表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特殊ギフト「亜空間ホテル」で異世界をのんびり探索しよう《本編完結済/書籍化》  作者: 風と空
王都編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/153

スパリゾート設置しました 其の四

 「そう……私がいない間そんな事があったのねぇ」


 ティアさんが僕の正面に座り、腕を組んで何やら考えていますねぇ。現在、温泉から上がって、温泉施設のオープンラウンジにますよ。なぜか皆さん僕を取り囲んで、僕はティアさんから取り調べを受けています。


 「火龍温泉が光ったという話を聞いて行ってみたら、トシヤさんがいるじゃないですか。これは……!って思ったら予想通りでした」


 こう語るのはネイサンギルド長。いや、僕がいて納得するのもどうかと思いますよ。「ああ、こういう方なんですねぇ」とラキさん。「成る程。これは目が離せませんね」とスーさん。なんです?僕が問題起こしているかの様に言っていますが、僕も予想外ですよ?


 「ふむ、これはまた興味深い事になりましたね。そもそも、シュバルツ様には連絡したんですか?」


 ヤンさんが怖い事を思い出させて下さいます。うっ……忘れてたって言ったらまた氷のシュバルツが出てきますね……ああ!怖すぎる!


 「……はぁ。そんな事だろうと思って連絡しておいたわよ。今ライル王様の補佐で王宮にいるって言っていたけど、スパリゾートの設置の話をしたら、「わかりました」って言っていたから来るんじゃないかしら?」


 ティアさん!ナイスフォロー!……まぁ何かしら言われるでしょうけどね。青くなったり喜んだりする僕の横で、スレインさんが不安になる事をティアさんに確認します。


 「で、コイツの従魔契約の事も話したのか?」

 「それは今聞いたのよ。ま、自分から話しなさいね、トシヤちゃん」


 これは仕方ない事ですからね。大丈夫ですよ、僕が自分で話します。それよりも……


 「ティアさん、なんか肌艶がいいですねぇ。3階はどうでした?」

 「よくぞ聞いてくれたわ!トシヤちゃん!もう、最っ高だったわぁ!」


 僕が何気なく聞いた事がきっかけで、ティアさんが話すこと話すこと。スレインさんが「あ、馬鹿。スイッチ入れやがった」ってボソッと言ってましたが、まあティアさんの語りは熱かったですねぇ。まずは……


 「その階にはテティがいたわよ」というティアさんによると、エレベーターを降りてから受付カウンターとモニターがあって、エスティシャンの格好をした綺麗な女性のテティが映っていたそうです。

 

 勿論、受付カウンターには固定タブレットがあって、そこで個人の希望を入力していくそうです。わからない事があればモニター内にいるテティがカウンセリングしてくれるそうですよ。

 

 「ティアさんは何をしてきたんですか」?と僕が聞くと……

 「私は勿論全身脱毛とフェイシャルを選択してきたわ!」と立ってサイドチェストポーズをとるティアさん。あ、サイドチェストポーズは、横向きになって腰の位置辺りで両手を組み胸の筋肉を強調する姿勢ですよ。3階から戻って来たらランニングシャツに短パンという姿になっていたものですから、鍛えられた筋肉が良く見えるんです。スレインさんは「やめれ」と顔を青くしてますけど。


 「ふむ、見事な脱毛処理ですね。肌艶は温泉でパックしてきた私と同じくらいですか」


 みんなが顔を青くする中、ヤンさんはじっくり見て関心しています。調子に乗ったティアさんは、マッチョポーズ(定番ですね)やアドミナブル・アンド・サイ(頭の後ろで両手を組み、腹筋や脚を強調するポーズですよ)、ダブルバイセップス・バック(両腕を肩の位置まで上げて背中の筋肉や肩や上腕の大きさを見せるポーズですbyエア情報)のポーズをとりながら説明してくれます。


 全身脱毛は診療台の様なベッドに横たわると、泡で髪以外を包み込み脱毛が終わると、泡と共に毛が消えるというウチの独自の魔導具らしいですよ。あ、大事な部分はちゃんと残してくれるそうです。親切処理ですね。


 その後は癒温泉から提供された源泉に泥パック、カプセルの様な魔導具に入ってマッサージ、希望するとタンニングマシン(日焼けマシン)で肌を希望の濃さに出来るそうですよ。成る程、通りでいい色に仕上がっているんですねぇ。最後はオイルマッサージまでつけてくれるので、ツヤツヤ筋肉ティアさんの出来上がりです。


 「こんな施設を待っていたのよぉ!思わずメンバーズカード作ったわよ!」とティアさんが見せてくれたのは〈グランデエステティックサロン・(おとこ)〉と記されたカード。……こう言っちゃなんですけど、ネーミングセンスで僕の能力なんだなぁと実感します。


 それを受け取り「ほう!これは是非行って見たいですねぇ!」と乗り気なのはヤンさん唯一人。他のメンバーは「おいおい」「はぁ」「へぇ」「まぁ、一度は行ってみてもいいですね」と、何ともいえない反応です。ん?ネイサンギルド長は興味あるんですねぇ。是非行ってみてください。そんなやり取りをしていると、ジリリリリリンジリリリリン……遂に携帯鳴りましたねぇ。


 「お!お呼びだぞ、トシヤ!」


 ニヤニヤしながらスレインさんが僕に携帯を取る様に促します。来ましたね、シュバルツ様。


 「はい。トシヤです」

 『オーナー、シュバルツです。話したい事がありますので、ターミナルの会議室まで来て頂けますか?』


 意外にもいつも通りのシュバルツ様です。少し安心した僕は了承し、すぐにターミナルに向かう事を伝えます。まだシャラさんが温泉から出てきていないので、ここでネイサンギルド長達と別れます。


 僕はスレインさんとランニングシャツに短パン姿のままのティアさんを連れて、今度はターミナルに向かう通路からターミナル会議室へ向かいます。……が、視線感じますねぇ。どうやらティアさんの姿と肌艶にターミナルにいる職員さんの視線が集まっています。


 「うふふ、みんな私の魅力に気づいたわねぇ」

 「……今だけは俺、護衛代わりたい……」


 胸を張って歩くティアさんとちょっと離れて歩くスレインさん。まあ元々有名な二人ですからね。僕は気にしませんよ。だってみんな見てるの僕じゃないですし。


 そんな感じで歩いてターミナルにつくと、総合インフォメーションセンターの横に出て来ました。スパリゾートへのターミナル連絡通路はここに繋がっていたんですねぇ。


 丁度空いていた「ラン」がそんな僕らを見つけて、エグゼクティブクラスでシュバルツ様が待っている事を伝えてくれます。『今日も麗しかったわぁ』という感想付きで。僕の話聞いた後でもそのままならいいですけどね。


 エグゼクティブクラスの通路を歩いていると、扉の前にはあれ?見覚えのある兵士さんがいます。「あれ?国王付きの護衛じゃね?」とスレインさん。スレインさんは兵士さんの服装を見て判断したみたいです。ティアさんは「あら、久しぶりねぇ」と言っていますが、兵士さん達にちょっと引かれてます。うん、気持ちはわかりますよ。


 では、ライル様もいるんでしょうね。そう考えながら扉をノックすると「どうぞ」というシュバルツ様の返答があります。挨拶をして僕だけ中に入ると、あ、やっぱりライル様もいました。


 これは話し易いと思って席に着くと、コーヒーが出てきます。お、流石、僕の能力です。僕の好きな物が出て来ますねぇ。


 「さて、呑気なオーナー。私に話す事がおありじゃありませんか?」


 僕がコーヒーを飲もうとしていると、目の前で既に氷のシュバルツが降臨しているじゃないですか!これはいけません!慌ててスパリゾートの設置とエンファドの件を伝えます。すると氷のシュバルツが解けて、何とも珍しい片手で頭を抱えるシュバルツ様の姿があるじゃないですか。


 「ハハっ!流石のシュバルツもこれは予想外だな」

 「笑いごとじゃありませんよ、ライル。オーナーはどうやらわかっておられない様子なんですから」


 困り顔のシュバルツ様の様子に笑い出すライル様。いやあ、僕も予想外です。これはこのままやり過ごせるか、と期待したんですけど……


 「はぁ、まさかエンシェントファイアードラゴンを従魔にできる人間がいるとは……

 いいですか、オーナー。これで余計に貴方の立場が重要になって来たんです。貴方に何かあればエンシェントファイアードラゴンが動くのですよ。もっと危機感を持って動くべきです。それに……」


 とまぁ、延々と30分は聞きましたかねぇ……未だに話し続けるシュバルツ様にぐったりしている僕。その様子を静観していたライル様。時計を見て、笑いながら提案をして下さいます。


 「シュバルツ、気持ちはわかるがそろそろ時間だ。本題に入ろう」

 

 ありがとうございます!ライル様!シュバルツ様、時間ないそうですよ!と喜ぶ僕の様子にため息一つ吐いて「仕方ないですね」と言うシュバルツ様。助かりました!とライル様を見ると真面目な顔で僕を見ています。おや?どうしました?


 「トシヤ君、現在ドルナウの街の現状を話したと思うが、現在セクトのギルドや近隣の街のおかげである程度は復興が進みつつあるんだ」


 おお!流石サムさん達ですねぇ。でも困った表情は何でです?


 「カディル人の事は聞いているかい?」とライル様。


 ええ、確か以前奴隷だった人達ですよね?


 「オーナー、今復興作業しているのはカディル人の多く住む街なんです。ドルナウは王都を抜かせばいち早く奴隷制排除を受け入れた街なので、人口の約半分はカディル人です。でも、近隣の街や王都でも未だ偏見が取れない人達も多くいます」

 「どうやら作業員の中にも多いらしく、街の作業員と支援の作業員との間で揉め事が多くて陳情が上がって来た。それで協力的な作業員が奮闘しているんだが、ペースは落ちて来ているらしい」


 シュバルツ様がカディル人の説明を補足して下さり、ライル様が現状を教えてくれます。


 「ですから早めに出張扉を設置して頂き、こちらからは財源を切り崩して、給料をあげる取り組みを行いたいと考えていたところだったんです。勿論、オーナーにも魔石にてしっかり見合った恩賞をお支払いします」とシュバルツ様。


 「だが、まさかエンシェントファイアードラゴンと従魔契約したとなると、一国の王の私より貴重な存在になる。そんな方を動かすのはどうか、と言う話にもなってくるんだ。まあ、そんな方を叱る事のできるシュバルツも凄いがな」と苦笑するライル様。


 うええ!そんな大事になるんですか?じゃ、辞めますよ。従魔契約。《……おい!》と言う声が聞こえて来た様な気がしますが、そんな冗談は置いといて、僕は僕です。


 「ライル様、シュバルツ様。僕はこの国に住む国民の一人なだけですよ。それに僕はそんな大層な立場につくつもりも、なるつもりもありません。僕のモットーはのんびり生きるなんです。でもそのためには周りも穏やかに暮らして欲しい。全ての人がと言う綺麗事は言いません。でも見える範囲だけでもできる事はやらせてください」


 珍しく真面目に返答した僕の様子に驚くシュバルツ様に「そうか」と穏やかな顔になるライル様。いや何で驚くんです?シュバルツ様!いつだって僕は真面目なのに……「意外でした」と真顔で言わないで下さいよ!


 でもまぁ、気をつけながらも動き出しましょう!

 デノンさんとカーヤ様、セイロンのみんな戻って来ましたかねぇ。


アクセスありがとうございます!さて、トシヤの周りは賑やかになってもトシヤは変わりません。我が道をいくのみ!次回はデノンさん達が帰って来ています。さて、何を話してくれるでしょうね。いつも読んでくださってありがとうございます!少しでも良いと思いましたら良いねをお願いいたします。明日への活力になります(*´꒳`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ