表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カポエラ ログイン  作者: やしゅまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/40

第10話「氷結の迷宮へ!」

 《ひまわり団》の面々は、町の広場で集まっていた。

「次はどこ行く?」勇太が剣を背負ったまま問いかける。

「せっかくなら、上級ダンジョンに挑みたいな!」葵が目を輝かせる。「氷結の迷宮っていうのがあるんだよ。氷と雪のギミックだらけで、攻略できれば一流プレイヤーって噂!」


「氷ダンジョン……動画的にも映えるな」千尋が即座に乗り気になる。

「危険度も高い。けど……挑む価値はある」沙羅が淡々と分析する。

 舞は少し不安そうに眉を寄せた。「氷って、すごい滑りそうだけど……」

「舞なら大丈夫だよ!」葵が笑って背中を押す。「むしろ得意かも!」


 こうして《ひまわり団》は、初めての上級ダンジョン《氷結の迷宮》へと挑むことを決めた。



 入り口の扉を開いた瞬間、冷気が押し寄せた。

「さっむっ!」勇太が身震いし、吐息が白く煙る。

 床は一面の氷、壁からは氷柱が垂れ下がり、奥には吹雪が渦巻いている。


「わわっ……!」次の瞬間、勇太が派手に転倒した。

「うわー! つるっ……ぎゃああっ!」剣を振り回して尻もちをつく。

「ちょっと勇太! 危ないって!」葵が慌てて制止する。


 舞は恐る恐る足を踏み出した。――タタン、タタン。

 ステップを刻むと、意外にも滑らかに体が動く。

 試しに回転すると、氷の上で軽やかにスピンしながら回し蹴りを繰り出せた。

「……いけるかも」舞は思わずつぶやく。

「ほらね! 舞なら氷の方が得意なんだって!」葵が自慢げに言った。



 だが敵は手強かった。氷狼、フロストゴーレム、小型の氷精霊――すべてが冷気をまとい、攻撃を弾き返す。

「硬すぎ! 剣が通らねぇ!」勇太が歯を食いしばる。

「うわっ……!」葵は盾でブレスを受けたが、全身を氷に覆われて動けなくなる。


 ゴーレムの拳が振り下ろされる――その瞬間、氷の影から矢が飛んだ。

「……油断しすぎ」沙羅が冷静に放った矢は、ゴーレムの腕を貫き動きを止めた。


「このままじゃじり貧だな……」千尋はインベントリを開き、巻物を取り出す。「よっしゃ、切り札発動! 《火属性スクロール》!」


 彼女が詠唱すると、炎の奔流が吹き荒れ、氷狼たちが一瞬で焼き崩れる。

「効いてる! やっぱ氷には炎だろ!」勇太が吠える。

「千尋ナイス!」葵も凍結から解放され、盾を構え直した。


 舞も氷の床を滑りながらステップを踏み、回転蹴りを繰り出す。

「やあっ!」氷の反動を利用して狼を蹴り飛ばす。

 観客はいないはずなのに、舞台で踊っているような感覚が胸に広がった。



 しかし、最奥へ進むほど冷気は強くなり、体力も削られていった。

「回復アイテム、残り少ない……」葵が渋い顔をする。

「このままじゃボスにたどり着く前に全滅だ」沙羅が静かに告げる。


「くっそ、せっかくここまで来たのに!」勇太が悔しそうに拳を握る。

「撤退も戦術だよ」葵はギルドマスターらしく言い切った。


 舞は深呼吸して仲間を見回す。

「うん、次はもっと準備してから挑もう。絶対に、今度こそクリアしよう!」


「リベンジ決定!」勇太が拳を突き上げる。

「二部構成、動画的にも美味しいわ」千尋がすでに編集を考えていた。

「……映える敗退、ってやつだね」沙羅が小さく笑った。


 氷結の迷宮を後にしながら、舞は胸の奥に熱い炎を感じていた。

(悔しい……でも楽しい。また挑戦したい)


 こうして《ひまわり団》は一度撤退。だがその瞳には、再挑戦の決意が燃えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ