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ドルナウの街の再興に向けて 生活支援しますよ

 いやぁ、頼りになる人が増える事はいい事です。


 今回の店主会のメンバーにはそれぞれ案内人が付きましてね。まずは紅一点イエニタさん。なんとターミナル経由で王都に仕入れに行っていたカルナさん(木陰の宿の女将さんですよ)が、ターミナルモニターで店主会の事を知り感激。そしていつの間にかイエニタさんと親しく会話しているじゃないですか。同じ宿屋を経営している事もあり、木陰の宿も案内がてらホテルも案内すると言って連れて行ってくれたんですよ。


 そしてターミナルで商売をしていたヴァルトさん達屋台組が肉屋のバドックさんを連れてターミナル内とセクトの街へご案内すると行ってワイワイと連れて行って下さいました。


 同じく仕入れに王都に行っていたゼンさん(木陰の宿のご主人ですよ)が、食堂を経営しているゲイルさんとこちらも仲良く話し、肩を組んでホテルのキイとティモを紹介すると言って連れて行って下さいました。絶対料理談義で盛り上がって夜更かししそうですけど。


 そして鍛冶屋のグオルクさんはレンタカーショップ帰りの「テラ」のボルクさんが、「酒に詳しいジェイクとガレムに紹介したい」と言って連れて行ってしまいました。ああ、グオルクさんは僕が案内したかった……けどまぁみんなと仲良くなって下されば嬉しいですしね。


 ドルナウのギルドメンバーは、セクト両ギルドと王都ギルドメンバー合同で一緒に動き出しちゃいましたし。まあ、情報交換に丁度いいでしょうしね。それぞれに携帯持っている人がついたので、必要があれば連絡取り合う事になりまして、このままここで解散になったんです。


 僕といえば、店主会の皆さんとアインさん、ジードさん、レイノルさんに、入館手続きに加えてエグゼクティブクラスに宿泊出来る様エアを通して手続きしたくらいです。……でも、なんでしょうねぇ、楽なのに手持ち無沙汰感は。


 「何を寂しがっているんです?ほらやる事をやって下さい」


 そう、みんなの代わりに僕の隣にいるのはシュバルツ様。ええ、そうです。僕はちゃんと勉強する男です。まぁ、たまに忘れますけど、今回はちゃんと連絡を入れたんですよ。そしたら「今から行きますので、待っていて下さい」と言うじゃないですか!「いやいや、お忙しいシュバルツ様の時間を割いて頂く事はないかと」と遠慮した僕に「勘違いしていらっしゃる様ですが、私はグランデホテルの総合管理職員ですよ。宰相は臨時ですからね」とシュバルツ様。……大概は逆ですよねぇ。「オーナー?」はい!すぐに!と言う事で僕がやりたい事はこちら!


 【名称】亜空間通路ターミナル

 【バージョンアップ】0/1,000,000(魔石)

          (第三亜空間通路ターミナル)

 【限定オプション店】クリニック・薬局

  グランデターミナルレンタカーショップ(亜空間外走行可)

     総合インフォメーションセンター 

  ターミナル簡易宿所 MP100,000 NEW!←コチラ

   宅配センター(亜空間外出荷可能)MP120,000

  《グランデAIR(グランデ空港)MP 250,000》

  *第三亜空間通路ターミナル設置後開放。

 【空調設備】常時  ON/(OFF) 一日消費MP500

 【通路内清掃】朝、晩 ON/(OFF) 一日消費MP3,000

 【清浄化機能】常時 ON/(OFF)一日消費MP600

 【防臭防音機能】各通路、施設 ON/(OFF)一日消費MP300


 増えていたんですよ!コレ。でも簡易宿所ってなんだろうって思いましてね。エアに聞いてみました。


 「簡易宿所は宿泊営業施設のうち、宿泊場所を多数人で共用する設備構造のものをいいます。客室を個室と多数人室(相部屋)の床面積を比較して、個室の床面積の方が多ければ旅館・ホテル、多数人室の方が多ければ簡易宿所になります」


だそうですよ?わかりました?うん、まずは出してみるほうがいいですねぇ。


 「エア、ターミナル簡易宿所を2棟設置をお願いします」

 「畏まりました。MP200,000消費致しましてターミナル簡易宿所を2棟設置致します」


 さあ、光りますよ。って大変です!ターミナル内まだ沢山の人が居ました!混乱させてしまいます!とあわあわしている僕に、「この人は……」と頭を抱えるシュバルツ様。


 「設置完了しました」とエアから報告があったのにも関わらず、光りませんでしたよ?僕が疑問に思っていると「オーナー、何やら総合インフォメーションの方から呼ばれていますよ」とシュバルツ様が僕に教えてくださいます。お?なんでしょう?


 「ちょっと!ちょっとオーナー!いきなり情報アップデートされたのよ!」とラン。「会議室へ向かう通路が広くなったと思ったら簡易宿泊所に向かう通路増えたじゃない!」とソーナ。「今丁度会議室の利用なかったから良かったけど、驚くでしょう!」とメイル。「また私達の仕事増えたじゃない!」とフォーナ。「あら、でもこれってドルナウのカディル人の支援対策でしょう?」とわかってくれるシオン。「「「「わかっているわよ!」」」」と四人同時に声を合わせます。おお……女3人以上集まればなんとやらですね。


 インフォメーション受付台にある固定タブレットがピカピカ光って僕に話しかけているものですからやっぱり注目を浴びている僕達。そこに大型モニターにファイのニュース速報が入ります。


 『グランデターミナル速報です。只今新たな施設がターミナル内に設置されました。こちらはドルナウ支援の為の施設ですが、いずれはターミナルご利用の方々にも宿泊出来る施設となっております。では現場のグランさんに繋ぎましょう。グランさん?』

 『はい、こちらはグランでございます。なかなか出番が少なくなったので、こちらからは私がご紹介致します。まずは玄関扉を開けますと、広めの通路を挟んで左側に個室が四部屋、右側に男女別トイレに個室が二部屋ございます』


 なんと!モニターでグランが紹介している簡易宿所の映像が流れるじゃないですか!ん?でも床はタイル調の絨毯カーペットに白い壁で清潔な感じですね。個室扉も木の温かさが伝わりシンプルな作りでいいじゃないですか。と思っていると、グランの案内は個室の中へ。


 『簡易宿所はとてもシンプルな造りとなっております。個室には一人用ベッドが二台、マットレス布団付きでございます。そして二人用クロークに照明のみ。個室は全て造りは同じでございます』


 おお、シンプルとはいえベッドも布団も綺麗ですし、柔らかそうです。照明はシーリングライトですねぇ。クロークも二人分結構ゆったり入りそうです。


 『トイレは男女別になっており、洗面所も兼ねております。一度に女性は6人、男性は個室に3人、他3人入る事が出来る様になっております』


 グランは次にトイレの紹介に移ります。うん、綺麗なオフホワイトのタイル壁に、床も掃除しやすい明るいブラウンタイルですしいいですねぇ。うんうん頷いていると、「ウチより綺麗だな」「これ結構羨ましいなぁ」と言う声も聞こえてきます。まあ、綺麗でもプライベートがないですからね、と思う僕。


 『では、最後に通路の突き当たりの扉を開けてみましょう。こちらは共用のリビングダイニングとなっております。12人同時に食事が出来るテーブルと椅子に、対面式のキッチンとなっております。広めの作業台と流し、魔導電子レンジに、魔導冷蔵庫、照明がすでに付いております』


 おお!けっこう広いし、使いやすそうなキッチンです。キッチン小物も道具、鍋、フライパンも揃っていますねぇ。後は食材さえあればいい感じです。あ、そういえば食材購入費ってどうしましょう?これはギルド側に任せればいいでしょうね。


 『こちらでは以上となります。ですがこの滞在型施設では、お客様が全てをやって頂く事が前提として作られております。そして掃除用具も揃えておりますので、綺麗にお使い頂く事をお願いしております。またこうした規則を守れない方は強制退去させていただきますので、ご了承下さいませ。現場からは以上でございます』

 

 執事姿のグランが礼をして案内を終えると、周りからわあっと声がしてきます。おや、グランも人気があるんですねぇ。すると画面がファイに切り替わります。


 『グランさんありがとうございました。そして次は人気コーナーキイさんのお得情報です。スタジオのキイさん?』

 『はーい!皆さん今日もお得情報お届けしますよ!これは凄い!本日はスパリゾート癒からお三方がいらっしゃいました!フティさん、琴さん、ティティさんどうぞ〜』


 ファイのニュース画面から一変し、明るいポップなスタジオにエルフのキイがいるじゃないですか!……なんとも自由ですねぇ、ウチのAIって。そう思っていると画面には3人が登場してきます。「おや、琴さんですよ。オーナー」とシュバルツ様がにっこり笑って僕に伝えてきます。……誰でしょうね?シュバルツ様にまで伝えた人は!全く!


 『はーいようこそ!フティさん、琴さん、ティティさん!今日はまずは琴さんからでしたね』

 『皆様、こんにちは。琴でございます。本日からドルナウ支援キャンペーンの一環と致しまして、癒温泉のみどなた様でも無料とさせて頂きます。因みに後はオーナーの許可があればいいのですが、宜しいですか?オーナー?』


 まさかのモニターから直接お願いされるとは……しかもみんなの視線が僕に集まっています。ひええ!なんです、なんです!?


 『さあ!皆さん!ご一緒にオーナーにお願い致しましょう!せーの!オーナー!オーナー!オーナー!』


 キイがモニターの中からみんなを乗せるじゃないですか!おかげで僕を取り囲んでターミナルはオーナーコールです。因みにシュバルツ様、何気に避難されてます。なんて素早い……じゃなくて!


 「はーい!わかりましたよ!どんどんやって下さい!」


 モニターに向かって叫ぶ僕。もはや言わされたも同然ですけどね。すると、周りからオオオオオ!!と喜びの叫び声が上がります。うお!なんとこんな人いましたっけ?と言うくらいの声量です。それを聞いてモニターでは、にっこりする琴にフティとティティまで喜んでいます。はて?


 『さっすがキイさん!琴さん!みなさーん!オーナーの許可が出ましたよ!1階ラフティングもまた半額キャンペーン実施します!是非まだ体験していらっしゃらない方来て下さいねー!』とフティ。


 『はい、言質頂きましたわ。エステティックサロン・乙女と漢でも半額キャンペーン実施致します。是非綺麗にまた格好良くなった姿を家族や恋人にお見せしませんか?』とティティ。


 『癒温泉はいつでもご利用お待ちしております。無料期間はドルナウの街の復興まで続きますので、お気軽にご利用下さいませ』と琴。


 「やったー!琴ちゃーんありがとう!」「きゃー!ティティさん!仕事終わったらすぐ行くわ!」「フティちゃん!明日絶対行くからね!」「ちょっと!どいてすぐ行って来るわ!」とターミナルのみんなが喜びの声を上げる中、「オーナーありがとう!」「助かるわ!」「さっすがオーナー!」ともみくちゃにされる僕。


 痛いですって!はいはい、わかりました!うんうん、綺麗になって下さいね。え?今からフティのところへ?夜間ラフティングもある?うわぁ恐ろしい……


 こんな様子を外から見ていたシュバルツ様の側に、いつの間にかギルド側メンバーが勢揃いしていたそうです。


 「シュバルツ様。不思議な方ですね、あの方は。あんなにも力があるのに、驕らず私達と同じ目線になって下さいます」

 「ふふっ、レイノルさん。そこがあの方の良さですよ。基本的にお人好しですから、地位や権力に興味ないですし、まだあれで一般人だと言い張るのですからね」

 「そうそう!なーにを言ってんだかねぇ、トシヤ君は。ってなんで胴上げされてんの?」

 「サム、他の皆さんはどうしたんだい?」

 「え?ほらあそこで一緒に盛り上がっているでしょう?」


 そう、サムさんが指差す先にはターミナルのみんなと共に、アインさん、ジードさんも加わって僕を胴上げしています。他のギルドメンバーは見守っていたらしいですよ。


 みんなの笑顔と笑い声、これが明日への活力に繋がりますし、僕はこんな雰囲気が一番のご褒美です。嬉しいですよねぇ。


 ………ですが!もう下ろして下さーい!うわああ!

アクセスありがとうございます♪今回はAI劇場です。書いていて、いるなぁと作者本人も思いますが、これでまだ全員?じゃないんですよねぇ。さて誰がいないでしょう?当てられた貴方にはオリジナルプレゼントが!あったら良いなぁ……

さて明日もまた頑張りますよ〜!明日はちょっと真面目な話でしょうか。宜しければまたアクセスしてみて下さい(*´꒳`*)

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