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氷天の魔導師  作者: 蓮
1章 幼少期
12/15

10 神の祝福

この名言好きなんですw


5/3スキルに火魔法入れるの忘れていまして追記しました。

 人は生まれる時、神より二つの祝福を授かるといわれている。

 一つは命であり、そしてもう一つは適正職業である。


 生まれたその瞬間、神より人生は決められている。

 それは宿命であり、また抗うことも可能である。

 しかしその道は険しいだろう。



 どうやって生きるかなんてことは、

 誰も他人に教えられないよ。

 それは、自分自身で見つけるものだ。

                      ボブ・マーリー






 7歳になりました。

 そうです、ついに俺のステータスと適正職業がわかるのだ。今日はその”祝福の儀”を受けるため、隣の少し大きめの村の教会には7歳の子供の列ができている。俺の村はかなりい小さく教会もないので、昨日のうちに村を出発し昼頃に到着早々列に並んでいるわけだ。

 クラリッサは自分の村で祝福の儀を受けるらしいので只今ぼっちです。いやクラリッサ以外の友達がいないだけなんだけど。

 だって読み書きできるし家庭教師もいるからって学び舎行ってないし休みの日は森でクラリッサと会うし、と気づい時には村で同い年の子供と遊ぶ機会を見逃してしまった。俺の村は人口150人ちょっとなので同年代もそんなにいるわけじゃない。なので既にグループは出来上がってるのだ。転生しても根っからのコミュ障はなかなか拭えないぜ。あれ、自分で言ってて悲しくなってきた......。


 俺の番はまだ先みたいなので今のうちにステータス、適正職業について説明しておこう。

 まずステータスについてだがネトゲなどに出てくるアレ、個人の能力や強さを数値化したものである。

 

【名前】

【種族】

【年齢】

【職業】

【Lv】

 HP:体力

 →生命力。0になると死亡する。

 MP:魔力

 →魔法消費量。魔法の威力に影響する。

 STR:物理攻撃

 →物理的な攻撃力に影響する。

 MAT:魔法攻撃

 →魔法による攻撃力に影響する。

 DEF:物理防御

 →物理に対する防御力に影響する。

 MDF:魔法防御

 →魔法に対する防御力に影響する。

 AGI:敏捷性

 →素早さに影響する。

 LUK:運

 →ありとあらゆる場面での運に影響する。例)レアアイテムのドロップ率上昇、等。


 【装備】

 【スキル】

 【称号】


 と、こんな感じだ。


 次に適正職業についてだが、はっきり言って種類はそんなに多くないみたいだ。人口のほとんどは村人であり、その次に多いのが剣士や魔導師らしい。更にその中のほんの一握りが天職と言われる職業なのだそうだ。詳しくは分からないが天職っていうくらいだし相当すごいものなんだろうな。


 簡単だけどこんなとこかな。スキルとかは取得しないと分からないので後だ。そろそろ俺の番も近づいてきたし、なんだかドキドキするな......。

 すっごいしょぼい職業だったらどうしよう。俺に家庭教師までつけてくれたのに実は村人でした〜!なんて知ったら皆かなりショックだろうな。なんか怖くなってきたんだけど俺帰っていい?


 「どうだ!これがバリアーニ伯爵家の長男ピーター様の実力だ!貴様ら平民の分際で僕に逆らおうとするなよ?」

 「おお。」

 「すげえ〜。」

 「さすが貴族ってとこか。」

 「性格は最悪だけどな。」


 ん?何やら騒がしいな。誰だあの踏ん反り返ってるやつ。

 って次俺の番じゃねえか!まだ心の準備が......。


 「次の者、こちらへ。」

 「はい。」


 ええい仕方ない。もう後には引けないんだ。

 俺は神官に呼ばれ中央への階段を上る。そこには直径5m程の大きな水晶があった。祝福の儀はこれに手をかざせばいいだけみたいだ。

 言われるがまま水晶に手をかざす。すると温かい何かが体中へ流れ込んでくるような感覚がした。


 「ステータスと念じれば己のステータスが見えるようになるだろう。」


 終わった、のか?案外あっさりしてるんだなあ。ちょっと拍子抜けしてしまった。あんだけビビってた俺って......。

 よしステータスの確認だ。弱かろうが強かろうが最強の冒険者を目指すのは変わりないけどね。


 (どれどれ......、”ステータス”)


【名前】レオルス・ステイシー

【種族】(今は)人族

【年齢】7

【職業】?

【Lv】1

 HP:30

 MP:100

 STR:10

 MAT:10

 DEF:10

 MDF:10

 AGI:10

 LUK:1


【装備】フィルのシャツ、フィルのズボン、革靴

【スキル】女神の加護、鑑定、隠蔽、偽装、詠唱破棄、水魔法上級、氷魔法上級、火魔法初級

【称号】祝福の儀を受けし者、神獣を従えし者


 いろいろ突っ込みどころあるな。まず今は人族ってどういうことなんだ。そのうち人族じゃなくなるのか?怖いので触れずにそっとしておこう。

 ていうかステータス値が全体的に低くないか?確か平均は100だったはずなんだけど......。職業に至ってはハテナってどういうことだよ意味がわからん。スキルも物騒なのがあるし。しかし”鑑定”スキルは便利そうだ。一つずつ見てみるか。


 【女神の加護】転生者のみに与えられるスキル。レベルアップ時、全ステータスの上昇率20%UP。

 【鑑定】あらゆるものの鑑定が可能。使用者のレベルに依存する。レベルが上がるにつれ詳細な情報を得ることが可能。

 【隠蔽】隠蔽したものは()で表示され相手には見えない。

 【偽装】数値などを装う事が可能。また相手には装った数値を見せる。

 【詠唱破棄】魔法発動の際、詠唱を必要としない。

 【水魔法上級】水属性魔法の上級までを会得済。

 【氷魔法上級】氷属性魔法の上級までを会得済。

 【火魔法初級】火属性魔法の初級までを会得済。


 なんというか、分かってたけど女神の加護はなかなかのチートだな。隠蔽とか偽装とかは物騒だけど役に立ちそうだしありがたい。ステータスは残念だったけどスキルはなかなか良さそうで安心したよ。


 「......い!おいお前!」

 

 突然後ろから凄い力で肩を掴まれた。びっくりして振り向くと、顔を真っ赤にしたいかにもお坊っちゃまです!みたいな格好をしたやつが立っていた。


 「お前!この僕が声をかけてやっているっていうのに無視か!?平民の分際でいい度胸だな!お前なんか僕の手にかかればあっという間に消し炭だぞ!わかっているのか!返事はどうした!」


 すげえマシンガントークだ。そしてすげえ馬鹿でかい声だ。耳がキンキンするよ。

 こういう奴は刺激しないのが賢明だ。


 「えーっと僕に何か用でしょうか?」

 「さっきからステータスを見せろと言っているだろう!さっさとしろ!僕を待たせるな!」

 「どうして俺なんかのステータスを見たいんですか?」

 「ふんっ!そんなの決まっている。貴様ら平民のしょぼいステータスを笑ってやるためだ!」


 性格悪っ!すっごいドヤ顔してるけど言ってること最低だからな?本当に存在するんだなこういう奴って......。

 ステータス見せるのはいいけど、レイラに魔法のことは固く口止めされてるんだよなあ。これってステータス見せたらバレちゃうよな。そしたら怒られるのは目に見えて......、あっ!そうだ。いいこと思いついたぞ。早速スキルを使うときが来たな。これをこうしてこうすれば 、ふふふふ完璧だ。


 「どうぞ、これが俺のステータスです。」

 「ふんっ待たせやがって!......なんだこれは!ブハハハハハハ!!!ほとんど10じゃないか!こんな低い数値初めて見たぞ!こんなのただの役立たずじゃないか!村人だし、しかもスキルが一個しかないなんてゴミだな!ブハハハハ!!!」


 あっ、やっぱ10って相当低いんだ。MPだけやたら高いけど他が10だしなー。

 職業についてはハテナは普通じゃないだろうから騒ぎを起こさないために”偽装”スキルで村人にしといた。スキルも”隠蔽”スキルで隠しておいた。特に女神の加護なんて一番ヤバそうだからな。


 それにしてもこいつ笑いすぎだろう。よく見れば周りのやつもクスクス笑ってるし。さすがの俺でもちょっとイラッと来たぞ。

 バリアーニって名前に聞き覚えがあったから必死になって記憶を辿ったら、こいつ俺の村の領主のとこの息子だ。

 家を出るとき父さんにもし領主の息子と会ったら失礼にないようにって言われたんだっけ。こんなのでも貴族だし、何より良い噂がないが力だけは持っているバリアーニ伯爵家を的に回すと色々面倒臭いんだそうだ。まあこの息子を見れば納得かもしれない。

 イラッとしたのでこいつのステータスを”鑑定”スキルでみてみる。


【名前】バリアーニ・ピーター

【種族】人族

【年齢】7

【職業】魔法剣士

【Lv】1

 HP:200

 MP:100

 STR:150

 MAT:90

 DEF:150

 MDF:50

 AGI:80

 LUK:1


【装備】高級なシャツ、高級なズボン、高級な首飾り、高級な革靴

【スキル】剣術初級、火魔法初級、土魔法初級

【称号】バリアーニ伯爵家長男


 うっわステータス高!なんだよこれ俺との差酷すぎだろ。どうなってんだよ女神様。てか魔法剣士ってレアジョブじゃねえか。これが天才ってやつなのか......。でも俺は負けるつもりないし天才だろうと努力で追い抜いてやる。今の所魔法じゃ勝ってるからな。


 その後ピーターは散々自慢して満足したのか帰って行った。あいつのせいで余計に疲れた。ここでの用事も終わったし早く宿に帰って休もう。少し大きめの村と言っても教会があるくらいで他は俺の村となんら変わりないので観光とかもできないし。明日は早朝に出発して夜には家に着く予定だ。


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