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氷天の魔導師  作者: 蓮
1章 幼少期
4/15

2 魔法とは

説明回になってしまいました...。序盤はこのような説明が多く入ると思います。読みにくかったらすみません。

小説公開日ということで3話投稿です。今後は1話ずつになると思います。

 こんにちは皆さん。生後2ヶ月のレオルスです。


 父さんの書斎を見つけてから更にひと月が経った。あの時はまさか生後1ヶ月にして言語理解を習得するとは思わなかったぜ。いやこの世界では普通なのかもしれないな。慢心ほど怖いものはない。そうだ、俺は一般人とそう変わらない。早くこの世界の普通に慣れなければ。


 約1ヶ月、俺は隙を見つけては父さんの書斎に通った、いや篭った。いきなり魔法から手を出そうと思ったがなんとか好奇心を抑え、まずはこの世界の成り立ちから様々な歴史について書かれてある歴史書やらを読み漁った。

 俺は面倒なことからやるタイプなのだ。だって好奇心のままに好きなものを読んでしまうと面倒な事はやらなくなるだろ?こう見えて勤勉なんだ。アホには絶対なりたくないからな。


 そして俺は昨日全てを読み終えた。幼児である俺の脳はスポンジが水を吸収するが如く覚えが早い。どんどん知識を飲み込み今じゃ歴史書100冊分の知識が俺の脳内に収まっている。若いって素晴らしい。

 正直、ひと月で全て読み終えるとは思っていなかったが。元々本ばかり読んでいたし文字を目で追うのは前世でプロレベルと言える程だったからそれが役に立ったのかもしれない。


 そして新たな目標を立てるため一つの本を手に取る。

 歴史書を読んでいる間に俺は興味をそそられる本を幾つか見つけていた。俺はその中の一つ”魔法の基礎”という本を開き、満面の笑みを浮かべた。ふふふふふ。やっとだ、やっと魔法について知ることができるぞ!


 はやる気持ちを抑え本を読んでいく。




 ......ふむふむ。簡易だが、大体分かったぞ。


 この世界、ハイルランドには魔素と呼ばれる魔力を使う為に必要なエネルギー源のようなものが大気中に存在している。酸素とかと同じで元素みたいなものだろう。

 人族、獣族、魔族、魔物等生き物全てはその魔素を体内に取り込み生きている。更に魔素をエネルギーとして己の魔力に変換させる事で初めて魔法が使えるのだ。

 かといって誰もが魔法を使えるわけではない。これは魔法に限らず他の職業にも当てはまる事だが、人は皆生れた瞬間に魔力と同時に適正職業という、神からの贈り物を授かっているらしい。まあ生まれた瞬間からその人の職業は決まっているというわけだ。てか、神ってもしかしなくてもあの女王さ...じゃない女神様の事か?やっぱ偉い人だったんだな...。


 それは置いといて、適正職業とは。

 例えば剣士なら剣士適正、魔導師なら魔導師適正が必須という訳だ。適正がなければいくら努力しようとも伸びしろなどないに等しく、並以下で止まってしまう為意味がない。まあ才能みたいな物なのかな。なので自分が持つ適正に応じた職に就くは当たり前ってことだな。


 加えて魔力とは。エネルギー源である魔素を体内に取り込み変換させたもの。基本的に誰しもが微量ながら魔力を持っている。魔力量はその名の通り個人が保有する魔力の量だ。魔力量が多ければ魔法をたくさん扱うことができる、という訳だ。多いに越したことはない。

 つまり魔法の発動条件にはその魔力が必要不可欠と分かる。まあ当たり前なのだが。”詠唱”と呼ばれる呪文を唱え、そこに己の魔力を流し込む事で魔法が発動するという原理らしい。うんうん素晴らしいな。これぞファンタジーである。


 魔法は7つの種類に分類されており、生活魔法、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法、召喚魔法、空間魔法とある。生活魔法は微量の魔力であっても十分に発動し燃費もいいので誰でも使えるお手軽な魔法だ。

 その他6種類の魔法にはそれぞれ初級魔法、中級魔法、上級魔法、神級魔法、越級魔法がある。中級魔法が扱えれば一人前だそうだ。

 それぞれ説明してたら長くなってしまうのでそれはまた今度にするとして。魔法には属性というものがあり、火・水・風・地・氷・雷・光・闇の8属性がある。また系統外魔法といって8属性に属さない魔法の事を指す。遺伝による固有魔法であったり、魔族や魔物が扱う種族特有の魔法もこれに当てはまる。

 また己の魔力自体を自在に操り身体強化を行うことも可能であり、それらは無属性魔法と呼ばれている。


 ここで大切なのがこの”魔力操作”だ。これは本に載っていなかったので単なる俺の勘であるが...。

 例えば水属性の初級魔法、水球ウォーターボールを作ったとしよう。その際に必要な魔力を100とする。これを魔力操作ありきで作ったとする。すると魔力消費量は同じ100でも大きさは数倍から逆に小さくするまで調節可能になり、もちろんその分威力も増す。つまり魔力操作をすることによって、魔力消費量が同じであっても大きさ威力共に思うがまま、という訳である。俺の考えが正しければだが。


 さて、今説明した適正だとかを知る方法なのだが。

 人族の住むこのダミア大陸では7歳になる年、年に一度村にある神殿で行われる”神の祝福”という儀式のようなものがある。

 神の贈り物である子供が成長し神より授かったそれぞれの力を己の糧とし更に精進せよ、とかなんとかって本には書いてあった。まあ簡潔に言うと、特別な魔道具を用いることによって自分が持つスキルやらステータスといったものが分かるのだ。それまで分からないってのも不便だが...。まあ決まりごとなので仕方がないだろう。


 そして15歳になると再び神殿で成人の儀というものを受け、それを終えると晴れて立派な成人と認められ新たな一歩を踏み出すのだそうだ。この世界では基本的に成人を迎えると同時に家を出るか家業を継ぐのだ。剣士や魔導師を目指すものは王都にあるロバーツ学院へ入学する者も多い。エリート中のエリートが集う狭き門でもある為入学するだけでも凄いのだとか......。まあここは貴族の為の学校と言ってもいい。なんせ授業料が高すぎて一般市民には到底手の届かない額だからな。

 そこで貴族以外に人気がある職業が冒険者という訳だ。何より手っ取り早く稼げるのが魅力的だしな。


 ちなみに俺の父さんは元Sランク冒険者で剣士、同じく母さんも元Sランク冒険者で魔導師だったらしい。

 なんでも二人はパーティを組み亜竜を倒したことがあるとか言ってたな。顔もいい上に恐ろしく強いなんてハイスペックすぎるだろ...。

 まあ俺にも二人の血が流れているんだからどっちかの才能を受け継いでたらいいな。

 俺はそう願いつつ、まずは修行を始めることにした。せっかく転生したからには最強になりたいのだ。男のロマンである。そのために修行は必要不可欠だ。


 「レオルス様。またこちらにいらしたのですね。ささ、奥様がお呼びですわ。

  お勉強されることも大変よろしいですが今日はこの辺にしましょう。」


 メイドのリリアが俺に言うと本を元に戻し抱き上げられる。まだ16歳くらいの、くすんだ金髪を三つ編みにした可愛らしい女の子だ。ちなみに小煩い乳母の名前はテレサだ。お化けじゃないぞ?

 チラッと外を見ると既に日が沈みかけていた。本を読みだしてからかなりの時間が経っていたようだ。


 この分じゃ今日は無理だな。時間はたっぷりあるしゆっくりやっていこう。

4/23 一部内容を変更しました。

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