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カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


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第13話「告知!VRバトルグランプリ開幕」


 翌日のログイン直後だった。

 ギルド拠点のログハウスに光の粒から姿を現した舞を、仲間たちが待ち構えていた。


「舞ちゃん! 速報きた! やっばいやっばい!」

 千尋が開口一番、スマホ画面を突きつけてくる。


「ひゃっ!? な、なにいきなり!」

「見てこれ! システムアナウンスだよ!」


 舞が覗き込むと、そこには煌びやかな告知文が表示されていた。


《VRバトルグランプリ202X 開催決定》

《世界中のプレイヤーが集う年に一度の大舞台》

《ソロ・チーム・ランダムミックスの3部門》


「……VRバトルグランプリ?」舞が目を丸くする。

「そ! VRバトル勢なら誰もが夢見る最高峰の大会!」千尋がテンション高く解説する。


「トップランカーの称号、現金賞金、限定装備……あらゆる報酬が手に入る」

 沙羅が補足する声は、いつも通り淡々としていた。


「賞金まで出るんだ!?」勇太が驚きで口を開ける。

「うん、しかも数百万クラス。プロ志望ゲーマーにとっちゃ人生変える大会だよ」葵が胸を張って説明した。


「え、えぇ……そんな大舞台に……」舞は思わず一歩下がる。



「これ、出るっきゃないでしょ!」

 千尋が両手を広げて宣言した。

「いやいやいや! 無理無理! 私なんかがそんな!」舞は全力で否定する。


「何言ってんの舞! あんたもう“カポエラ娘”でバズってるんだから!」葵がぐっと肩を抱き寄せる。

「や、やめてよその呼び方ぁ!」舞は必死に抵抗する。


「でもさ、舞がいればマジで優勝狙えるんじゃね?」勇太が拳を握る。

「そだね。再生数もすごいし、レンジとの因縁もあるし」千尋がにやりと笑った。


「……因縁?」舞の鼓動が一瞬早くなる。



 脳裏によみがえる、昨日届いた短いメッセージ。

――やはり君は伸びている。次は公式大会で会おう。


「レンジさん……」舞は小さく呟く。

 彼と戦ったあの緊張感。恐怖さえ凌駕する楽しさ。心が震えるあの感覚。


(また、あの人と戦えるかもしれない……)


 舞の胸の奥に小さな火が灯る。



「でも……」舞は唇を噛んだ。

「私、そんなトップランカーとか無理だし……。楽しみたいだけなのに、勝てなきゃいけない大会なんて……」


「勝たなくていいじゃん」葵が笑顔で言った。

「え……?」

「舞は舞らしく戦えばいい。楽しそうに踊って、みんなをびっくりさせればいい。ね! 舞はすごいんだから!」


 その真っ直ぐな瞳に、舞の肩からすっと力が抜けていく。


「……うん。私、戦いたい。レンジさんとも、もっと強い人たちとも。勝ちたいじゃなくて……楽しみたいから!」

 自然と笑顔がこぼれた。


「よっしゃあ! 出場決定ー!」勇太が拳を天井に突き上げる。

「はい、ただいま《ひまわり団》チーム戦エントリー完了しました!」葵がタブレットを操作して宣言した。

「それ動画化確定だわw」千尋がにやにやしながら言う。

「……映えるね、舞」沙羅の一言に、舞は顔を真っ赤にした。



 こうして――《ひまわり団》はVRバトルグランプリへの挑戦を決めた。

 全国の強豪たちが待ち構える舞台へ。

 舞の心は、不安と興奮で高鳴っていた。


(楽しもう。私の“踊り”を、全部ぶつけるんだ!)


 大会開幕の合図は、もうすぐそこまで迫っていた。


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