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カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


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第20話「準決勝戦と新たな目標」

 ――大歓声の中で、舞はまだ胸の鼓動が収まらないのを感じていた。

 レンジに負けた。でも、悔しさよりも楽しさが勝っていた。

 会場の熱気も冷めやらぬまま、アナウンスが響く。


『続いて、ギルドバトル準決勝! 《ひまわり団》対《黒鉄の牙》!』


「うわ……マジかよ。ベスト4で当たるの、トップランカーギルドじゃん!」

 千尋が目を丸くして叫ぶ。

「ランカーって、ランキング上位の……?」勇太がごくりと唾を飲む。

「うん。黒鉄の牙は“防御と連携の鬼”って呼ばれてる。下馬評では優勝候補」葵が説明する。

「でも、ここまで来たんだ。胸を張ろうよ!」舞は笑った。疲れているはずなのに、不思議と心が軽かった。



 アリーナに転送されると、観客席からどよめきが上がった。

「おい、あれが《ひまわり団》か!」

「無名ギルドなのに、準決勝まで来たんだぞ」

「特にあの格闘の子……チートって噂だろ?」


 視線が一斉に舞へ集まる。頬が熱くなる。

「ち、チートじゃないからぁ!」小声で抗議すると、仲間たちが笑った。

「ほら、舞。いっつもそう言うから逆に目立つんだよ」千尋が肩をすくめる。

「……でも映えるね、舞」沙羅がぽつりと呟く。

「そ、そんなこと言われても!」舞は両手をぶんぶん振って赤面する。



 開始の合図と同時に、黒鉄の牙が一斉に前進してきた。

 重厚な鎧の戦士二人が最前線を固め、後方には魔術師と弓使い。完璧な布陣だった。

「行くよ!」葵が盾を構え、勇敢に突っ込む。

「うおおおっ!」勇太が剣を振るって続く。

 舞もリズムを刻み、低いステップからバク転で一気に前線へ。

 だが、黒鉄の戦士の壁は厚い。舞の蹴りは防がれ、勇太の剣も弾かれる。


「やっぱり硬いな……!」勇太が歯ぎしりする。

「ちょっとやそっとじゃ崩れないよ」葵も押し返されながら声を張る。


 後方から火球が飛び、千尋の防御魔法でかろうじて相殺される。

「くっ……数値だけじゃなく、立ち回りもうますぎ!」千尋が焦る。

「冷静に、相手の連携を崩そう」沙羅が矢を放ち、敵魔術師を牽制する。



 舞は息を整えた。

(勝てるかどうかはわからない……でも、踊るように戦えばきっと!)


 逆立ちから回転蹴りを連続で叩き込み、壁役の一人をよろめかせる。

 すかさず勇太が斬り込み、葵が盾で体を押し出した。

「よし、崩せる!」舞が叫んだ瞬間――後方から矢と火球が飛び込み、流れを断ち切られた。


「っ、惜しい!」舞は悔しげに息を吐く。

 黒鉄の連携は完璧で、穴を作らせない。



 戦況は拮抗していたが、次第に差が広がっていった。

 舞たちの攻めは華やかだが、消耗が激しい。

 対して黒鉄の牙は鉄壁の防御で粘り、じわじわと体力を奪ってくる。


「これがランカーの戦いか……!」勇太が汗を滲ませる。

「でも、最後まで諦めない!」葵が声を張る。

「当たり前だよ!」舞は笑って、再び前へ踏み込んだ。


 最後の力を振り絞り、舞の回転蹴りが敵の盾を吹き飛ばす。

 観客席から大歓声が上がる。

 だが、直後に集中砲火を浴びて舞のHPが尽きた。

「ごめん……!」光となって消える寸前、仲間に声を残す。


 結局、黒鉄の牙が押し切り、《ひまわり団》は敗北した。



「……負けた、か」勇太が地面に膝をつく。

「でも……すごくいい試合だった!」葵が笑った。

「ベスト4だよ? 無名ギルドでここまで来たの、快挙だよ!」千尋が興奮気味に言う。

「……映えてた。最高に」沙羅の冷静な声に、舞の胸が熱くなる。


「……うん。まだまだ強くなれる!」舞は拳を握った。

「私、もっともっと楽しんで、強くなる!」


 観客席から「ひまわり団!」と声援が飛ぶ。

 舞たちは互いに顔を見合わせ、笑い合った。


 レンジとの再戦、そしてさらなる冒険を胸に――彼女たちの物語は、まだ始まったばかりだった。


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