これまでの人生いいことあった?
「僕はみんなと考え方が違うのか?」
そんなことをたまに思う。だってみんなが思うことに共感できないから。
幼い頃からずっと違和感があったんだ。
保育所に行っても他の子たちは、おままごととかしてるしそこに誘われても何すればいいのか、何が楽しいのか全然わからなかった。新しいおもちゃが来てもみんな走って取り合いをするけど、僕は一回も走っておもちゃの取り合いなんかしたことはない。正直そういう遊びは全くと言っていいほど触れて来なかった。避けてきたから。くだらないとさえ思った。ただ行って、ご飯とおやつを食べて、寝て、親の迎えを待つ場所そう思ってたから。
小学校に入学しても大して変わらなかった。周りは楽しそうに過ごしてる。だけど僕はわからない。先生に目をつけられても面倒だしみんなに合わせることにした。でもこれが大変だったんだ。自分の感情を押し殺して生活することが。学校はもちろん家でもそうだから。自分が素でいられるところなんてなかった。強いていうならトイレにいるたった数分だけ。そのころの自分を褒めたいよ、下手したら今よりも大変だったかも。小学生ながらにね。
それもつらくなって、周りと合わせるのをやめてしまった。授業中も発言しなくなったし、人と無理していることもやめた。でも、すべてをやめたわけではない。この時まだ小学校低学年だから。せいぜいそのくらいだった。学年が上がるにつれてますます発言をしなくなった。そのおかげで先生に目付けられたけど。そりゃ親にも話が行くし、家であーだこーだ言われるけど所詮偽善の塊なの分かってるし。言いましたよとは先生に報告しないとだし。何をいくら言われても変わらないけど。6年になったら授業放棄し始めたし。ノートとらず、授業も聞かず、ずっと寝てた。先生も途中であきらめたよね。そうなったらもうこっちの勝ち。やりたい放題やった。最初の目を付けられずには何だったんだろうってくらい。6年の最後には授業はもちろん給食も卒業式も何もやらなかった。でも学校に行くだけまだましでしょ?
そんなことだったから、中学になったら多少は変わろうと思った。最初は全部優等生並みに頑張ったよ?勉強も部活も。だけどね崩れたんだあいつのせいで。だから、入学してすぐは順調だった。でも、部活で最初の大会があって先輩の応援をしてた。そこまでは何の問題もない。そのあとだよ、問題が起きたのは。大会明けの月曜日学校に登校して、部活が同じほかの二人が大会の話をしていたんだ。その話に混ざろうと入っていったら二人のうち一人が完全に僕のことを無視したんだ。後の一人は反応してくれたりしてくれたからいいんだけど。せっかく初めての大会の話をしていたのに気持ちを踏みにじられた気分だったよ。その問題のやつの名前は彩。中学校てさ小学校の時と同じじゃない、メンツが。彩は6年の時に転校してきたんだ。初めて見たときに分かったよ、こいつとは仲良くなれないなって。その予感は中学で見事的中した。無視されたときは彩の顔を見るたびに涙が出てきた。そういう日に限って彩が日直だったから見ざるを得ない状況だった。朝の会が終わって、一時間目の授業が始まろうとしても僕が泣き止まないものだから、担任が連れ出してくれた。理由をすぐに聞かななかったのがせめてもの救いだ。その日は教室の戻ることはなかった。というかその日以来教室に戻ることはなかった。授業に出られないから、勉強できない、だからテストの内容も分からない。そうやって僕の成績はどんどん落ちこぼれていった。