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カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


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第5話「ひまわり団の休日」


 翌日の夜。舞がログインすると、ギルド拠点のログハウスは、前夜の冒険とは打って変わってのんびりした空気に包まれていた。

 暖炉の火が揺れ、テーブルの上には誰かが作った料理らしき皿が並んでいる。


「おー舞! 昨日の防具、試したか?」

 勇太が豪快に手を振る。舞は顔を赤くしながら、しぶしぶメニューを開いた。

「えっと……この装備……」

 画面が光り、次の瞬間、舞のアバターが踊り子風の軽装に変わった。胸元や足が大胆に開いたデザインに、彼女は耳まで真っ赤になる。

「ちょっ、これ……露出多すぎない!?」

「うおおお! やっぱ似合うじゃん!」勇太が鼻を押さえながら叫んだ。「お色気担当、決定だな!」

「決定しなくていい! てか鼻血出すなぁぁ!」

 葵が盾で勇太の後頭部を軽くはたき、「舞をエロい目で見るな!」と叱る。

 だが沙羅は腕を組んで静かに言った。「……似合ってる。動きやすそうだし、映える」

「沙羅ちゃんまでぇ!」舞は頭を抱えた。



 そのとき、千尋が得意げにノートPCを掲げた。

「はい注目〜! 昨日のダンジョン動画、僕が編集して“舞ちゃんMAD”にしたんだ!」

 再生を押すと、映像の中で舞が影狼を蹴り飛ばし、くるくる回るシーンがリズムに合わせて繋がれていた。BGMは派手なEDM。

 しかも最後には「舞、爆誕!」とテロップまで入っている。

「やめろぉぉ!」舞が飛びついて止めようとするが、千尋はひらりとかわす。

「遅い! もう投稿済み! ほら、再生数……一万突破!」

「ひゃぁぁぁ!」舞は床に転がりながら絶叫した。

「すごいね!」葵は純粋に喜び、勇太は「人気者だなぁ!」と笑い、沙羅は「やっぱり映える」と小さく頷いた。

(……どうしよう、どんどん有名になっちゃう……!)



 その後は、ギルドの面々でまったり過ごす時間となった。

 勇太は料理スキルを習得しようと鍋をかき混ぜていたが――。

「ぎゃああああ! 爆発した!」

 鍋の中で緑色の泡が膨れ上がり、拠点中に煙が充満した。

「何作ったのよ!」

「カレー……のはずだった……!」

 舞と葵が慌てて窓を開け、千尋は「これ動画にしよう」とまた悪ノリ。

 笑いと咳き込みの中、沙羅だけが窓辺に座り、舞に視線を向けた。

「舞。昨日の戦い、悪くなかった。だけど、もっと動きを活かせるはず」

「……動きを活かす?」

「舞は踊るように戦う。なら、流れを仲間に繋げることを意識するといい。昨日の矢と蹴りの連携、あれは偶然じゃなく必然にできる」

「……なるほど」

 舞は目を瞬かせた。今まで「ただ必死に動いていただけ」と思っていたが、仲間と繋がれば戦い方はもっと広がるのだ。

(私、もっと……強くなりたい。仲間のために)



 やがて騒ぎが収まった頃、葵が皆を集めた。

「ねえ、次は公式クエストに挑戦しない?」

「公式クエスト?」舞が首を傾げる。

「うん。運営が配信するイベントで、ギルド単位で受けられるやつ。次は“護衛任務”なんだって」

 千尋が目を輝かせる。「それ配信映えするぞ!」

「またそれか!」舞は即ツッコミを入れたが、心の奥ではワクワクが膨らんでいた。


 暖炉の火がぱちぱちと音を立てる。昨日は「仲間と戦う楽しさ」を知った。

 今日は「仲間と過ごす温かさ」を知った。

 そして――次は「仲間と挑む新たな冒険」が待っている。


 舞は小さく拳を握った。

(よし……がんばろう)


 こうして《ひまわり団》は、新たな挑戦へ歩き出したのだった。


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