不良
見えた
見下ろした先
高さ10mはあるだろうか
学生服.........中学......いや、高校生か
制服が真っ先に目に付いたが、次に視線を奪うのはその色鮮やかな髪
金髪に赤のメッシュ......少し緑とかも中に見えるのか
まさに色鮮やかだった
その心以外は
『こいつから胸糞悪い感覚がする……
…………?』
自身に驚いた
思っただけでなく、ふと、声が出た
声だけじゃない
声だけでなく、驚いた身ぶり素振りをする『両手』が目の前ある
驚いた……これは人間と同じ姿だ
しかし、もうやるべき事は分かってる
『本能』で感じる
『歩く』という行動をわざわざ教えてもらわなくても解っているように
当然のように目に付いた学生の所に空中から近づいていく
近づくほどに感じる
ぁあ、そうか
いわゆる『不良』と言うやつだ
先程から感じる『胸糞悪さ』
そこから来るものなのはわかった
『思った』ではなく『わかった』のだ
本能というよりは『能力』と言った方がいいか
こいつ自身の胸糞悪い性格や行動の履歴、その結果付いてきた周りからの怒りや恨み、渦巻いた怨恨を感じる
『こんな感覚……人間なら吐き気を催すだろうな
近付いただけでこれだ…………私自身もこいつに恨みを持ちそうだ』