遂行
2015年の間から2020年の間に起こった事を説明させてもらうと
やはり小規模ながら小さな事件は起きたりしていた。
異能を使った動画はユーチューボでは、話題になったし
異能を使って窃盗、いたずらはあった。
そんな中で日本政府公認の異能対策保安対策部は設立されていた。
就職氷河期と言われていた時代でもあったので、
私は自分の右手の甲に浮き出たダイヤを政府公認の職業施設である。
通称JWHにて見せつけ見事就職を果たしたのである。
当時、私は自分の能力が何であるのか分からず。
能力者の証?であるダイヤのみが頼みの綱だった。
そして就職して主に現在分かっている異能について詳しく説明を受けることとなった。
1、異能者は体の一部にダイヤのようなものが浮き出ること。
2、異能者は能力発動時何かしらの対価を支払っていること。
3、20歳を超えると自然にダイヤが消滅しそれに伴い能力が消滅すること。
以上である。
私自身は1は知っていたが2と3は初耳で興味をそそるものがあった。
そうそう、分かりやすい例がいたので話そう。
私と同時期に入社した雨宮倫太郎は、
なかなか優秀な能力を発現していた。
能力・発火 対価・血液
2で記載している通り対価を支払うことにより能力が発現するらしい。
政府曰く発火の能力は政府が危険度判定AからEまであるうちのA判定らしく
監督目的をあっての就職らしい。
雨宮君が能力発現に伴い対価の存在に気が付いたのは、能力発現後の
すぐだったらしい、能力者の話題が上がり自分の胸元にもダイヤが浮き出ていることに気が付いた
雨宮君は自分の能力が気になりひたすら行動を起こしたらしい
ふとした瞬間、手から火の手が上がり周りの異能発現者に比べ優秀な異能を手に入れて喜んだ雨宮君は、
火を出しまくり。気が付けば病院のベットに横たわっていたのだとか…
運よく政府直下の病院に搬入された雨宮君は、精密検査の結果
以上に血液を多く失っており一カ月ほど入院したそうだ。
雨宮君曰く、お湯を沸騰させる事ぐらいが一日の限度だそうだ。
さて、ながながと説明したが初めのティシュ配りの場面に話を戻したいと思う。
2020年私は年齢は25歳だが、なぜかダイヤは消えていない。
異能保安部での仕事で現在私が東京の某所にて異常な程のカップルが集まっているとの連絡を得て、
上司である武神静流課長指示のもと
現在調査中なのである。
住良木「テッィシューいかがっすかー、テシュウー!」
半ば強引にテンションを挙げてティシュ配りに精を出していると武神課長から連絡が入った。
静流「何をやっている?怪しい奴はいたのか?」
住良木「ひどいですね…ティシュ配りながらやれば怪しまれにくいからって大量のティシュをカバンに敷き詰めた人のセリフじゃないっすね!」
静流「そんなことは、どうでもいいだろ?私が言いたいのはダイヤが付いてるだけの無能力の君が現在仕事をしっかりと行っているのか尋ねただけだ。」
住良木「く…」
静流「ん?」
住良木「わかってますよ!しっかりやります。現状リア充カップルがいちゃついてるぐらいで、大きな変化が無いので調査続行します。」
静流「わかった。動きがあればすぐに連絡対処するように。お前ももう5年選手になったんだ。しっかりやるように。」
ブツ…ツゥーツゥー…
住良木「はぁ…何が寂しくてクリスマスイブに仕事しなくちゃ行けないんだか…」
心無い上司からの厳しい助言を頂き再度調査に戻る。
怪しい動きはない。
幸せそうな顔で手を繋ぎながら歩くカップルを横目に、
ふと干渉深くなる。
住良木「異能事件だの、怪奇現象だの、神のいたずらだの言われてるけど日本はこんなに平和じゃないか。」
今回の事も実際は大したことがない
@ちゃんねる内の書き込みで「本日東京某所で本当の意味でリア充爆発させる」
などといううコメントがあり
何かあってからでは遅いと未だ下っ端社員である俺が派遣させられたのだ。
住良木「あーあ。どーせならホントに爆発でも起きてくれれば……ん…?」
わずかな違和感
鼻孔に響く腐敗したかのような匂い
住良木「なんだ…これ…」
急に視界が悪くなる
住良木「え…う…ぐ…うぇ」
吐き気が止まらない
うっすらと見える景色の中に先ほどカップル達がドロドロに溶けている!?
住良木「なんだよ、いきなり…何がどうなって…」
とりあえずこの場から離れようと、必死でビルに伝い歩きしながら
逃げる。
住良木「そ…だ。課長に…応援…呼ばなきゃ」
消え入りそうな意識の中課長に自分のスマホから連絡を入れる。
ぷるるる
ぷるるるるる
ガチャ
よし!
住良木「急に…皆が…ドロドロで…」
…
…
静流「そう 終わったのね 全部」
住良木「え…?」
静流「感謝してる。ありがとう。」
私は急に課長に感謝され、その場に倒れこんだ。
消えていく視界の中で何かが見える
少女のような外見
大きなリボンをしてゴスロリチックな服を着ているように見えた。
???「また、やり直すの?」
え?
???「今先には未来は無いのに…頑張らなくていいのに…」
そこで私の意識は完全に無くなった。
目が覚めた
気分がすごく良い
若返った気分だ!
ふと、カレンダーを見る
これは朝起きた時の俺の癖
2015年 4月25日
住良木「え?2015年…?」
そして寝ていた自室のベットか立ち上がろうとしたとき違和感を感じる
あれ?
先ほどまで手の甲で輝きを放っていたダイヤが無くなっている。
そもそも、右の手首から先が無くなっている。
住良木「記憶があいまいだ…取り合えず顔を洗おう…」
立ち上がる
洗面台で顔を洗うと左の目玉がダイヤの様なものに姿を変えていた。
住良木「思い出した!確かクリスマスイブの日に異能部の捜査で調査しててそれで、、、おぇ」
思い出して気分を悪くする。
何よりも右手が無くなってるから抑えられず異物がすべて地面に転がる。
住良木「何がなんだかわからんが、取り合えず一つだけはっきりしているな…」
5年前に交通事故で無くなった妹
住良木六花の寝顔を見て静かにつぶやく
住良木「俺…タイムリープしてる…」