ソーミディア
遅れてすみません
本当は一週間くらいで書き上げてたんですが
名前などが思いつかず
テストも二回ほどありまして……
「ふむふむ。なるほどなるほど」
母さんと少しばかり話をして決意をした後、原因がなんなのかを探っていると光っていたページは移動できるようになった世界らしいことが分かった。つまりはその世界に異変が起こったことを表す。
さて、どうやって世界を移動するのか。ということだが例のページ(ご利用にあたって)を見てみると実に簡単だった。移動したい世界の名前を思い浮かべるだけでいいらしい。でもそれでは味気ないのでこうすることにした。ラノベとか読み過ぎなのかなぁ……
「リンク、ソーミディア!」
おい、マジかよ……
まさか本当に移動できるとは思っていなかったがどうやら本当にできたらしい。
目の前に広がるはうっそうと生い茂る木々。どうやら今は昼過ぎのようだが心なしか少し薄暗い。気候は夏の日本に似ており湿度が高くじめじめして蒸し暑い。少しばかり気持ち悪くなってくる。
「街はどっちかな――」
とりあえず向いていた方向に歩いて行こう、そして街についたらまずは情報収集だ。
部屋着のまま来なかったらよかった……
この世界についたころは昼過ぎだったのだが日も傾いてきたころ、歩き続けてやっと一つの街を見つけた。どこぞの旧市街というような表現が似合いそうな街並みだ。狭い道が入り組んでおり、一つ一つの建物が密集してそれでいて高い。夕刻に近づいてきており、建材も煉瓦のようなものが使われているせいもあるのか街は朱く染まっていた。
「あいてっ」
そんなことを考えながら適当に宿を探そうとぶらついていると突然誰かとぶつかる。見たところ幼さが残るようだが俺とさほど変わらない年齢に見える少女だった。
「あ、すみません。お怪我はありませんでしたか?」
なんと親切な子なんだ! と驚いてしまったが、普通はこうなのかもしれない。元の世界の方では俺を忌避する奴らがよくわざとぶつかってきたりしたものだから感覚が鈍っているのかもしれない。
「まぁこんなので怪我するほどやわではないんだけどね」
よくよく見てみると彼女は少々高価そうな服を着ている。ぱっちりとした二重の目に控えめな長さのきれいなブロンド、しっかりとした鼻すじといった細かい顔のパーツと服とがあわさってお人形さんといった感じだ。
「いきなりで迷惑かもしれないけど、ちょっと知りたいことがあるんだ」
「旅でもしていらしたんですか?」
といって彼女は視線を落とす。その先にはずたぼろになった足、そのまま来てしまったので靴などは履いていない。それと林の中を歩いてきたため木の枝にも引っかかったのか、もともと着ていた部屋着もところどころ裂けていた。そんな身なりで片手荷物は一つの本、どうみても怪しい。どこが旅をしている途中に見えたのかは知らないが彼女にはそう思えたのらしい。
「そんな感じかな?」
「今から帰るところだったのでよろしければ家で話を聞きますよ、あと代わりの服も差し上げますよ。たしか余りがあったので」
「いいのか?」
「はい」
あ、それなら。
と思った自分に驚く。人から遠ざかれていたのもあるがそれよりも関係が壊れるのが、裏切られるのが怖くて他人との距離を取っていたのではないのか。化け物だと忌避されることはないにしろ裏切られるのは怖い。
でも……
となぜか思ってしまう。なにか変わったことはあったか心の中を探ってみる。あった、一つだけ心当たりがあった。検索エンジンで例えるとするとしたに表示されている『もしかして』。そこには菊池という文字がある。昼にあった菊池の行動だ。いつもの俺ならふりはらっていただろうがなんとなく気を許してしまった。それのせいなんだろうか。
まぁ、異世界で一人立ち往生というわけにもいかないのでここはついて行った方が正解だと思う。
「ありがとう、俺は正人」
「マサト、珍しい名ですね。私はクロエといいます」
籠を片手に歩き始めるクロエの後ろをついていく
数分ほど歩いているとクロエはここです、と自宅らしい建物を指さす。今まで見た家は二階建てや三階建ての煉瓦造りのような家が連なっていたが、ここだけは違い見た目鍛冶屋のような一軒家だった。そんな俺の目を気にすることなくクロエは頑丈で重そうな木の玄関扉をただいま帰りましたと礼儀正しく開く。しかしこんな金属のような質感の木は見たこともない。
「あっつ!!」
クロエの後について玄関をくぐったとたんサウナのような、アイロンのスチームのような湿気を帯びた熱が体を襲う。それとほぼ同時に謎の煙が視界を遮る。
「おい! 火事だぞ! 早く出ろ!」
クロエも気づいているだろうが危険を伝え、脱出を促す。しかし、そんな意図も介さずクロエはずんずんと廊下を進んでいく
「聞こえてるのか!?」
「お気になさらずに、いつものことですから」
煙の中、咳を抑え涙目になりながらもクロエはそう言うがこちらとしてはやはり心配だ。というかこの状況が恒常化しているのが不思議でならない。
「ただいま帰りましたー! あとそれと旅人さんを連れてきましたー!」
「ちょっと待っとけー、ぬおぁ! 失敗した! フラックスが!!」
野太い声が部屋中に響き渡る、なにやら忙しそうだ。失敗してるみたいだが大丈夫なのだろうか。家の状況もこんなだし。いったいここはどんな家なのだろうか。
クロエはすでに客間の扉を開けており、俺を手招きしているので俺もそちらの部屋に入りやわらかそうな椅子に腰かける。
「おう、レイモンだ。よろしく。ところで何を尋ねに来たんだ?」
さっきの声の主はやはりというかレイモンだったみたいだ。その屈強な身体はファンタジーゲームに出てきそうな戦士をイメージさせる。
「この世界の定理、根本。今何をしていた、そして何が起こってる!」
これだけでは足りないほど疑問が浮かび上がってくる。違う世界で自分の知らないものに触れ、長い間眠っていた探究心が呼び起される。
「あ、えーとだな……何か話したらいいんだ」
質問が多すぎたのか何から答えたらよいのか混乱している。まぁ見た目脳筋だからしょうがない。
「まずこの世界はどのように成り立っているんだ?」
「根本からか?」
と確認され、
「根本からだ」
と頷く。
分かった、とレイモンも対面のソファーに座る。どうやら話は長いらしい。俺もそれを覚悟し、深く座りなおす。いつのまにかいなくなっていたクロエがお盆に麦茶のようなものを抱え持ってくる。レイモンも息を整え話す準備を始める。クロエが座ったところでレイモンは口を開く。
「まず、この世界のすべてのもの生き物などは『相』というもので形作られている。それくらいは分かるな?」
どうやらこの接続書の言う並行世界というものはパラレルワールドのようないくつもの分岐によって枝分かれした世界ではなく、独自の進化を遂げてきたあくまで交わることのない平行な世界のことらしい。
「この世界で生まれていたらな」
「どういうことだ?」
これまで起きたことをできるだけ簡潔にし、順を追って話す。並行世界から来たことを、そしてこの世界で何かが起ころうとしていることを。
「あー、うん。そうか。えーと……」
レイモンは頭を抱え込み深く悩んでいる。俺が出されたお茶を飲み終わったころ、ひとしきり悩んだレイモンはクロエに耳打ちし一気にお茶を飲み干す。尋常ではないほどの汗の量だった。何をそんなに悩むことなんだろうか。まぁ確かにいきなり別の世界から来た、といわれても理解に苦しむが。耳打ちされたクロエはこの部屋から慌てて出て行った。
「マサト、といったか。ここで勉強していくか?」
簡単にクロエについてきたのだがやはり大丈夫なのかという不安が頭をよぎる。
「なに、心配することはない。これでも一位二位をあらそうほどの腕利きの相遣いなんだ、お前一人くらいどうにでもなるしすべて叩き込んでやる」
「そんなに簡単に信用していいのか? どこの馬の骨かわからないんだぞ」
「俺の目に狂いはない、きっとすごい相遣いになれるさ」
きっと彼のいっていることは本当ではないだろうが言葉を見る限りどうやら俺のことを信用してくれるらしい。
しかし、一つ問題がある。元の世界に戻ったときそこの時間はどうなっているかだ。簡単に言えば浦島太郎のように竜宮城にいる間に陸地では驚くほどの時間が経っていた、となる可能性が少なからずあるのだ。まぁ逆に言えばここで一日過ごしたにもかかわらず1時間と経っていない、なんてこともあるかもしれないのだが。
「それは嬉しいがさっきも言った通り時間がない」
「一週間だ、一週間ですべて教えてやる。それが終わったらお前がやりたいことをすればいい。相はこの世界の根源ともいえる、知っていれば何らかの形であれ役に立つはずだ」
さすが脳筋(見た目)、言うことが違う。しかし一週間か、数えると長いんだよな……
今回から新章(というよりかはやっと始まった感じですが)です
大体10話ずつでくぎっていきたいとおもいます