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カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


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34/40

第34話「大会開幕! 波乱の初戦」


 ――《バトル・フェスティバル2026》。

 世界最大級のVR格闘大会、その開幕を告げるファンファーレが鳴り響いた。


 巨大なドーム型の会場。

 現実と仮想が融合した光のステージには、各国のギルドが勢ぞろいしていた。

 実況アナウンスが響く。


「続いて登場するのは、日本代表ギルド――《ひまわり団》!」


 観客席から拍手と歓声が沸き起こる。

 舞台中央、風間舞は深呼吸をひとつ。

「現実で……みんなと並んで戦うなんて、夢みたい……」

 彼女の隣では、葵がにっこり笑って盾を構える。

「夢じゃないよ。だって、舞の“リズム”はもう世界に届いてるんだから!」


 勇太が剣を抜き、千尋が魔法陣を展開。

 沙羅は静かに弓を引き絞る。

 ――チーム《ひまわり団》、準備完了。


 対するは海外ギルド《ナイトミラージュ》。

 黒と銀の装備に身を包んだ4人が、無言で並ぶ。

 動きはまるで機械のよう。完璧なフォーメーション、完全制御型AIの支援を受けた最強チームだ。


「人間らしさゼロね」沙羅が呟く。

 千尋が苦笑い。「リズム皆無、完全オートマチック。舞ちゃんと真逆だね!」

 勇太が剣を構え、気合を入れる。「だったらこっちは、“ノリ”で勝つしかねぇ!」


 開始のカウントダウン――3、2、1。


 爆音とともに試合開始。

 ナイトミラージュの先制攻撃。光の槍が雨のように降り注ぎ、舞たちは一気に包囲される。


「くっ……速い!」葵が盾を構えるが、衝撃で後退。

 勇太が突進するも、相手は正確にカウンターを合わせてくる。

 動きに一切の乱れがない――まさに“機械”。


「ダメ……リズムが掴めない……!」

 舞のカポエラが空を切る。相手のパターンが読めず、ステップが噛み合わない。


 その時、葵の声が飛んだ。

「舞! 私たちのビートで作ろう!」


 舞が目を見開く。

 ――そうだ、リズムは相手から奪われるものじゃない。自分たちで刻むものだ。


「《リズムリンク》――発動ッ!」


 舞が叫ぶと、床に波紋のような光が広がる。

 パーティの心拍、動き、呼吸――すべてが舞のリズムと共鳴していく。


 勇太の剣がビートに乗る。

 「ハッ! セイヤッ!」と一太刀ごとに音が重なり、攻撃が軽やかに加速する。

 葵の盾がリズムに合わせて弾むように動き、仲間の攻撃を導く。

 千尋の魔法が“ドラム”のように爆ぜ、沙羅の矢が“メロディ”のように響く。


 舞は中心で踊るように戦った。

 ジンガ――ステップ、キック、スピン。

 それぞれが音楽の一拍となり、チーム全体を乗せていく。


「これが……私たちの戦い方っ!」


 観客席がどよめく。

「なにあれ! 動きがシンクロしてる!」

「全員でリズム作ってるの!? 映像演出か!?」


 ステージの光が明滅する。

 《ナイトミラージュ》の完璧な動きが、わずかに乱れた。

 リズムを乱され、AIが一瞬判断を誤る。


「今だ――勇太っ!」

「おうっ!」


 勇太が剣を振り抜き、葵が盾で相手を弾き飛ばす。

 その隙を突いて、舞が回転蹴りを放つ。


「リズム・ブレイク・コンボォォッ!!」


 炸裂する光。

 爆発的な一撃が敵チームを吹き飛ばした。


 ――勝負あり。


 審判AIが勝利を告げると、会場が歓声で揺れた。


「勝った……!?」

「ひまわり団、初戦突破です!!!」


 舞は仲間と顔を見合わせ、息を弾ませた。

「ふぅ……やっぱりリズムって、最強だね」

 葵が笑う。「うん! チートじゃなくて、うちらの“ノリ”の勝利!」


 その頃、観客席の片隅。

 黒川レンジが腕を組み、静かに笑っていた。

「やっぱり、楽しそうだな……お前は」


 光と音が交錯するステージの中央、舞は両手を広げる。

 “踊る格闘家”――その名は、今、世界に刻まれようとしていた。

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