始まり、それは運命の歯車 Ⅰ
――――なんか――――ぼやぼやする――――ここは――――どこだ――――
ピリリリリリ、と耳元で爆音量の目覚ましが鳴った。
「うっせぇぇぇ!!」
俺は急いで目覚ましを止めた。
「八時か・・・なんだ・・・ふぇあぁぁッッ!やっべ、遅刻するッッ!」
俺の名前は、覗茂橙冶。いたって普通・・・とは言えないが、高校1年だ。つまり、学生だ。
俺は、急いで食パンを二枚くわえ、家を飛び出した。
俺の通う学校は、チャリで二十分で着く距離だ。
チャイムの音と同時に教室へ着いた。
「おぉう、みっちーおはよ~」
「おお、橙冶君が遅刻せずに到着しました。」
「イェーイ、ハーゲン〇ッツもらいぃー。」
「いやッ、遅刻だろ。絶対。オレは認めん。」
「いいえ、まにあいましたぁー。」
「おまえら・・・俺を賭けの対象にすんじゃねぇぇ!」
まったく、人を賭けの対象にしやがって。
「おい、橙冶、さっさと、席に、つけっ。」
先生に怒られて、授業を受けて、いつもどうりのはずだった・・・
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「橙冶君、知っていますか?」
「なにをだよ?」
「この前の『世界の声』が聞こえた後、さまざまな怪奇現象がおこってることを。」
「ああっ、知ってる。燃え盛るバーニングマンとか、マボロシとされていたUMAが発見されたとか。」
「うそくせぇ、どうせ合成とかだろ。」
俺は一瞬どきっとした。
「ははは・・・そうだね。」
俺は曖昧に答えた。
「えぇ~。絶対『世界の声』だってっ。」
『世界の声』、それは7分間に亘る意味不明な言葉が聞こえてきた現象。それは、全世界に及び、全人類が、いや全動物が聞いたとされる声だ。
これは、まだ科学で証明できないシークレットとして扱われてる。
ただ一つだけわかってる事が――――
「ある特定の人だけが、意味を理解できたらしいですよ。」
「まじかよ。オレはわかんなかったぜ。そんなの。」
「じゃあ、白ぎつねも『世界の声』を聞いたのでしょうか。」
「お前ら、いい加減に、帰れ。」
俺はぼんやりと、今日発売のラノベの事を考えていた。
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「おう、俺、ラノベ買って帰っから。ここで。」
「みっちー、じゃあねぇ~。」
「橙冶君、また明日。」
「トウヤ、じゃぁな。きぃつけろよ。」
俺はこのまま本屋にいき、帰る頃には暗くなっていた。
「まだ肌寒いな。思ったよりくらくなってるし。」
桜舞い散る花吹雪。闇夜に照らす薄い光。そして、蠢く影。
気になって、俺は後を追った。
それが、事件に巻き込まれると知らず、あいつらと出会うきっかけになる事も知らずに・・・
もってくれ・・・私のインスピレーションッッッーーー!!