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俺は主人公の友人Aとして生きたいの!〜バトルファンタジー漫画の世界に転生した俺はTS転生した美少女主人公(中身おっさん)を狙っている訳ではない〜  作者: どかんどかん!ぱおんぱおん!
序章 前世思い出し出し祭り

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第十七話 爆発こそが人生だ

「はぁ……はぁ……」


 息も切れ切れに、地に伏した爆世はぜに近付く。もう、俺の体は限界だった。スキルの過剰な使用、全身に負った打撲に火傷、慣れない戦闘を経たこともあり、心も体も極限状態だ。


「…はぁ、おい。生きてるかー」

「………」


 …うん。爆世はぜの背中を軽く小突くが、ピクリともしない。どうやら完全に気を失っているみたいだ。

 ホッとしたと共に、張り詰めていた糸が切れたみたいに全身を虚脱感に襲われる。


「やばい…気絶しそう…」


 でもその前に念の為、腕だけでも縛っておきたいな…。目が覚めたらまた大暴れされても困るしな。

 俺は気合いで長ヘビくんを一体召喚する。出て来てくれたのは白黒のシマ模様の子だ。初めて見た。


「…ヘビくんいける?」

「のー」


 長ヘビくんに縄代わりになってもらおうと頼んだけど断られた。そうか。嫌か。まぁ、爆発するかもしんないしね。しょうがないね。………。


「なんか…今ヘビくん喋んなかった?」

「やー」


 気のせいか…。たまにテレビとかで見る、ウチのペット人の言葉喋れるんですよとか言うやつか。…ダメだ。アホなこと考えるのもシンドい。


「とりあえず…俺のシャツで縛るか」

「おー」


 シャツを脱ぐ過程で思ったが、革鎧もボロボロだ。弁償とかあるのだろうか。高く無いといいな。


「いてててて…よいっしょと」

「いぇー」


 爆世の腕を後手に縛った。それにしてもやけにお喋りなヘビくんだ。その元気さが今は羨ましい。


「………はぁ、うぐっ」

「むー!」


 爆世の腕を縛るために一度しゃがんだが、ダメだ。もう立てそうにない。俺は膝から崩れ落ちる様にしてその場に座る。

 視界には、俺を殺しに来たとそう言った男・爆世はぜが目に入った。


 爆世はぜ・マーダー


 この戦闘訓練所を襲撃したイカれポンチで、『じゃむうま』世界で超絶な権力を持つ御三家。その一つであるマーダー家の人間。

 漫画原作には俺の知る限りは登場しておらず、今回大暴れした目的はファフナちゃんといかがわしいことをしていた俺を消すため。

 まぁ、それは誤解なんだが…。


「ヴロトレキ!こっちから爆発音が聞こえた!……っジャミラ!!」

「待ってくださいファフナ様!……貴様、ミナダイスキー・ドッグ!」

「誰と誰だよ」


 ファフナちゃんとヴロちゃんさんだ。爆世はぜのスキルによる爆発音を聞き、駆けつけてくれたらしい。これで勝つる。もう勝ったわけだけど…。

 あれ…?ヴロちゃんさん誰か背中に背負って…あっ。


「どっくん!どっくんどっくんどっくんどっくん!!!」

「おわわっ!?下ろしてやるから暴れるなニンゲン!!」


 心臓の音かな?ヘビくん別働隊に任せていた落ち葉ちゃんだが、どうやら運良くファフナちゃんたちと出会ったらしい。

 ヴロちゃんさんから飛び降りた落ち葉ちゃんが、俺を胸に抱きしめて、あっ柔らかい。いや、柔らかみよりも痛みが強い。柔らかみの負けーっ!


「バカっ!バカバカバカバカ!!そんな大怪我して!」

「痛い痛い落ち葉ちゃん。でも、良かったぁ」

「びゃー」


 ヘビくんも喜んでいます。


「っジャミラ…!アンタひどいケガしてるじゃない!早く病院に…っ!!!」


 瞬きをした次の瞬間には、ファフナちゃんが俺のすぐ目と鼻の先に立っていた。

 ゔぅん…と風を切る音が聞こえ、目の前を彼女の太ももが掠めて、


「え」


 彼女の足の向こう側、そこには爆世はぜ・マーダーが俺の顔目掛けて腕を伸ばしていた。

 どうやって、と思ったが、左腕の関節を外したらしい。恐るべき執念だ。その手、その指は俺の目に触れ


「おぉらあっ!!!」

「ぎっ」


 るコンマ1秒前。ファフナちゃんによって大きく蹴り上げられた。ミシミシと彼の肘が悲鳴を上げる。

 恐るべきはファフナちゃんの膂力。流石は龍と英雄の子だ。腕を蹴り上げられたにも関わらず、爆世の全身が僅かに宙に浮き上がった。とんでもない威力の蹴りだ。爆世の腕が明らかに曲がってはいけない方向に大きく弓を描いている。


「おおぉがぁぁっ!!?腕ぇぇがぁぁぁっ!!!」

「テメェっ!!!なんでこんなことっ!一体何がしたいんだよ!」


 ファフナちゃんが怒号を上げた。男口調を隠していない。興奮しているのだろう。


「…っぐぅあぁぁ!!!…初めにっ!言っただろうがっ!!

 死んでもらうんだよ!コイツと言う名の人生に!!」

「だからなんでっ!!!」


 爆世が立ち上がる。俺が喰らわせたアゴへの一撃は、未だダメージが残っているようでその足はフラフラだ。

 ファフナちゃんが迎撃の準備を取った。きっと彼女がその気になれば、今の爆世なら一撃でおわりだろう。

 爆世はぜも、おそらくそれは分かっている。だが、アイツの目は死んでいなかった。彼のその目はどこかキラキラと輝きを得ていた。それは何かを期待しているようでありながら、むしろ全てに絶望し涙を堪えている様でもいて…


「期待してるんだよ女ァ!!テメェと言う…龍紋りゅうもん ファフナと言う名の人生にっ!!

 …いいかぁ!!爆発こそが人生だ!無感動な人生は無価値ゴミクソだ!!フツーが1番だとか言いながら、息をするだけの人生に甘んじる奴らは無価値ゴミクソだっ!!!!

 龍紋 ファフナ!テメェは希望だ!爆弾だ!!爆発しろっ!!!爆発しろっ!!!!オレをっ!火も点かねぇゴミクソ共を巻き込んでっ!!!爆発しろ爆発して爆発し続けろっ!!!

 オレと言う名の人生をっ!!!!世の中のクソくだらねぇ輩共の人生をっっ!!

 巻き込む様に爆発して爆発して爆発して…!!!!!!っだから…!!!!」


 ストンと落ちた。支離滅裂な彼の言葉が、不思議とストンと胸に落ちた。


「落ち葉ちゃん」

「ど、どっくん。ダメだよ動いちゃ…」

「ごめん。肩貸してくれる?」

「みー!」


 爆世がまともに伸ばすことも出来なくなった腕で、俺の方を指差した。


「良いわけが無ぇ!許されるハズが無ぇ…!」


「どこの誰でもねぇっ!!テメェみたいな人生がっ!!!」


「この爆弾おんなを誑かしていいわけねぇだろぉがぁっっっ!!!!!!」

「おいっ!!!爆世はぜ・マーダー!!!」


 俺は叫ぶ。名前を呼んだ。目の前の青年、爆世はぜ・マーダーの声を掻き消す様に、ちゃんとアイツに届く様に。

 出来る限りの大きな声で大きく叫んだ。全身を酷使した上に喉までも酷使する。俺の心が王様だとしたら、民である身体たちはきっと俺を暴君と罵るだろう。

 でも、それでいい。これでいい。アイツよりもずっと、分かりやすく、どうかきっとこの言葉がキミに優しく通りますように。

 

「お前、俺の友達になれ」

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