナーモードにしてあった机の上のスマホが揺れる。
「また電話?それもこんな朝から。」
と文句が口をついて出たが、出ないわけにもいかず、画面を見た。
「また平野琵琶先輩?」
ついこの間かかってきたばかりのような、と首を傾げながら、通話ボタンを押した。
「もしもし、どうされましたか?」
ぼくがそう聞くと、
「おはよう、二ノ前くん。そして、おはようございます、九十九様。」
楽しげな平野先輩の声が電話からこぼれ出て、ぼくは緩やかに二度寝………というか気絶を始めた。
「痛いっ!」
と叫んで目がさめる。
「あれ、どうしたの琵琶、また仕事?」
オレが聞くと、琵琶は少し呆れたような声色で、
「何言ってるんですか。昨日九十九様が秋穂さんと遊びに行くからっておっしゃってたから、朝早起きして電話かけているんですからね。」
と言ってくる。
「あ、覚えてたんだ、ありがとう。」
「九十九様は私が忘れると?」
「もちろん、お前、仕事に関係ないことは覚えない主義じゃん。」
「九十九様の用事は仕事に大いに関係してきますので、覚えないわけにはいかないんですよ。」
きっぱりと言われて、オレの全てが仕事だと言われているようで少し寂しくなるオレであった。
「んじゃ琵琶、オレ朝から待ち合わせしてるし、待ち合わせ場所見るにはメール開かなきゃいかないから、ごめんな。」
オレはそう言って電話を切った。
琵琶が何か言いかけた気もしたが、どうでもいいので無視する。
読んでくださってありがとうございます!!
なんだか最近小説を書くのが楽しくて楽しくて仕方ありません。
投稿頻度が高くなる…かも。(小声)
次はまたまた陰陽師の九十九視点です。
秋穂さんとのデートが終わったら、しばらくあっちの九十九視点になる………はず。
それでは次の話でお会いしましょう!!




