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王都までの車中です

 イリス君とミラルさんが初来館して下さったので、今回は僕がご案内してみました。


 若い子だけなら、まずはやっぱり「碧への誘い」でしょう!今回はセイレーンの他に、ペルーガと言う口を開けると笑って見えるイルカに似た海の生き物や、雄大な海の象徴シロザトウホエールも見れたんです!


 「こんなに大きな生物がいるんだ……!」「まぁ!なんて優雅に泳ぐのでしょう!」と身を乗り出して見ていましたよ。因みにメイド長のロクサさんとニーナさん今回も密かにきゃあきゃあ言って楽しんでいました。


 大興奮の二時間が終わった後は二人共別行動。


 身体を動かしたいイリス君はフィットネスクラブへ。大人しいミラルさんはミニ映画館へ向かいます。え?僕は勿論フィットネスクラブに付き合いましたよ。ミニ映画館にはサーシャさんが付き添ってくれました。メイド長達もそっちです。キイ厳選の新しい映画も増えましたからね。今日はミラルさんと言う事で、美女と◯獣の実写版です。


 イリス君には今日の待機組からヒースさんに一緒について来て貰います。僕だけじゃ、すぐにバテますからねぇ。きっちりストレッチからどこを鍛えたいのかを尋ねて使う器具を選ぶあたり、トレーナーに向いていますね、ヒースさん。


 そして僕も付き合いますが、前半でダウン。イリス君すっかりヒースさんに懐いていますし、全部こなせたんですよ!……僕も頑張らないと、と密かに対抗意識を燃やしてしまいました。


 シャワーを浴びてミラルさんと合流した後は、お互いにいかに施設や映画が素晴らしかったかを語り合う二人。その流れで、今日はこちらに泊まる事に。あ、バスターさんに連絡して許可はキチンともらってますから大丈夫。


 腕によりをかけたティモのビュッフェに舌鼓を打ち、ジュニアのバーで、食後のフレッシュジュースとノンアルコールを二人にサービス。ミラルさんは食後にゆったり入りたいそうで、今から大浴場へ向かいました。そうそう、エグゼクティブフロアにも大浴場設置したんです。毎回一階の大浴場貸し切りにはできませんからね。


 そしてまだまだ元気なイリス君。どこに向かったのかと言うと、漫画喫茶です。本も好きだそうで、それならと連れていってイリス君がハマったのは◯ラムダンク。熟読してましたよ。途中エアがバスケのルールの解説や試合の流れを解説する場面もありましたが。


 いやぁ久し振りに読むと僕も熱中して、迎えに来たロクサメイド長に怒られちゃいました。でもミラルさんもかなりパウダールームで時間を過ごしていたらしいので二人共お小言貰ったらしいですよ。とまぁ、そんなこんなで今日は就寝。


 冒険者組も今日は充電の時間にしたので、思い思いに過ごしてたそうです。そして翌朝……


 「お二人共お時間でございます」


 ゆったり朝食を食べ終わった後、見計らったかの様に迎えに来たバスターさん。これを予想をしていた二人は、残念そうな顔をしてバスターさんに従っていました。「バスターに逆らうと勉強が倍になるんだ……」とボソッと僕に打ち明けてくれたイリス君。成る程。やはりタブレットはバスターさんに渡して正解でしたね。


 車に戻る為二人と共に領主邸に行き、去り際疲れた表情のジウ様に「また頼むよ」と言われた僕は、「いつでもお待ちしてますよ」と伝えて領主邸を後にします。頑張って下さいジウ様。


 昨日の亜空間車庫に入れた地点から車を出して、僕らはゆったりとブルックスの街を通り抜けます。車は昨日領主様の乗っていた乗り物と街の人に認知されていて、声をかけられる事かけられる事。


 「今日はジウ様乗っているのかい?」「何ならコレ持って行きな」と気軽に声をかけられて、「サービスだよ!」と言って窓越しの差し入れを貰う僕たち。あ、今はグレッグさんが運転で、助手席にスレインさん、後部座席に僕とザックさんです。


 レスカいっぱい貰っちゃいました。それに男前のグレッグさんに、人懐っこいスレインさん、ザックさんがいるんですよ。市場を抜けるのが大変でした。いつの間にか僕の両手にはパンや、レスカジュース、レッドボアの串焼きなどがあります。


 「お姉さんありがとねー!」と妙齢の女性に手を振るスレインさん。「とにかくお前は話さず笑っとけ!」とザックさんに言われて笑顔のグレッグさんは女性から大人気。「お、おっちゃん!いい目してんね!全部うまそう!」と野菜や肉屋の親父に声をかけるザックさん。「嬉しい事言ってくれるじゃねえか!」と何やら窓越しに貰っています。


 え?僕ですか?「兄ちゃんコレ飲んで目覚ましなよ!」「ほれ!しゃんとしな」と気合いを入れられたりされてました。一応コレで起きているんですけどねぇ。


 何とか城門まで着き、バスターさんから貰った領主紋入りの手紙を見せてやっとブルックスの街を出る事が出来ました。因みに貰ったものは、ティモやキイに渡すようにサーシャさんにお願いして既にホテルの中です。笑顔で何回も往復をしてくれたサーシャさん。ウチの子いい子でしょう。


 さて、ここからは、王都を目指します。王都はブルックスの街から馬車で半月かかる場所にあります。その道中はブルックスに向かうまでのあの魔物の量は何だったのか、と言いたくなるだけ順調です。


 え?ホテルに戻らないのかって?いや、それが車内が面白いんですよ!


 「ヘイ♪ヘイ♪陽気に行くぜ!俺達楽が大好きさ!いたぜ!グレッグ!」「おう!任せろ!スルーして行くぜ♪」「待て待て!俺がひと投げだ!見てろ、三連弾♪」「頼むぜ♪ザック!」


 歌いながらゴブリン退治しているんですよ。自作の歌で歌ったり、最近漫画喫茶で聞いた歌のアレンジしたり、みんなで最近ハマっている「グリム一家の開拓記」のオープニング曲を大熱唱したり。めちゃくちゃ笑いました。

 

 これ乗っているメンバーによって特徴あるんじゃないかと思って、ちょこちょこ車内に顔を出すようにした僕。


 ーボルク、ヒース、レイナの場合ー


 「いたぞ!ボルク!」「待て!急旋回した!回れるかボルク!」ヒースさんがモニターで検知された魔物を運転しているボルクさんに告げ、窓から顔を出して確認しているレイナさんが更に指示を出しています。ちょ、ちょっと待って下さい!うわあ!


 見事なボルクさんのドライビングテクニックでターンをした車に、イエローブルが向かって来てます。「イエローブルなら任せろ!」とドアを開けて走っている車から飛び出し見事な着地を決めるレイナさん。そのまま一振りでイエローブルを仕留めます。


 「良し!」とボルグさん。「まだ2匹目か」まだって何ですか!ヒースさん!「お!トシヤ!いいところに。収納してくれ」と笑顔のレイナさん。……うん、このメンバーは、呼ばれてから顔出しましょう、と決意する僕。


 ージェイク、ガレム、ゼノの場合ー

 「だが、問題はあの杜氏だ。頑固すぎる」「だが、酒作りの本質を理解しているから、あの土地での新酒作りには外せん」「何だお前らまだその辺読んでいるのか?それはな……」「待て!ゼノ!」「いや、それよりお前何巻まで読んだ?」「あー、俺全巻制覇したぜ」「「お前はもう話すな」」「ええ〜、じゃこの先の事聞きたくねえの?」


 ……はい。このメンバーでは、運転はジェイクさん、助手席にゼノさん、後部座席にガレムさんです。現在ガレムさん愛読の「浩史(ひろし)の酒」と言う漫画本の話をしているところですねぇ。やはりジェイクさんも見ていましたか。ゼノさんが全巻読んでいるものだから、聞きたいけど聞きたくない、けど聞きたいと葛藤している様子の二人。


 その葛藤を出てきたゴブリンや一角兎に叩きつけ、一撃で仕留めているのはすごいですけど。無言で出て行って無言で帰ってきて「仕舞ってくれ」と顔の目の前に一角兎出されると怖いですって、ガレムさん。まあ、結局先が気になってゼノさんに聞いていましたけどね。気になるんですよねぇ、こう言うのって。


 ーケニー、ハック、ティアの場合ー


 「ねぇねぇ!次の街って?」「ガトーラの街だな」「そろそろ王都に近くなってきたから、大きな街だったはずよねぇ」「この雑誌によると、最近「ベリー」って服屋が急成長してるみたいよ!ちょっと見ていかない?」「あら、いいわねえ」「お!良いじゃん。男物も良いやつあるか?」「えーとねぇ……」


 こちらは観光気分の車内。運転はハックさん、助手席にティアさん、後部座席にケニーさんが乗っています。ケニーさんコンビニで買った観光雑誌「旅気分!王都道中編」を開いて見ていますねぇ。ティアさんもオシャレに気をつかっているみたいですし、ハックさんもオシャレには関心あるんですね。気づけば寄り道している3人です。でも戦闘に関しては……


 「左、一角兎来たわね。もう一匹草むらから顔出してるわ、ケニー」とティアさんが言えば「任せて」と窓から攻撃するケニーさん。「任せた!」と運転に集中するハックさん。指示しながら窓から攻撃するティアさん。遠隔攻撃にはめっぽう強いメンバーです。


 あ、僕もついでに買い物混じったりしましたよ。良い仕立ての服ありました!下着も買えましたし。


 と道中車内はこんな感じです。メンバー変わればまた話題も変わるのが面白かったのか、あっという間に日は過ぎて行き、王都が近づいて来ました。あ、でも半月で行ける筈が一ヶ月かかってます。


 当然シュバルツ様達は王都に着いていて、「こっちの扉から来たら早いだろうに」と言っています。まあ、でも後半はデノンさんがわざわざこっちの班に混ざって騒いでいましたし。僕らも折角だから楽しみながら行きたかったしと言う事で、走り続けて見えてきました!王都の城壁。


 流石王都ですねぇ。城壁が50m以上あるそうですよ。遠くからでも大きさがわかります。遂に到着です!「あ、俺先入ってるわ」と専用扉でホテル内に戻って行くデノンさん。……何と言うか締まりませんねぇ。

アクセスありがとうございます!いつも読んでくださって本当に感謝です。王都につきましたよ!さて今度は王都編に入ります。何が待っているでしょうね。明日も頑張ります!宜しければアクセスしてみて下さいませ(*´꒳`*)

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