相思相愛with不条理
凶器が出てきますが、凶行には及びません。
私の前には鎌がある。ちょうど首のあたりだ。
私の後ろには彼女がいる。背丈はほぼ一緒。
男子トイレに行くときも一緒。
女子トイレに行くときも一緒。
部屋に監禁されたりすると思ったから、これはいい誤算だ。
女性にさえ遭わなければいいのだから気楽なものだ。
それに私は彼女のことが嫌いではない。
ただ、少し歩きが手間取るだけの話だ。
息を合わせて、いち、に、いち、に。
そんな私の右手には銃がある。
銃口の先は彼女のこめかみ。