表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/153

ニックとヤク登場です

まだランキングにいる事ができているのは皆さんのおかげです(๑˃̵ᴗ˂̵)嬉しいなぁ

 ……逃げられませんでした。むしろ逃げようとした事で事態は悪化するものです。良いですか、皆さん。逃げちゃ駄目です。とりわけ頭の回転の良い人を怒らせると、どうなるのか……じわじわ言葉で追い詰められます。しかも無表情で。


 「シュバルツ様、その辺りでよろしいかと。トシヤ君も反省している様ですし」


 ああ!ジウ様!ありがとうございます!ええ、ええもうやりませんとも!懇願する眼差しをシュバルツ様に向けると、「はぁ」とため息を吐いてにっこりしてくれました。


 「次はありませんよ」という何とも怖い言葉付きです。はい!畏まりました!安堵し、ふうっと息を吐いて周りを見ると……アレ?「テラ」メンバーとグエルさんビクスさんがかなり遠くにいますねぇ。


 「……やべえ、こういう怖さもあるのか」「言葉ってああもスラスラ出るもんか……?」「アイスドラゴンと対峙した時より圧があった……」「……一番怒らせちゃいけないのってやっぱり人だよなぁ」「アレに耐えたトシヤ君が凄い」「バスターさんより怖い人いるんだな」とみんなボソボソ言っていたみたいですよ。うんうん、気をつけましょう。あー怖かった。


 「さて、うちのオーナーに時間を割いて頂きありがとうございました。ではオーナーまずはクリニックから先に確認致しましょう」


 いつものシュバルツ様に戻って下さったので雰囲気も戻り、ようやく内覧です。え、僕の事だからまたやるだろうって?誰ですか、フラグ立てた人は!しませんよ!……多分。


 僕がこんな事を考えながらクリニックの前に立つと、シュッと自動扉が開きます。慣れていないみんなから「は?勝手に空いた?」「え?」「今度は動く扉か」と声がします。ボルクさんはなんか慣れてきましたねぇ。


 中に入ると待合室です。背もたれ付きの椅子が20席、正面を向いて同じ様に並んでいます。正面には受付カウンター、奥の壁には大きなモニターが。お、いましたねぇ。プツッと電源がつき、綺麗な景色と爽やかな音楽と共に音声が流れます。


 「ようこそグランデターミナルクリニック、通称GTCへ!初めましてオーナー、私はニックと申します。こちらでは診察と診療を担当致します。どうぞよろしくお願い致します」


 なんと!また名前付きです!ふふっ、テラの皆さん残念でしたね。「よっしゃ!三文字!」ってアレ?スレインさんとジェイクさんが喜んでいます。成る程、僕がつけなくても賭けは続行でしたか。まあ、それは良いとして……


 「ニックよろしくお願いします。それではニック、設備の説明をお願いします」

 「畏まりました」


 【グランデターミナルクリニック・GTC設定】

 【空調・防臭機能】常時  ON/(OFF) 一日消費MP100

 【院内清掃】朝・晩 ON/(OFF) 一日消費MP1,000

 【清浄化機能】常時 ON/(OFF)一日消費MP200

 【防音機能】診察室 ON/(OFF)一日消費MP100

 【診察、検査治療台 メンテナンス・清掃】患者毎に毎回 初期搭載設備


 「こちらは診療時間と案内です」


 【診察時間】24時間対応

 【診療案内】人体の異常全てに対応

 【検診・検査】無料で対応

 【予防接種】各種細菌・ウイルスに対応(効果継続期間約半年) 一回 3,800ディア(MP4)

 【入院設備】個室二部屋有り


 「料金については診療によりますが、診察だけですと500ディアとなります」


 やはり運営消費MPは上がりますか。でも気軽に利用できる金額でいいですね。


 「本日から一週間は設置キャンペーンと致しまして診察、診療は無料とさせて頂きます。皆様、お身体の具合を確かめてみませんか?」


 おお!やはり設置キャンペーンがありましたか。これは全員見てもらうのがいいでしょうね。


 「皆さん是非全員受けて見ませんか?」と言う僕の提案に全員が快く承諾。やはり何をするにも身体が資本ですからね。ニックの案内によりカウンターの右通路奥の扉の前に立つと、シュッと扉が自動で開きます。院内は全て自動ドアなんですねぇ。


 診察室の中は、壁側に手荷物置き場があり、一人乗れる位の丸い台の様な機械?が床と天井両方に設置されています。その隣りにはカプセルの様な細長い診療台?でしょうか。二台並んでいます。そして正面の壁には大型モニターが設置されています。そこには医師の姿をした四十代位の男性が映し出されていました。ニックでしょう、なかなか渋いですね。


 「まずはオーナー、丸い検査台の上に乗って下さい」


 ニックに言われるまま乗ると、モニターに身長、体重を始め、眼科、聴力、血圧、腹圧、呼吸器、消化器、頭部検査の結果が表示されます。ウッ!体重ちょっと増えてます……後は正常ですね。良かった良かった。


 「オーナーは少々運動不足です。1日の内運動の時間を取れる様努力して下さい」


 モニターのニックより診察結果が告げられます。これには「トシヤあんまり動かねえもんな」「寝てるか食べてるか、新しい設備作ってるか、それぐらいしかしてねえよな」「寝すぎだな」「同感」と「テラ」の皆さんが追い討ちをかけてきます。大丈夫です!明日から頑張りますから!


 そんな決意を僕が抱いている中、次々と検査台に乗って行き結果は……


 「「テラ」のメンバーと領主側護衛のお二人全員肝臓が少し弱っています。ご家族の為にもお酒の量を減らすか休肝日を作って下さい」とか「ジウ様は寝不足、過労の傾向があります。もう1日館内でお休み下さい」と言われています。


 「げ!」「毎日回復してるからいいかと思ったら……」「えー、酒飲まない日作れって?」「無理だな」と言うテラのメンバー。「家族の為か……」「仕方ないな」と言う護衛の二人。反応が妻帯者か独身で別れています。グエルさんとビクスさんは結婚してたんですね。


 そして「もう1日か……仕事が溜まるな」と苦笑いするジウ様。うーん真面目です。そして名前を呼ばれていない二人は……


 「シュバルツ様聴力が平均より低い数値が出ています。以前何かございましたか?」

 「それもわかるのかい?ちょっとした事故で頭をぶつけてから聞こえが悪くなってね。まあ、年齢の事もあるかと思うけど」


 ニックに聞かれてこちらも苦笑いしています。


 「バスター様は臓器の中に腫瘍がございます。怠さや疲れやすいといった症状はございませんか?」

 「ええ、今朝は良かったのですが。日々でございます」


 バスターさん病気持ちじゃないですか!大変です!


 「ではお二人共、診療台に乗り横になって頂けますか」


 ニックの指示通り診療台に横になる二人。そして自動でガラスの蓋が閉まりカプセルが青く不透明になりました。どうやらニックによると治療中、手術中だそうです。服着たまま出来るなんて凄いですねぇ。


 5分くらいしてヴィィ……とカプセル型治療器が開いたのはシュバルツ様。


 「シュバルツ様?どうですか?」

 「トシヤ君!凄いよ、コレは!はっきり聞こえるんだ!」


 シュバルツ様嬉しすぎて僕の事名前で呼んでいます。そして続けてヴィィ……とカプセル型治療器が開いた後のバスターさんは……


 「……なんて清々しいのでしょう。怠さが取れました。身体が軽いのです」と目から涙がツウッと流れています。


 良かった、良かった。やっぱり医療は必要ですからね。これなら、王妃様も何とかなるのではないでしょうか。バスターさんに近づき、労りの言葉をかけていたジウ様はそう思ったのでしょう。


 「トシヤ君。コレは凄い施設だ。王妃様にもきっといい効果が生まれるだろう。……君には借りばかりが出来るね」


 満面の笑顔で僕にそういったジウ様。ジウ様にとってバスターさんは主従関係以上なんでしょう。バスターさんがカプセル型治療器から出るのを手伝っています。うんうん、僕いい物設置しましたねぇ。


 「安定させる為に薬を出しておきます。隣りの部屋のヤクよりお受け取り下さい」


 画面の中のニックもいい笑顔です。医師が見たい患者の表情でしょうしねぇ、今の二人は。


 足取りも軽く全員でクリニックを出て、隣りのグランデ薬局に入ります。


 「ようこそいらっしゃいました!ってあんまりくる事はおススメしませんけど、いざと言う時に僕もいますよ〜!ヤクと気軽にお呼び下さい!」


 店内は受付カウンターと大型モニターのみの薬局。モニターからは爽やかな音楽と共に白衣の青年のヤクが映っています。明るい性格なんでしょうね。


 「ではシュバルツ様にはこちら。今日の寝る前に一錠お飲み下さい。二日分出ています。副作用はありませんから安心して飲んで下さいね」


 カウンターの黒い石板から小さな袋に入った錠剤が現れます。お礼とともに受け取るシュバルツ様もいい笑顔です。ええ、氷のシュバルツの面影もありません。


 「バスターさんも、もう一日ホテルで休んで行って下さいね。こちらの粉剤をお湯に溶かしてお飲み下さい。こちらも二日分出ています。いいですか、くれぐれも安静にして下さいよ」


 ヤクに注意をされるバスターさんも、苦笑いしていますが表情はスッキリしたものです。


 いいですねぇ、安静にするならお付き合いしますよ、と思っていた僕の肩に誰かの手がポンと乗ります。


 「トシヤ、運動不足解消手伝うぞ」ニッといい笑顔で僕を誘ってくれるグレッグさん。


 「だな。グエルとビクスもまだフィットネスクラブ行ってないんだと」とスレインさん。


 「今日はジウ様もバスターさんも動けないみたいだし、時間はたっぷりあるぞ」とボルクさん。


 「付き合うぞ」とジェイクさん。


 「フィットには伝えておきましょう」とシュバルツ様。


 どうしましょう。皆さんの優しさが辛い……(泣)

 

アクセスありがとうございます!まったり進むこの作品にお付き合い頂き感謝です(〃ω〃)

ニックとヤクが出てきてAIも増えてきました。登場人物増える増える。さて次に目指すは王都です。何が待っているでしょうね。作者もわかりません。明日はもう少し早く更新できます。宜しければまたアクセスしてみて下さい(*´꒳`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ