第二十六話 『じゃむうま』メインキャラ、続々(キャラ爆増え回)
「その特異な瞳と髪の色。ふぅん。貴方が首席合格をしたと噂の方ですの?」
「う、うん。そうだよ。よろしくね」
「ほほう。拙者、スズミ・スズミバードと申す。席の近いよしみ、どうか仲良くしてほしいにござる」
「うん、よろしくね」
「うっわぁ〜!かっわいい〜!どうぞよろしくね龍紋さん!あたし神乳山 ぷぷぷ!」
「おっぱいでっか(ありがとう。私こそよろしくね)」
「…えぇい貴様らっ!気安くファフナ様に話しかけるな!ファフナ様がお困りではないか!」
「ちょ、ちょっとヴロトレキ」
「…ふむ。忠犬従者の男装少女と学年首席の美少女が織りなす禁断の百合関係。…む、むむむむむ。きっ、来た!!!!!!」
「や、やっとこさ来ましたか先生!原稿間に合いそうですかーっ!?」
「うむ!この〆桐!天地開闢以来の天啓を得た!過去最高の作品が生まれる事間違いなし!
…アオくん!完徹の向こう側へ着いてきてくれるかね」
「行きましょう何処までも…!二徹でも三徹でも、アオは何処までも先生に着いて行きます…!」
「行こうアオくん…!あの果てしない漫画坂を…!」
だっ…!
なんか女の子が2人くらい教室から飛び出して行ったな。…い、いやそれよりも今はファフナちゃんに注目しよう。
どうやらファフナちゃん周りの席は『じゃむうま』の主要人物たちで固まっているみたいだ。
先程から随分と羨まし…ではなく随分とかしましい。しかし、ファフナちゃんてば緊張気味だな。よろしくねbotと化している。大勢の人に囲まれるのはあまり得意では無いのかもしれない。
確か本編通りなら、ファフナちゃんは今年に入るまでずっと田舎の山奥育ちのはずだ。人との交流もかなり少なかったと思う。
同年代の友人などヴロちゃんさんを除けばゼロと言っても過言では無い。なお、『じゃむうま』でそのことを指摘されたファフナちゃん本人は森の動物たちが友だちと言い張ってた。泣けるぜ…。
ヴロちゃんさんはと言うとファフナちゃんが周囲の子たちに囲まれるのを見るや否や、意気揚々とそちらへと飛び出して行ってしまった。現在は番犬モードに入っており、ファフナちゃんに近づく者皆に牙を向いている。実に楽しそうだ。
…あぁ、落ち葉ちゃんが会話の輪に入り損ねてる。たまにチラチラと助けを求める様にこちらを見てくる姿が実に心に来る。お労しやお労しや。叶う事なら俺も参戦したいものだが…
「下品で騒がしい奴らだぢょ。お前もそう思うぢょ?」
「ねぇキミ。キミもポメの騎士団に入りなよぉ」
「…もぉ〜。」
こっちはこっちで中々に濃いメンツに囲まれてるのだ。
俺の席を囲むようにして右から順番に、
美肉井 垂水
ホメロス・マケルカ=マッセ
ミノタウロスくん
どれもこれも前世で、ある意味で有名だったキャラクターたちだ。
ぽっちゃり系(精一杯のオブラート)中背男子の美肉井くんことミニーくんは、以前お伝えした通りのファフナちゃん被害者の会第一号。エッチな同人誌とかだとそういう役の出番が多かった。
ファフナちゃんと同じクラスだったとは初耳学。漫画だと完全に一般モブと化していたのか。ていうか、さっきからやけに俺に話しかけてくれるなぁ。どういった心境の変化なのだろう。
お次に女の子かと見紛う容姿をした小柄な子はホメロスくん。通称ポメくんはヴロちゃんさんの真逆の女装男子、いわゆる男の娘だ。その生意気なメスガキ的性格と可愛らしい容姿を非常に気に入ったニッチな性癖の皆さんに二次創作でよくわからされていた(比喩)。
そして、ミノタウロスくん(フルネーム)は上二人とは毛色が違う。えっち方面での人気とかではなく単純なネタ枠だ。
クラスがメインとなるお話だと100%背景で見切れてることから、今週はどこのコマで見切れてたかなど、実はこのコマの背景ぜんぶミノタウロスくんじゃねとかSNSでネタにされてるのをよく見かけたものだ。
しかし、それも仕方ないと思う。だってミノくん身長2メートル以上あるし、肩幅エグいし、水牛みたいなクソデカいツノの付いた鉄仮面被ってるし、なぜか上裸だし、全身モフモフで筋肉むっきむきだし。
「おい。おで様の話を聞いてるのかぢょ?」
「ねぇねぇキミってば。このポメが合格って言ってあげてんだよ?なんとか言ったらどうなのさ」
「もぉ〜。」
…あぁ、雄雄しているなぁ。いや、ポメくん可愛いけどさ。ミノくんもマスコット的な可愛さはある。え、ミニーくん?ノ、ノーコメントで…。や、痩せたらカッコいいよ多分!
いやはやしかし、イケメン男子って自然に女の子に囲まれるものじゃないのかしらん。ファフナちゃんとこにはあんなにもたくさん女の子が集まっていると言うのに…。くやちいくやちい。ね、ヘビくんたち。
「シャー」「ちい〜?」
「よぅ。随分とシけたツラしてんじゃねぇかよテメェという名の人生は。テメェの女と離れちまって傷心中か?」
むむ?この声とクセの強い口癖は…。
「あんだよ。三日四日で人様のツラぁ忘れたのか?」
「おぉ、バズ〜!」
誰かと思えば、ツンツン頭に悪い目つき、着崩した学生服とジャラジャラと沢山のネックレスを巻いたヤンキー風男子、バズこと爆世・マーダーだ。
俺を死ぬほどボッコボコの熱々にしてくれたバズじゃないか!向こうも相変わらず両腕コルセットで実に不便な生活を送ってそうだ。…あれ?なんかケガ増えてね?包帯、ガーゼ、湿布に絆創膏に覆われたその姿は俺以上のミイラ男状態だ。
「バズ事故った?」
「あぁ…?あ〜、車に轢かれながらヤバめのクスリぶっかけられてた」
「なるほどわからん。え、バズってばA組?」
「あぁ。テメェという名の人生と同じな。
後、コイツもな」
バズがそう言うと、彼の後ろにいた男の子が俺の前までやって来た。
色白で青い瞳と銀色の髪の毛、うすく笑みを浮かべた病弱そうな印象を与える彼は細い右手を差し出してニコリと微笑む。
「やぁ。爆世から聞いてるよ。蛇腹 独葉巳くん。
僕は苦渋ヶ島 瞳告。よろしくね」




