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防犯なう(仮)  作者: 喜多谷真洋
3/6

プライバシー

「いやぁー、お部屋は案外きれいに使われているんですねぇ」

パソコン画面のドットの顔文字が喋る。

「うるさい」

言いながらパソコンに背を向けるように置いてある黒い二人掛けソファー腰をおろした。

ソファーの上に転がっていたリモコンを手にとってテレビをつける。

はじまったばかりの夕方のニュース。

引きこもりだからって外の情報にだって興味はある。

「おやおや? どうしてパソコンと反対側にテレビを? 非効率的じゃないですか!」

後ろの方からドットの声が響く。

「それやると、断片的にしか頭に入らないだろう。そっちの方が非効率的だ」

テレビを見ながら答えた。正直耳障りだ。

……スピーカーの電源きればいいのか。

立ち上がって、パソコンとは別に繋げてあるスピーカーの電源に手を伸ばす。

「うわああ! やめてくださいよぅ。私まだお話したいです!」

ぽちっ

電源をきってやった。これで静かだ。いつもの俺の部屋。

……ん?

気付いた。

「ちょっと待て! なんでお前に俺の部屋が見えてるんだよ!」

パソコン画面の顔文字が口をパクパクしているがもちろん声は聞こえない。

仕方なくスピーカーの電源をいれた。

「聞いてませんか、各お部屋にカメラを設置させていただきました。どの部屋に泥棒が侵入してもお知らせできます! このお家は私が守ります! 任せてください!」

自信満々の顔文字だ。

「家じゃなくて、俺のプライバシーを守れよ!」


俺のプライバシーがおかされる日のはじまりだった。


不定期更新。

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