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カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


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30/40

第30話「大会への招待」

放課後の部室。

 机の上に置かれたタブレットを囲んで、《ひまわり団》のメンバーが集まっていた。


「えっ……これ、ほんとに?」

 舞が半開きの口で画面を見つめる。

 そこには《Battle Festival 2026 本戦招待のお知らせ》と大きく表示されていた。


「ほんとほんと!」

 葵が満面の笑みで机をバンと叩く。

「深淵の回廊、完全攻略ギルドとして《ひまわり団》がシード枠入り! やったね!」


「えっ……でも、バトル・フェスって確か……」

「うん! 今度は“公開ステージ制”なんだって!」

「こ、公開ステージ!?」

 舞の顔が一気に赤くなる。


 千尋がにやっと笑った。

「つまり、舞のカポエラがリアルで見られるわけですよ。観客の前で、モーションキャプチャ中継入りで♡」

「ちょ、ちょっと待って!? つまり私の動き、生放送されるの!?」

「される~! てかそれが目玉コンテンツらしいよ!」


「ひ、ひぃぃ……無理無理無理! 恥ずかしすぎる!」

「いいじゃん!」葵が明るく笑う。

「舞の動き、かっこいいもん! あのジンガとか、ステップとか、観客に見せる価値あるって!」


「……映えるね、確かに」

 沙羅が無表情のまま、静かに頷く。

「“リズムで戦う格闘家”なんて他にいない。注目されて当然」


「だよね~!」と千尋。

「てかネットじゃもう“リズム女神”タグ伸びてるよw」

「やめてぇぇぇぇ!!!」


 舞が頭を抱えて机に突っ伏す。

 しかしその姿を見て、勇太が腕を組みながら真剣に言った。

「でもさ、舞。次の大会は本気のトップ勢ばっかだ。今までみたいに“楽しいだけ”じゃ通じねぇかもな」


「……うん。わかってる」

 顔を上げた舞の瞳は、まっすぐだった。

「でも、私の戦い方は変えない。楽しむことが、私の強さだから」


 その言葉に、葵が微笑む。

「うん、舞らしい。私たちも全力で守るから、思いっきり踊って!」

「おう!」勇太が拳を突き上げる。

「《ひまわり団》、全員で勝つぞ!」

「「おーっ!!!」」


 盛り上がる部室の中で、舞のスマホが震えた。

 画面にはレンジからのメッセージ。


『大会、出るんだろ。次こそ決着をつけよう』


 その短い文を見た瞬間、舞の胸に熱が走った。

「……ふふっ、やっぱりそう来るか」


「レンジくん?」葵が覗き込む。

「うん。“決着つけよう”って」

「舞、顔に出てる。完全にやる気モード」

「だって……負けたくないんだもん!」


 舞は立ち上がり、軽くステップを踏んだ。

 体育館の木床の感覚を思い出すように――

 リズムを刻み、息を整える。


「見せてやるよ。私の“リズム”を」


 夕陽が差し込む窓の向こうで、街の灯りが瞬き始めていた。

 その光が、まるで次のステージのスポットライトのように、舞を照らしていた。


 ――風間舞、再びステージへ。

 観客の前で踊り、戦う。

 “リズム・ブレイカー”の新しい幕が、今、上がる。

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