人類への宣戦布告
「もうこんな死体見たくないのだが、何体目だこんちくしょー」
その短髪な茶色い頭を抱え、ため息をつくのは、国際刑事でもある登戸龍哉である。
そしてここは、日本語圏コロニーのとある大きな商店街の一角。事件が起きたのは昨夜12時頃。そして、この日はこの類の事件で初めて犯人の手がかりが見つかった。ーー防犯カメラに殺害の瞬間が捉えられていたのだ。
刑事たちはその防犯カメラをみた。
「……これが、犯人?」
「つーか、これ、人間なの?」
その反応もそのはず、被害者を殺害しているのは、肌の色が全身緑なのだ。そして、その犯人はその右手のひらで、被害者の心臓を一撃で貫いた。その後、犯人は防犯カメラを見て、不意に笑い、その場から一瞬で消えた。そこで防犯カメラの映像も途絶えてしまった。
「……なに、これ……?」
「……こんなの、捕まえられっこない……」
刑事たちは恐怖で震え、泣き出す者も現れた。
そんな中、登戸刑事は顔を真っ青にしながら、その映像が映ったDVDを受け取り、立ち去ろうとしていた。
「お前ら何してる!? さっさと行くぞ!」
「……行くってどこへ……?」
「バカ、上に報告だ! こんな前代未聞な事件、俺達だけで解決できるわけ無いだろ!」
(……それに1回英語国帰らないと不味いなこりゃ……)
彼は後輩刑事を引っ張りながらも空を眉間にシワを載せながら仰ぎ、「めんどくせー、つーか、金が飛ぶのいやー!」と大声で叫び、正面のパトカーへと向かった。
ーーー
スペイン語圏コロニーの衛星付近の宇宙空間で彼らは動こうとしていた。
『……時間だ、やれ』
緑色の身体をした男ーー将嬉は生楽に指示を仰いだ。すると、生楽は今いる場所で一番大きな岩石を念力を使って、『えいや!』と衛星に向かって放り込んだ。
実はスペイン語圏コロニーの衛星は唯一全てのコロニーへと電波を受発信することができるのだ。そして彼らは全てのコロニー内の映像をこちらに仕向けるように設定した。
『怒黒、できたわよ』
哀耶がそう言うと、全てのコロニー内のテレビやモニターが彼らを映した。
『……あ? もうこれ映ってるの?』
『写ってるわよバカ、早くしなさい』
突然、テレビやモニターが切り替わったため、全ての人間が戸惑い始めた。
『……えー、じゃあ、宣戦布告します。僕達、地球の源は、僕達を見放し破壊しようとした罪で、人類を滅亡させます』