小さなネガイ
年齢指定はありませんが、読んで嫌な気分になってしまうかもしれません。
ネガティブな感情が多々含まれております。
用法用量を守り、自己責任でお願いします。
「人を妬んではいけない。人を恨んではいけない」
幼い頃から母から言われ続けてきた言葉。
「良い事も悪い事も巡り巡って自分に返ってくる。良い事はみんな欲しがっているからなかなか返ってこないけれど、悪い事はすぐに返ってくる。だから……」
人を憎んではいけない、と。
子供に道徳を教える為の言葉。
私は今でもこの教えを守っている。
けれど、私がいくら守っていても私の周りにはこの昏い感情が溢れている。
恨み辛み、妬みに嫉み。
この子達は何処に返るんだろうか。
そして、どんな悲しみを作るのだろうか。
私は恐怖する。
いつか、この子達が大きな濁流となって全てを飲み込んでしまう事を。
私は、無力だ。
そう遠くない未来にそうなる事を知っていても何も出来ない。
けれど仕方の無い事。
私が何も出来ない事も。
全て飲み込まれる事も。
だって、私にもこの子達にも罪は無いのだから。
この子達はただ還るだけ。
自分を生み出した者の処へ。
誰かに害をなす事がこの子達の存在理由。
私は理解する。
母も私と同じものが見えていたんだ。
そして未来を変える為に、少なくても私の未来を守る為に、あの言葉を伝えたんだ、と。
この悲しみに満ちた世界で。
私が悲しみに飲み込まれないで生きていけるように。
けれど、母の願いは叶う事はないだろう。
還る事の出来ない子達の嘆きが、ささやかな願いを容易く踏み躙る。
私は絶望する。
救いの無い未来に。
救いの無い人間に。
だから、滅べばいい。
自分自身に復讐されればいいんだ。
だから、私は謳う。
この醜い世界で。
哀しみの言葉を。
「シニタイ……」
なんだか支離滅裂になってしまいました。