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ヰセカイ=ゲンジツの幽現奇譚(ファンタズム)  作者: 哀川キリン
第一章 幕開けに紡ぐファンファーレ
7/10

『姿なき怪物』(ノーカラー) Ⅲ

不定期すぎて、書く私も困る・・・

 夕日が照らす中、少年がぜぇぜぇと、息を切らしていた。

「何をしておるのじゃ!もっと、こう・・・働くのじゃ!」

「うるせーっっ!!こちとら3時間もぶっ通しで走り続けてるわっ!!」

「ブラックじゃの~。そんな会社があるなんて――――――――」

「おっまえの所為だっ!!」と言って、隣の少女のこめかみをぐりぐりとする。少女は「のじゃぁぁぁぁっっ」と叫び(あわ)てふためく。こめかみから拳を離すと、シュパァァと近くの電柱に隠れてしまった。

「にしても、なんでお前はそんな元気なんだ。」

「わらわじゃからな!」と無い胸をそって自慢げに言う。電柱に隠れてなければ少し決まってた。

(なんでこいつと一緒なんだろうか・・・)と覗茂(みるも)橙冶(とうや)は思いつつ、回想におもいふけた。

         △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 覗茂橙冶と九条(くじょう)麗子(れいこ)は異世界対策課解決部班長の透御(とうみ)鵜野江(うのえ)の運転する車に乗り、異世界対策課解決部のある場所に向かっている。車内はとくに話すことはないので静まり返っている。なにかと、気まずい。すると、鵜野江(うのえ)が、

「ええと、橙冶君、お願いした私がいうのはなんですけど、本当によろしいんですか?ほら、ええと、色々とー・・・あ、危ないですし・・・」

「え?ええ、まぁ。俺は大丈夫です。ていうかあんたが大丈夫か!手ががくがくしてるぞ!」

「えええ、ええ。だいじょう、ぶです。ただ、誰かを乗せて運転なんて、したことないんで、事故、にあわないか、心配で心配で・・・」

「落ち着け!安全運転を表した様な運転だから!そうそう事故らないって。」

「は、はい。ありがとうございます。で、ですが、相手の車がぶつかってきたら・・・」

「大丈夫ですから。そういう事故はそうそう起きませんよ。」

 そう、そうそう起きやしない、そうそうは。だが、透御(とうみ)鵜野江(うのえ)の運転は確かに上手い。曲がるときの振動などまったく感じないし、速度も迷惑運転の様なのろのろとした速度ではなく、むしろスムーズだ。

 ただ、鵜野江(うのえ)自身の自己評価が著しく低かった。自分に対しては結構ネガティブなのだった。

 橙冶と鵜野江のやり取りが続く中、異世界対策課解決部 (長いからThe different dimension world technical measure division solved part.略してDDWTS。充分言いにくいけど、D一つとると某有名な外国の番組にかぶるので、全国が承諾。因みに全国にDDWTSがある。ほとんどの国が国家機密にしているけど。)に着いた。だいたい橙冶達が通う学校から自転車で30分位だ。橙冶は帰宅部だから支障はなさそうだ。そしてDDWTSの見た目は普通のビルだ。

「着きました、ここが異世界対策室です。そしてよくぞ来ていただきました、橙冶君に麗子さん。」

「ふぁあん・・・ん・・・普通の、ビル、にしか、見えないな。」と麗子は大きなあくびして言った。目を半開きにして。寝てたね。車内で寝てたね。ぐっすりと。いきなり出会った人の車で寝れるとは、それだけ眠かったのか、あるいは肝っ玉なのか。・・・たぶん両方だ。

 鵜野江に案内され、F1にある解決部に着いた。

 こんこん、鵜野江はノックをして、ドアを開けた。

「みなさん、ただいま帰りましたよ。」と鵜野江が言い、部屋の中のPCの前にいる女性が「透御さん、お帰りなさい。どうでした。」と聞き、白い少女は「大義であったのじゃ。」と言い駆け寄ってくる。

「ええと、昨日話した通り、ってほわっ!」

 橙冶は鵜野江の前に出て白い少女の目の前に立った。白い少女は、橙冶の顔を見るなり、即目をずらした。

「よう、久しぶりだなぁ。」と橙冶はここであったが百年目、ラノベの(かたき)と言わんばかりの目で睨んだ。

「なぬ、確かに記憶を・・・」

「お二人はお知り合いなのですか?」と鵜野江が聞いてきた。白い少女は慌てふためき、「き、気のせいなのじゃ。見間違いなのじゃ。ちゃんと記憶を消したのじゃ―――――」言い訳を繰り返している。言えば言うほど墓穴を掘っていくスタイルのようだ。

「あぁ、御狐様が持っていた見知らぬ小説は橙冶君のでしたか・・・すみません橙冶君、御狐様にはきつく言っておきますよ。」

「ああ、俺からもきつく言ってもいいか?」と橙冶は少しドスの聞いた声で質問した。白い少女は「気のせいじゃ、気のせい。これはコラテラルダメージというものに過ぎないのじゃ。致し方ない犠牲なのじゃ。犯人はヤスなのじゃ。」

 ・・・墓穴をどこまで掘っていくのでしょう。

「そこに立ってろ。痛いのは一瞬だけだ。」

「そういわれて、つ、突っ立てるバカは、い、いないのじゃ。」と逃げた。が、橙冶にあっさり捕まりこめかみがえぐられる。因みにえぐられるは比喩だ。一応言っておこう。

「のじゃぁぁぁっっ!!」と悲痛な悲鳴が響いて、鵜野江は慌てふためき、PCの前の女性はフフフと楽しむ様に笑っている。麗子さんは部屋にあるソファに座り、お茶を飲みくつろいでいる。どこから持ってきた、そのお茶!麗子さんは長生きしそうだ。

「そういえば、御狐様?今日のパトロールはしなくていいのですか?」と鵜野江の質問にビクッと反応して・・・忘れていたようだ。

「い、いってくるのじゃ~!!」と脱兎の如く、いや脱狐(だっこ)の如く逃げ出した。

「ちょっ、おい、まて、話はまだ終わっていないぞぉぉ!!」と虎の様に追いかけた。

「では、帰ってきたら話を進めましょうか。」と鵜野江は言った。

 こうして今にいたるのであった。

       △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

「はぁ、思い出してまたイラついて来た。」

「こっめっかっみっが、じゃぁぁぁぁっっ!!」白い少女はまたこめかみをえぐられている。

「自転車で来れば良かったかな。で、白ぎつね、どのへんまでパトロールにいくのか?」

「思い立ったところまでじゃ!」ただ自分のエリアを広げているようでした。

「そんな、だいじょうぶ――――」

 白い少女は急に来た道を走り出した。

「おいっ!どうした!」と、橙冶も一歩遅れて走り出した。

 嫌な気配、雲行き、そして予感。第六感だろうか。胸騒ぎがする。全身の細胞が走れと命令する。そう、白い少女の逆の方へと。だが橙冶は逃げ出さない。心が言っている。走れ、白ぎつねの所まで。

 がっががががっがっがっがっががっ。あの音だ、近い。

「白ぎつねぇぇぇっ!!」少年は叫び加速した。

 少年の“目”には白い狐が映っていた。あの日の、白い髪に白い巫女装束、そしてなにより白い獣耳と白い九つの尻尾。純潔にして純潔、純白の混じりっ気のない圧倒的な白。白より白く白より濃い。それに反するかの様な巨大な影。『姿なき怪物(ノーカラー)

「よう見えんのぉ~。じゃが、ここらへんかえっ!」

 ダッッガッゴッッっと九つの尻尾に巨大な影は吹き飛ばされた。だが、惜しくも尻尾がかすっただけなので、完全に倒し切る事は出来なかった。『姿なき怪物(ノーカラー)』は光に(まぎ)れ、どこかに行ってしまった。

「すまぬ、橙冶。また逃がしてしまったようだ。」

「あ、ああ。だがアイツもそれなりにダメージを負ってるんじゃないか。」

「だとすれば、今日中にけりをつけるのじゃ。」

 西に(かたむ)いている夕日に、高らかに、確信をもってそう告げた。

「ひとまず帰ろう。鵜野江さん達にこの事を伝えて態勢(たいせい)を整えた方がいいだろう。」と、橙冶の意見に白ぎつねは(うなず)き、夕日に背を向け走り出した。長く短い夜の幕開けとなる。

         △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 一方、DDWTSでは麗子さんと鵜野江が話していた。

「ええと、麗子さん、貴女はまだ能力が覚醒していません。ですからくれぐれも危ない真似は、ええと、その・・・」と鵜野江が口ごもった。

「ああ、わかって、いる。だが、時と、場合に、よる。」と麗子さんは告げた。

「で、ですが。」

「ああ、そこまで、出しゃばる、つまりは、ない。だが、その、話から、すると、私も、まだ、能力に、目覚める、見込みが、あるって、ことで、いいのか?」

「ええ、はっきり言わせてもらいますが、能力は遅かれ早かれ全生物に発症することでしょう。犬や猫、植物にいたってもです。この異世界病に全生物がもう感染しています。ただ、脳が一番発達している人間は発症しやすいのだと思います。私の場合、『世界の声』を聞いた二日後に発症しました。」

「ん、そうなのか。まだ、『世界の声』から、一ヶ月しか、経って、いないから、私も、早く、発症すれば、いいな。」

「まぁ、発症者と、接触(せっしょく)が多いと、早く発症するって言う話もありますし、大丈夫だと思いますよ。」

 するとPCの前に座っている女性が、

「麗子さんは多分適性しているとおもいますよ。ただ、命を落とす事さえあるんです。それを肝に銘じて下さいね。」

「ん、わかった。ええと・・・」

月見里(やまなし)壱環(いつわ)です。月を見る里と書いて月見里で、一の難しい方書き方と環境の環で壱環です。」

「月見里か。珍しいな。・・・もしかして、弐織(ふたおり)と、言う、妹が、いないか?」

「!弐織(ふたおり)をしっているんですか!」

「担任、だからね。」

「先生なんですか!いつも弐織(ふたおり)がお世話になっています。」

「いや、弐織(ふたおり)ちゃんは、いい子だよ。静岡から、引っ越して、来て、忙しい、でしょうに、他人を、気遣える、いい子ですよ。」

「本当ですかっ!家では――――――」と麗子さんと壱環(いつわ)の話が盛り上がってる中、鵜野江は肩身狭く、お茶を飲んでいるのであった。

ちょこっと人物紹介~♪ドンドンパフパフ~♪

・・・え?ドンパフいらない?さいですか(’・ω・‘)ショボン

では、自己評価低めの好青年。能力は【天の玉】自分が仲間と思った人を中心に半径一キロを見通す不思議な玉を複数出現させられるサポート能力の持ち主。

透御 鵜野江 (とうみ うのえ) この能力は並外れた情報処理や状況管理ができないと宝の持ち腐れだが、それを使いこなすハイスペックネガティブ野郎です。


で、次はPCでデータ処理、連絡係、自由すぎるメンバーを束ねる、存在的リーダー。能力は【テレパシー】。鵜野江が見たものを伝える重要な役割。能力名は、色々提案が出たが全部却下し、無難に攻めた。

月見里 壱環 (やまなし いつわ) 月見里はまず読めない、私も読めなかった。


後、基本いい子、姉と共に静岡県から引っ越してきたニューフェイス。

月見里 弐織 (やまなし ふたおり) 能力は考え中。


でさ、舞台をどこにしようか迷ってるんだよね。無難に東京にしようかと思うけど、一度しか言ったことなくて・・・大丈夫かな?

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