さあ、動き出しましょう
評価、良いね、いつもありがとうございます♪
『お父さん!』
『グリム!無事だったか!身体は?どこも怪我はないか?』
『うん!大丈夫だよ!みんなも元気?』
『お前が無事な事を知ったらみんな元気になるさ!……ところでそいつは誰だ?』
『うん、アオだよ!あたしを助けてくれたんだ!ねえ、お父さんアオの村を助けたいんだ!手伝って!』
『……ここに人がいたのか……』
ナレーション:『お父さんと再会できたグリム。早速アオの村の復興を頼んでいます。しかし初めて会う現地人に戸惑うお父さん、果たして手伝ってもらう事ができるのか?明日もおたのしみに!♪新しいエンディング曲「生きるって素晴らしい」〜♪』
おお!グリムお父さんと会えましたね。いやぁ、良かった良かった。新しいエンディング曲もまた良い曲です。ライ君リルちゃんじーっと見てますね。覚えようとしているのでしょう。じゃ、その間に僕も着替えましょう。
「はれたひは〜♪げんき〜になって〜♪」「あめのひは〜♪しずか〜におやすみ〜♪」
着替えて来ると、ライ君リルちゃんが早速覚えたての歌を歌っていますねぇ。それにしても、繋いだ手を揺らしながら歌に合わせて尻尾も振っている姿は可愛いすぎます!朝から癒されますね。
「凄いですね。もう覚えたんですか!」拍手をしながら声をかけると「まだうたえるの!」「おぼえたの〜!」と僕の足にくっついて歌ってくれました。5歳児の記憶力結構凄いですねぇ。
二人の可愛い歌を堪能した後、オーナールームを出てフロントにいるサーシャさんミラルさんグランに挨拶します。「おはよー!」「おはようなの!」とサーシャさんとミラルさんに抱きついて行くライ君リルちゃん。可愛いフロント嬢さんとベルボーイとベルガールが仲良しな風景はいいですねぇ。
ライ君リルちゃんが朝の定期報告をサーシャさんとミラルさんにしている間、僕もグランから現在の入館者数とみんなの様子を聞きます。
「現在の入館者は47名です。新たな扉が開いた事はターミナルモニターで既に告知済みのため、朝から並んでいるお客様が32名程。既にシロカ様、キーン様、ネイサン様、シャラ様はユーリ、イクサと共にギルドへとお戻りになられました。
また「風の痕跡への誘い」の扉に入ったデノン様方の残り時間は3時間。現在順調に進んでいるご様子がアルコより報告が入っています」
「わかりました。ありがとうございます、グラン」
デノンさん達順調はいいですけど、寝てないですよねぇ。多少心配になりながらも、報告の終わったライ君リルちゃんを連れてGreen Gardenへ向かいます。途中の休憩所では……珍しい、テラとクライムのみんなが揃っていますねぇ。
ティアさんと目が合い、挨拶しようとしたんですけど……
「トシヤちゃん!何で!何でなの!」
「あわわわ!な、なんのことですか?」
ティアさんに肩を掴まれガクガク揺らされる僕。ティアさんの足元では「いじめちゃだめなの!」「だめなの〜!」とティアさんをパシパシ叩いて僕を助けようとするライ君リルちゃんの姿が。
コレには可愛いもの好きのティアさん。すぐに僕から手を離して「これには深〜い意味があるのよ〜」と猫撫で声を出して、ぷうっとほっぺを膨らませているライ君リルちゃんをあやしています。
くすくす笑いながら近づいて来たレイナさんの話しによると……
「先着6名の扉?」
「そうなんだよ!しかも行ったら12時間あっちに拘束されんだけど、そんなのあの楽しそうな事に比べたらなんて事ねえんだ!」
僕の疑問にレイナさんを押し退けて熱く語るザックさん。どうやら「風の痕跡への誘い」の扉では、観覧席と多視点モニターが配置されている部屋も用意されていて、遅れて行ったテラとクライムメンバーはその様子をずっとモニターで見ていたそうです。まさか皆さん寝ていないんですか?
「寝てられっかよ!めっちゃ迫力あるんだぜ!」
「楽しそうに戦ってんだよなぁ、デノンさん」
「カーヤさんも凄え動きしてたしな!」
未だ興奮しているザックさんに、羨ましそうに言うスレインさん、グレッグさんも手を握り締めながら熱く語ります。
「まあ、セイロンが連続して新しい扉に入った事が羨ましいんだ。俺もこいつらも」とボルクさん。「ティアに至ってはクライムの時に何で開けないんだって怒っていてな」と苦笑しながらレイナさんが教えてくれます。「勿論私も同じ思いだがな」と付け足して。
ありゃ〜、確かにセイロンの時多いですからねえ。何気に無言の圧力を感じるガレムさんとジェイクさんの視線を気にしない様にしながら、今日の予定も聞いてみると……既に次の挑戦メンバーは決まっているらしく(ジャンケンで決めたそうですよ)今日の僕の護衛はティアさんとスレインさんの二人。ああ、それで……と納得する僕。
まあ、決まった事ですしお願いします、という僕に「あそこでグーを出してれば……」と残念そうなスレインさんに「仕方ないわね」という言葉の割に笑顔のティアさん。ライ君リルちゃんに癒されましたね。流石ウチの癒し担当です。
これから仮眠をとるというクライム、テラの混合チームと一旦別れて、ティアさんスレインさんを連れてミック君の所へ向かいます。ミック君やキイとも挨拶を交わし、席に着いてやっと朝食です。ティアさんスレインさんもまだ食べてなかったのか、ガツガツ食べてますねぇ。
しっかりコーヒーまで飲みゆったりしてから、ライ君リルちゃんをミック君とキイに託して商業ギルドを目指します。と言ってもターミナル経由で行くので早いものです。王都の冒険者ギルド本部の扉を通って、隣の商業ギルド本部に向かうだけですから。
「いらっしゃいませ、オーナー」
「もう準備出来てますよ」
商業ギルド本部の正面玄関に着くと、ユーリ様とイクサ様が僕らを迎えてくれました。いやぁ嬉しいのですが、目立ってますねぇ。皆さんの注目の的なんですよ、この二人。僕の周りって注目度が高いんです。流石に慣れて来ましたが。
多くの人の視線を感じながら、目立つ二人に連れられて向かった先は2階の会議室です。既にシロカ様とキーン様と数人の職員さんが打ち合わせをしている最中でした。が、僕と目が合うと挨拶をして迎えてくれる二人。
「トシヤ様、お待ちしておりました」
「こちらに設置をお願いします」
シロカ様とキーン様が畏まって僕に依頼して来ますが、むず痒いと言うか居た堪れないと言うか……僕そんなに偉い人じゃないですって!と何とか普通に接してもらう様に頼み込む僕。何とか了承してくれましたが、余り変わってない様な……気にしたら負けですね。
「エア、出張扉の設置をお願いします」
「畏まりました。魔石100,000相当を消費致しましてパスポート型出張扉を設置致します」
いつも通り、スウッと現れた出張扉とパスポート申請機。ユーリ様とイクサ様が、シロカ様とキーン様に使い方を教えています。僕は入館権限付きのタブレットと携帯2台をシロカ様とキーン様に渡して、先に亜空間に戻る事に。
亜空間ターミナルに着くと、今日も賑やかです。人が増えましたねぇ。アレ?ネイサンギルド長とシャラさんの姿がありますね。職員さんも連れています。どうやら本格的にレンタルオフィスの契約に動き出しているみたいです。王都ギルド職員さん達の驚く様もこの空間ではいつもの事なんですよねぇ。
久しぶりのベック副ギルド長さんの姿も見えます。アレは職人さん達ですか。どうやら王都の冒険者ギルド本部に移動してみて、出張扉に慣れる練習ですねぇ。うんうん、大事です。みんな動き出しています。僕らも動き出そうと思うのですが、今日まで支援はサムさん達にお任せ。明日からセイロンにドルナウの街に向かってもらいます。
「なぁトシヤ。今日の予定はこれでお終いかぁ?」と欠伸をしながら聞いて来るスレインさん。「あんたねぇ、護衛中に欠伸って……」と言いながらティアさんも口を押さえています。ああ、ご飯食べて眠くなったんですねぇ。欠伸もうつりますし。
ふふふ、僕が出来る事はまだあるんですよねぇ。
「あら、この顔なんか企んでいる顔ねぇ」とティアさん。
「え?よくわかるな!俺にはいつものボヤッとした顔に見えるけど」と余計なお世話です、スレインさん。
僕は二人を連れて賑やかなターミナルを後にしてホテルに戻ってきました。「ん?何だ?やっぱり今日の予定は終わりか?」「あらぁ?おかしいわねぇ」というスレインさんやティアさんの言葉を聞きながら、エアに頼みます。
「エア、ホテルのバージョンアップをお願いします」
「畏まりました。魔石100,000相当を消費致しましてリゾートホテルBタイプ コンドミニアムスーペリアを開放致します。これによりスパリゾート設置可能になりました。リゾートホテルBタイプ コンドミニアムスーペリア MP 100,000、スパリゾート MP150,000
どちらかが設置可能です。設置致しますか?」
エアの言葉に「お!新しい施設か!」「あらぁ?スパリゾートってなんか聞いた様な……」と二人も反応します。これティアさんが喜ぶと思うんですよね。
「エア、スパリゾートの設置をお願いします」
「畏まりました。MP 150,000消費致しましてスパリゾートを設置致します」
さあ、僕の考えている様になれば良いのですが、楽しみですねぇ。
アクセスありがとうございます!さて、王都の両ギルドに出張扉が設置されました。支援に動き出すのにトシヤが設置したのはスパリゾート。理由はわかりましたか?明日も同じ時間に更新予定です。皆さんから力(良いね)を貰って書く気力を出しています。いつも本当にありがとうございます♪宜しければまたお願い致します。