序章 Ⅱ
ある日の事、あの声が聞こえた。その声は、まるで外国の鎮魂歌を聞いているような気持になった。なぜか、心落ち着き、和んでしまった。意味も解らない言葉なのに・・・だ。
まぁ、そう言う事ぐらいは結構誰にもあると思う。例えば、クラシックやロックを聞いてるとき、意味が解からなくても癒されたり、盛り上がったりするだろ?・・・え?しない?・・・まぁ、気分的にはそんな感じだ。
ただ、あの声と『世界の声』は違った。あの声が鎮魂歌だとすれば、『世界の声』は讃美歌だ。
俺たちは、『世界の声』に賛美、祝福されたのだ。生きとし生けるものが空を見上げ、耳を塞ぎ、はたまた目を輝かせて聞いている者もいた。
あぁ、『世界の声』よ、この世界は何に変わる?どのように変わる?はたまた、人間の方が変わるのか?『非現実』的な日常になるのだろうか?―――――俺の夢、諦めきれなかった夢、生涯の夢。やっとだ、世界は受け入れてくれた。「非科学、非日常、非現実的だ!」なんて知るか、ほざいてろ。そんな事言ってるから抜け出せないんだよ。常日頃、当たり前だと思っていた事の、『非』に。
これからどんな事があるか、この先どんな事があるか。
世界が後押ししてくれた。世界が俺たちの門出に、讃美歌を歌ってくれた。
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この時の少年は知らなかった、と言うより知る由もなかった。
この先の出会い、戦い、苦悩や苦痛。
因果はすでに少年達に絡みついている。
応援は与えないが、翼は与えた。
この世界を救って見せろ。
我愛しい、生きとし生けるもの共よ――――――――
序章はこれで終わります。次回からは1章の幕開けです。