政府指定特殊能力育成機関
俺が通っている場所は「少々」特殊だ。
名前が「政府指定特殊能力育成機関」通称「特関」である。
文字通り「特殊な能力」を保持する人間が所属する場所で
まぁ危険な能力を保持する人間を「保護」の名目を使い
一ヵ所に集める言わば「籠」である。
かと言って能力保持者も馬鹿ではなく
政府はそのまま「籠」に捕まえて反乱されることを恐れており
卒業と同時に将来が約束されるという「餌」を蒔いている。
それを理解している者もいれば
自分が選ばれし物と思っている者もいる。
それを否定することはしないが
俺は―――正直どうでもいい。
親のいない孤児にとって、将来が約束されるだけでもありがたい。
目立たず騒がず平凡にす過ごし一生を終えるのが俺の夢だ。
そんな学校とも呼べなくもない場所は極めて危険で
政府による検査・実験に協力し勉学に励めば
機関の敷地内の行動は基本自由である。
つまり、余程の犯罪行為でない限り許されるのだ。
どこぞのアニメの様に路上でストリートバトルみたいな展開は
あまりないが、機関に所属している生徒内で組織が別れており
派閥争いが起こっている。
マフィアか己らは。
ぜってぇ俺は関わりたくないね。