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カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


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35/40

第35話「波乱の二回戦! リズムVSロジック」

 ――《バトル・フェスティバル2026》、第2回戦。

 ステージは冷たい光に包まれた円形アリーナ。

 相手ギルドの名は《コード・ネメシス》。

 全員がプロゲーマー出身、データとロジックで勝ち続ける分析型チームだ。


「彼らは戦闘中にリアルタイム解析を行う。心拍数、動き、攻撃パターン……すべて“数字”で読まれるぞ」

 実況AIの説明が響く。


 対する《ひまわり団》。

 舞は軽くストレッチをしながら息を吐いた。

「つまり、ウチらの“ノリ”が完全に研究対象ってわけね」

 隣で葵が笑って肩を叩く。「なら、いつもどおり楽しく踊るだけだよ!」


 ――カウントダウン、3、2、1。


 開戦の合図と同時に、敵前衛が無駄のない動きで突っ込んでくる。

 勇太が受け止めた瞬間、背後から魔法弾が正確に飛んだ。


「くっ! 合わせてきた!?」

 千尋の防壁が弾け、沙羅の矢が空を切る。


 舞がステップを踏む――だがその軌道にカウンターが刺さった。

「読まれてる……!? リズムが完全に先取りされてる!」


 敵リーダーが無感情に言う。

「君たちのテンポは毎秒0.72の揺らぎ。次は右回転蹴りだ」


 舞が息を呑んだ瞬間、まさにその右足が止められた。

「うそ……!」

 リズムが崩れ、仲間たちも防戦一方。


 その時、沙羅が矢を構えたまま静かに言う。

「舞。テンポ、ずらしてみて」

「え?」

「1拍……いや、半拍。ズラすの」


 舞の脳裏に、カポエラの“変拍子”がよみがえる。

 ――ジンガは自由。リズムは裏でも刻める。


「……うん。やってみる!」


 次の瞬間、舞のステップが変わった。

 いつもの3拍子を、4拍+変則の“3+2+3”に分割。

 それに合わせて、千尋の詠唱リズムがズレ、勇太の剣筋もわずかに外れる。


「解析不能、リズム崩壊……!?」

 敵チームのHUDにノイズが走る。

 AIが予測不能となり、最適解を導けなくなった。


 舞は笑った。

「読まれないなら、読ませなきゃいい――ねっ!」


 スピン、ステップ、フェイント。

 音楽が乱れるように、舞の動きも自由に弾ける。

 そのリズムに勇太と葵も乗り、チーム全体が“即興セッション”のように躍動した。


「《リズム・ブレイク・ジャム》――行くよ!」

 舞が蹴り上げ、千尋の炎魔法がビートを刻む。

 沙羅の矢がその爆発に乗り、勇太が一気に斬り抜ける。


 轟音。光。

 ――《コード・ネメシス》、全滅。


 審判AIの声が響く。

「勝者、《ひまわり団》!」


 歓声が爆発した。

 千尋が両手を挙げる。「テンポいじるとか、天才かよ舞ちゃん!」

 沙羅が小さく微笑む。「……変拍子、クセになりそう」

 葵が舞を抱きしめる。「やっぱり、舞のリズムは無敵だね!」


 舞は少し赤面して笑う。

「うう……チート扱いされそう……」


 その頃、観客席。

 黒川レンジは腕を組み、画面をじっと見つめていた。

「リズムを壊して、またリズムを作る……」

 彼の口元にわずかな笑みが浮かぶ。


 《ひまわり団》は準々決勝進出。

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