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第三話 幼馴染の洛陽 落ち葉

 洛陽らくよう は漫画『邪龍の娘に生まれました〜似て非なる(以下略)』のヒロインである。


 ふんわりした茶髪とタレ目がちの大きなお目目が可愛らしく、小柄な体格なのに出るところは出たという反則ボディで一部の読者からよくない目を向けられている女の子だ。


 主人公・龍紋りゅうもん ファフナと洛陽落ち葉の出会いは入学式当日でのこと。

 落ち葉は、触手プレイ野郎こと蛇腹じゃばら 独葉巳どくばみに空き教室で弄ばれていたところをファフナに発見され救出されるのだ。

 性格は心優しくて、穏やかな癒し系。小柄な体格も相まってまさに小動物系。趣味は編み物。用いるスキルは植物の操作。助けられたこともあり、ファフナにはよく懐いていた。バトル要素のまぁまぁ強い作品内において、清涼剤の様な存在だった記憶がある。


 でも、どういうことだ?

 実際、今この世界において俺のよく知る洛陽 落ち葉は…


「おはようございまーす!どっくんいますかー!」


 これだ。快活極まりない元気っ子ボイスが右耳から左耳を快速急行。ちなみにどっくんとは何を隠そう俺のこと。幼馴染美少女からあだ名で呼ばれるなんて羨ましいだろ?

 …なぁ。そんなことよりさ。いま落ち葉ちゃんは何処にいると思う?玄関?いーや違うね。俺の部屋の前?そんな可愛いモンじゃない。正解は…、


「ノックノッーク!おーい!いるのはわかってるぞ!どっくーん!」


 俺の部屋の窓の外です。ながらく幼馴染してっけど訳わかんない。ある種のホラーでしょ。

 ここ2階でっせお嬢さん。自慢の植物操作スキル(名前失念)で屋根に飛び乗って動物園のやんちゃなモンキーが檻に張り付くみたいに窓枠にべったりだ。

 あー眩しい眩しい。窓の外が眩しいや。カーテン閉めよ。


「カーテン閉め太郎」

「おわー!どっくんのヘビ野郎ー!」


 誰がヘビ野郎だ。いやヘビ野郎だったわ。

 前世の記憶思い出すまでは全然疑問に思ってなかったけどさ、キミ原作と違わない?

 そんなんじゃ甘いよ。

 原作の落ち葉ちゃんは回復役だったよ?RPGの僧侶枠だったよ?今の落ち葉ちゃんどう頑張っても格闘家枠だよ。次点で女戦士。

 原作では蛇腹ドスケベヘビやろうのこともあってか、男性に対して苦手意識を持っていた。

 それが誰のせいかこんな破天荒元気っ子へと成長してしまった。よよよ…もどして…。

 いやこれはこれであり。戻さなくてもいいかも…。


「おいこらー!赤髪へび野郎ー!可愛い顔しやがってー!早く窓開けろー!」


 やっぱ戻して…。パニック物のゾンビみたいにどんどんと窓を激しく叩く落ち葉ちゃん。解釈違いどころじゃねぇな。原作勢憤怒だよこんなの。NTRよりひでぇや。こんなん見られたら俺殺されちゃうかも。

 というか落ち葉ちゃんと蛇腹おれって原作でも幼馴染だったの?

 それが事実なら、なおさら原作の蛇腹がやべー奴に見えてくる。

 何お前入学式で幼馴染相手にハッスルしてんの?俺、落ち葉ちゃんと3歳からの付き合いよ?もう仲良すぎて兄妹枠なんよ落ち葉ちゃんは。


 しかし、なんで落ち葉ちゃんの性格がここまで原作と乖離してるんだ?

 …まさか俺以外に転生者がいたりして。

 それで、原作崩壊させんと落ち葉ちゃんの人格形成に関わる幼少期にめちゃ関わったとか。…。いやそれ俺ですやん。


 前世思い出す前の俺ですやん。めっちゃ外に引き摺り回した記憶あるわ。

 デスカブトムシとかクソデカミンミンゼミとか一緒に採取してたわ。カマキリの卵一緒に家に持って帰ってばちくそに怒られてたわ。

 いや、いやいやいやいや!ま、まさかねー?

 多分、ロリ落ち葉ちゃんに関わった不審者おじとかいたんですよ。…許せねぇなおい。

 そんな奴いたらお兄ちゃん許さないですよ。24時間亀甲縛りの刑に処しちゃいますよ。ねぇ。


「どっくん!どっくん!そろそろ開けてくれないと流石にわたしも寂しいかもだよー!ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ!」


 いや大丈夫でしょ。落ち葉ちゃんウサギってより、ラーテルとかだもん。

 小6の時けんかして俺大敗してたもん。


「ねーぇー!今日いっしょに出かけるんでしょー?

 ずっと外で待ってるのやだよー!」


 出かける…?


 あっ!そういや前世思い出したせいですっかり忘れてたけど、今日って落ち葉ちゃんと戦闘訓練所に出かけるんだったか!

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