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並行世界はいわゆる直列  作者:
第一章 ソーミディア
9/9

遅くなってしまい申し訳ありません。

課題などがありましてですね(言い訳

  あの後クロエに案内され二階の部屋に入った。なんでも空き部屋だったらしくここに泊めてくれるらしい。ずたぼろになった服の代わりに別の服も貸してもらった。しかしこの家はなんだか無駄に広い気がするのは気のせいなのだろうか。他にも部屋がいくつもあったがそこに誰かいる気配もない。

 今は静かな海にぽつんとたたずむ孤島のように無駄に広い食堂に置かれたところせましと料理が並べられている食卓を三人で囲っている。ここに住んでいるのはどうやら二人だけのようだがなぜこんなにも広くする必要があるのか。

「さて、今から晩飯だが同時にこの世界の理を学んでもらう。とはいっても腹は減っただろう、まずは飯だ」

 レイモンがそう言い終えるとクロエとともに二人、目を瞑り手を合わせ始める。俺は慌ててそれに合わせ手を合わせる。

「「「いただきます」」」

 とりあえずスプーンを手に取り目の前にあったスープをすする。その澄んだ色からは想像もつかないほどの濃厚な味わいが口に広がる。それとハーブのような癖のある香りがアクセントになっていてとても美味しい。具として入れられていた葉野菜はシャキッとしていて歯ごたえもばっちりだった。これに肉でも入っていればいいのだがここの人たちは肉を食べないのだろうか? それとも出汁を取って残りは捨てるのだろうか、もったいない。確かイギリスの料理でそんな料理があったような。いや、違う。肉のスープを取ってうまい出汁が出た時点でその出汁を捨て残りの肉にお好みの調味料をかけて食べていた気がする。それが簡単な家庭料理らしい。

「とりあえず『相』の話は簡単にしたな?」

 料理にがっついていたレイモンが急にその手を止め講座が始まる。

「すべてのものはそれでできているとは」

 それを言うと分かっているな、と確認された。

「まぁそうだな、単純なものは一つにつき一つの種類の相を持っている。石だったら石の相、みたいにな。このスープで例えるとすると――」

 と言い、今まで食べていたスープから歯ごたえの良くて美味しかった葉野菜をフォークのようなもので取り出す。

「このリーツはリーツという相を含んでいる、と考えたらいい。実際にはリーツとかいう相はないぞ?」

 なるほど、このシャキッとした歯ごたえのいい葉野菜はリーツというのか。いや、違う、今は『相』の勉強をしているんだったそんなことはどうだっていい。

 などと勝手に心の中で葛藤をしていると はリーツをぱくっと食べる。そして行儀は悪いがフォークのようなものを指し棒のように使う。

「しかしだ、俺ら生き物など複雑な構造をもつものは幾種類もの相が重なり合って出来ている。リーツやら出汁やらが集まってスープを構成するようにな」

 まぁ一つの相だけでも量によって構成される物質は変わるけどな、と付け足すと料理を食べ始める。

 見た目的に脳筋だと思っていたが自分の得意なものだと違うものだな。説明の仕方がなかなか様になっている気がする。まぁ例えがありすぎて本質があまり見えないけどな。

「ほうはふふいはひほうひはほうへは――」

「時間がないのは分かってるけど食べながらはさすがにやめてくれ」

 おぉすまんな、と目で伝えられ 口の中のものを咀嚼するまで待つ。

「相は種類が非常に多様でな、今では六十種類近くが発見されている」

 オリジナルの世界(over world)での相にあたるようものである元素は現在認められていないものを含めると百四十は超えている。それを考えてみると六十は案外少ないのかもしれない。化学製品のようなものも見受けられないのでそこまで高等技術化もしていないのだろうか。

「そして『相』というものはものを構成するだけでなく科学を魔法へと捻じ曲げるものでもある。さっき俺がなにしていたか気になるだろう?」

 興味がわいてきてしまい、返事もせずただこくんと頷く。

「あれは物質から『相』を分離、そして製錬させドロップを取り出していたんだ。まぁ例えるとすると――」

「このスープからリーツという『相』を取り出す、ということか?」

 俺はなんとなく言いたいことが分かったので先読みして例えて見せた。そしてリーツをフォークのようなものでつまみ口に含む。

「おぉ、さすがだな。見込んだ物以上の金剛石かもしれんなこれは」

 レイモンは驚いたような表情を見せる。スープが残り少ないことを確認するとすべて飲みほし話を再開する。

「ドロップは魔術の研究にも使える。なぜドロップって言うようになったのかは聞いてないが製錬したら涙のように結晶化するからだと俺は思う、きれいだしな。まぁでもドロップだけでは魔術は使えない。そこで出てくるのがオーラだ」「オーラは炎のようなものでリーツや出汁など材料がドロップ、炎でスープを温めるようにオーラを使う」

 つまりオーラは分かりやすく言うと魔力のようなものなのか。実際には見たこともない。

 何気に説明が上手いな、と軽く感心する。しかし今までの例えの大半をスープで行ってるのはなんなんだ。固執し過ぎだろう、そこにばかり関心がいってしまい内容が入ってこないのであまり感心できない。

次回更新日は未定です

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