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短編集

男友達だと思ってたヤツが大人になったら超絶美少女だったけど性格は男のままで微妙。だけど可愛い。

作者: いかやき

 子供の頃の話、小学校二年くらいだったかな。白人の友達が一人いた。


 子供って少し毛色が違うだけでもすごい敏感な反応するんだよな。その悪ガキとは近所の空手教室で会ったんだけど、肌をさらすのが嫌だとかで胴着の下にティーシャツ着てくるんだわ。


 もちろん仲間はそれをからかったんだけど、日本人みたいに銭湯で全員裸なのが外人には恥ずかしいと聞いてたから俺はそれを止めたのね。それでまあ空手やるようなヤンチャなガキばっかりだから喧嘩になるわな。


 その悪ガキ、クリスは例えば犬のう○ちひっつかんで投げつけるようなヤツで。当然友達はう○ち当たって泣きわめき。親も空手やってたりすると笑い飛ばして終わり。そんなことがたびたびあったっけ。


 薄い茶髪のショートに碧眼で「外人はすげえ綺麗だな」とか思っていたっけ。まあ男同士だから(そう思っていたから)変な気になることはなかったが。


「よーへーって戦場行かないのかよ」


「俺は洋平、お前の言ってるのは傭兵、ヨーヘー違いじゃバカちん!」


「ち○ちん?」


「おめーほんと下品な!」


 そう、クリスはバカだった。だからすげえ仲良くなったんだけど、一年で母方の国に帰ったらしい。どこの国かも聞いてなくて寂しかったな。


 まあヤツのことがあったので、俺の性癖はそっちよりになった。エロ画像とか金髪で探したりする。ゲイではない方な。


 高校に入ってしばらくした頃、コンビニでそういうエロ雑誌見つけて、幸い普段着だったもんでそのまま立ち読みしてたらスッゲー美少女がSM系のエロ本を隣でスッゲーガン見してた。


 長い栗色の髪、ほっそりした柔らかそうな肢体。綺麗な青い瞳。でも見てるのはハード系のエロ本。「マジかよやベーなコレ」とか思いっきり男言葉だし。ヤベーのは君です。


 思わずじっと見詰めてしまったので彼女に気づかれた。


「ん、にーちゃんどっかで会った?」


「え、いや」


 こんな変態な美少女に会ったら絶対忘れんわ。毎晩思い出すわ。これから毎晩思い出すわ。


 向こうも思い出せなかったようで(そりゃそうだ。こんな美少女の知り合いはいない)またエロ本に視線を戻す。まだ読むのかよ。


「にーちゃんコレ、このねーちゃんいい尻してんな」


「感想聞いてくるのかよ!」


 まさかあんたの尻の方が好みとか言えん。めちゃいいふくらみ。だけど俺のツッコミが面白かったらしく彼女はバカ笑い。みんなに、店員にも注目されて俺の方が恥ずかしくなったので、コンビニから立ち去る。


 近くの公園でコンビニで買ったカフェオレを飲み、サンドイッチをパクついてるとさっきの美少女が女らしい歩き方……からの男らしいダッシュで走りよってきた。


「思い出したぜ、よーへー。フ○ンスでお前を募集してたぞ」


「外人部隊かよ! 俺個人募集するか!! てかお前……クリス?!」


「正確にはクリスティナだぞ。また犬のウ○コ拾いに行こうぜ!」


「いかねえよ! もう高校生だぞ!?」


「なんだよつまんねーな」


 ガッカリだぜ、とか言ってるがどう見ても美少女のクリスがウ○コ拾って投げてはしゃいでたらそっちの方がガッカリだわ。つかコイツ女の子だったの? そもそも久しぶり過ぎて止まるわ。


「俺たちの仲じゃん。どっかで美少女でもナンパしねえ?」


「いや、お前より美少女そうはいないだろ」


 そもそもお前のような美少女がナンパしたら相手はレズに目覚めるぞ?


「あれ? よーへー俺が女だって知ってたの?」


「……知らなかった……」


「ぶははっ! 俺みたいに可愛らしい男いねえだろ!」


 確かにな、こんな美少女を男と思っていた俺がバカだったわ。でもそれにはしっかり理由がある。


「なんで完全に男言葉なんだよ!?」


「オヤジが日本人だから?」


「直せや!! もったいねえ!!」


 えー、とか言わない! 本当に残念だなコイツ。めっちゃサラサラヘア。体もでか過ぎない程度にあちこち膨らんでる。コレで男だったらビビるわ。しかし当時は小二。男言葉の女なんてほとんどいなかったからな。今なら間違いようがない。あちこちふくらんでるし。いや、見た目だけは抜群に可愛いなコイツ。


 それから二人でしばらく公園で遊んでから連絡先交換して帰った。


 ……美少女の連絡先なんか初めてゲットしたことに気づいて手が震えたのは秘密だ。ただヤツの去り際のセリフが「今度エロ本持ってお前んち集合な!」だったのは実に残念だったが。


 それから何度か二人で会った。そんなある日、クリスがヤバそうな男二人に絡まれていた。


「ねーちゃん最近この辺でよく見かけるな」


「俺たちと気持ちいいことしねえか?」


「鏡見てこいやトリゴボウども」


 ……あれ? 絡まれてるよな? 決闘してるんじゃないよな?


 止めようかと思って近づいたらクリスと目が合う。口パクで「外人部隊の出番はねえぜ」とか言って、そのまま一人の股座を蹴りあげて逃げた。


 ……お前も空手やってたよな。殺す気か。


 つか普通これ、男が彼女を助けるシーンじゃね?


 少し離れてからメールで連絡取って再び合流。


「あんなんにヤられたら堪らんよな。先によーへーが処女もらってくれよ」


「女の子! お前もうちょい考えてセリフ言えよ!」


「飾ったっておんなじだろーに」


「雰囲気ってもんがあるわ!」


 とにかくこいつが少年の性格のまま大人になっててめちゃ危なっかしいから、少し萎えてきたけど、コイツと、付き合うことにした。


 会うたびに「やろーぜ」とか言ってきて理性がヤバい。性格は男で微妙だけど、俺の彼女はすげえ可愛い。


 誰か助けて。





 末長く爆発するパティーンだよね。



 このお話が異様にリアルなのは空手仲間のラリーって友達がいたからなんだよね。彼もそんな長い付き合いじゃないけど親友だったと思ってる。


 駄菓子とか一緒に食べたよね。なのでこの話、ネタは実はかなりある。


 白人の友達が「なんやあのバカは」って言ったのは衝撃。日本語理解しすぎ。


 ちなみに女の子は普通胴着の下にティーシャツとか着るものです。クリスがいやがっても着せられたと思う。




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