領主様御一家の訪問です 其の弍
少し遅くなりました^_^;
「いやー、トシヤ君!最高だよ!あのジウとバスターの泣き顔が見れたんだよ!」
サムさん興奮してますねぇ。飲んでいるのはオレンジジュースですけど。あ、僕らは今休憩所のフリードリンクコーナーにいますよ。
興奮した世界旅行代理店の後、食事の前に領主様御一家は大浴場で現在汗を流しています。領主様達ですからね、貸切にして楽しんで貰っています。
で、僕らは休憩所で待機中なんですけど、まぁサムさんのテンションが高い事。サムさんによると、ジウ様達は普段から真面目に領地経営をしていて、休む間もなく働いているんですって。で、心配していたサムさんは、なんとか楽しんで貰いたい、という意味も込めてここに連れて来たそうですよ。なんか、サムさんらしいですねぇ。
因みに待機中となればこの方達も待機中です。
「ああ、あの「碧への誘い」の扉は最高だよ。私もまたキャンペーン期間中にもう一回乗ろうと思ってね」
「お父様、その時はご一緒致しますわ」
「良いですねぇ、その時は私もご一緒させてください」
すでに経験済みのシュバルツ様もう一回乗るみたいですねぇ。ユーリ様、イクサ様も御一緒するみたいです。ん?イクサ様その紙束なんです?
「あれ?父さん何持ってるの?」
サムさんも気付いたみたいです。「これは試しに世界旅行代理店から貰って来たサンプルだよ」と、イクサ様がテーブルの上にバササッと置きます。……まさかパンフレット全部持ってきました?
広げられたパンフレットからおもむろに一枚取って見るシュバルツ様とユーリ様。僕もそういえば見てないんですよね。どれどれ……
『大地の赤への誘い』ですか。これは!マグマの中に船が浮いてますよ!ええ!まさかの潜水艇ですか?コレ。いや、違いますね、車にもなってますから、まさかのマグマと陸両用ですか!
僕と同様一枚一枚見ては驚く皆さん。
「こ!これは!トシヤ君「ヴェールズ紀行」に載っていたグロリア旧古代都市!ええ?!本当にあったのかい?」サムさんは『古代文明への誘い』を見ていますね。「まあ!こちらは各季節の花が咲き乱れていますわ。もしかして噂で聞くフロージア島かしら?」ユーリ様は『風光明媚への誘い』を見てます。
「これは……渓谷かな?こんな色合いで波打つ大地といえば、ビフラス渓谷しか……。でもあそこは周りが危険なAランクの魔物ばかりの場所なんだが」イクサ様が呟いているのは『風の痕跡への誘い』です。なんだか物騒なところじゃないですか!そんなところどうやって観光するんでしょう?
ところで動かずジッとパンフレットを見つめているシュバルツ様。どうしたんでしょう?
「……トシヤ君。良ければ次はここを開いて見ないかい?」
シュバルツ様が僕の前に出して来たのは『地底湖への誘い』です。これに関しては後でお知らせしますね。どうやら領主様達が戻って来た様ですから。
「皆さんお待たせしました。まさかうちの邸より大きく広いとは。思わず長湯してしまいましたよ」「すごく気持ちよかったです!」
ジウ様キリク君がホカホカ顔で出て来ました。バスターさんや護衛の二人は後で入るのが楽しみなのかニコニコ顔です。クライス様はどうやらまだみたいですね。女性はお風呂の後が長いですから。ええ、木陰の宿の女性陣で経験済みですとも。
シュバルツ様達もすぐに切り替え、立ち上がってジウ様達をご案内します。
「では、食事までまだ時間がございます。それまで当館自慢のエグゼクティブフロアにご案内致します」
シュバルツ様が先導してジウ様キリク君達をお連れします。僕も一緒です。実は増えていたんですよ、コレ。
【名称】亜空間グランデホテル
【設定バージョン 7】1・カプセルホテルAタイプ
2・カプセルホテルBタイプ
3・ビジネスホテルAタイプ
4・ビジネスホテルBタイプ
5・シティホテルAタイプ
6・シティホテルBタイプ〈エグゼクティブスイート〉
《バーラウンジ(エグゼクティブフロア内) MP60,000》NEW!←コレ。
7・リゾートホテルAタイプ〈コンドミニアムモデレート〉
【バージョンアップ】0/100,000(魔石数)
(リゾートホテルBタイプ コンドミニアムスーペリア)
【限定オプション店】コンビニエンスストア
漫画喫茶「Green Garden」
会議室三部屋&館内Wi-Fi
ビュッフェレストランottimo
グランデツーリストアルコ
B1 フィットネスクラブ
B2 温水プール・脱衣室・簡易シャワー付き
《スパリゾート MP150,000》
*リゾートホテル Bタイプ開放後購入可能。
【空調設備】 ON /(OFF)一日MP700消費
【室内清掃】毎朝(館内全体) ON/(OFF)一回MP8,000消費
【室内防音、消臭】館内全室 ON/(OFF)一日MP700消費
【音声対応設定】ON/(OFF) 初期搭載機能
【フリードリンクコーナー補給】 常時 ON/(OFF)一日MP1,500消費
バーラウンジですよ!領主様達を休憩所のフリードリンクコーナーで飲ませるわけには行かないなぁ、と考えていたら見つけたんです!という事で設置する事に。
初めてエレベーターに乗るジウ様御一行は珍し気にキョロキョロしています。あ、ジウ様当人とバスターさんは通常通りですよ。もう元に戻っちゃいました。
ポーン……「三階エグゼクティブフロアでございます」というアナウンスの後ドアが開くと、これには「ほう」「これはまた」とジウ様とバスターさんから反応ありましたね。
勿論「お父様!凄い綺麗です!」とはしゃぐキリク君に、護衛のグエルさんとビクスさんから「うわ」「凄え」は頂きましたよ。
「ようこそグランデホテルエグゼクティブスイートへ。このフロアのコンシェルジュ、グランJr.でございます。お気軽にジュニアとお呼び下さいませ」
ジュニアからの歓迎の挨拶があり、シュバルツ様が宿泊するエグゼクティブスウィートの部屋をご案内します。
御一行が部屋に入るのを見送ってから、僕の設置の時間です。ふふふ、今回はサムさんにも設置の事は言わないで来ましたからね。驚いて貰いましょう。
「エア、バーラウンジの設置をお願いします」
「畏まりました。バーラウンジ MP60,000を消費致しまして設置致します」
エアが話し終わるとエレベーターホールの隣りが光り出します。光が収束すると現れたのは黒い壁が基調のバーラウンジ。壁には「グランデバーラウンジ・憩」とあります。「いこい」と読むんですかね。
入り口から入って見ると奥にはカウンター席5席、手前には四人掛けのテーブル席が三つ配置されています。どれも黒とはいえ洗練された雰囲気を醸し出しています。
カウンター席の奥にはバーらしく様々な種類のお酒がズラリと並んでいます。そしてやはりあった、カウンターの端から端まである横長の大型モニター。プツっと電源が入り、爽やかな光が刺す森林の風景と共に現れたキリッとしたバーテンダーの格好の青年。あ、もしかして……
「オーナーようこそ、グランデバーラウンジ・憩へ。ここも私ジュニアが担当致します。店内をご説明させて頂きます」
やっぱりジュニアでした。ジュニアは好青年って感じですね。
ジュニアの説明による店内は、ペンダントライトやウォールライトが程よく照らす「大人の寛ぎ」がコンセプトの設計だそうです。
そしてカウンター席奥にも、ゆったりとした雰囲気で背もたれもあるコの字型のソファー席が何席かあり、こちらは貴賓席として用いるそうですよ。
そして特徴的なのがテーブルやカウンターに、雰囲気を壊さず黒い石板が設置されているんです。これキイの喫茶店にあったのと一緒ですね、と思ったらそれより性能が上がっていて、完成されたカクテルや料理が出て来るそうですよ。ウェイター要らずですね。
勿論飲み終わったものもその上に置くと瞬時に戻されます。洗い物は亜空間で洗浄、亜空間保管庫に収納されるそうです。凄い仕組みですよねぇ。
あ、この店メニューないんですよ。どうやら、ジュニアにお任せらしいです。例えば「予算〇〇〇〇〇位」「サッパリとしたもの」「ちょっと強めのもの」等その時の飲みたいものや食べたいものを注文して貰い、その希望にあったものを提供するお店らしいです。僕こういう店行った事ないですから、何が出てくるか楽しみですねぇ。
「本日は設置記念キャンペーン中にて無料で提供させて頂きます。また《亜空間グランデホテル設定》に【グランデバーラウンジ・憩補給】ON/(OFF) MP2,500の項目が増え、オーナーの毎日の消費MPが増えますが宜しいでしょうか?」
「勿論大丈夫ですよ。清掃も消費MP増えるんじゃないですか?」
「そちらはまだ余裕がありましたので大丈夫です」
おお、それは良いですね。さて、確認しましたし皆さんを連れて来ましょうか。って、あら?
「オーナー、いきなり施設が増設されると案内する私の立場が無くなります」
あ、シュバルツ様何か笑顔怖いですよ。おや、ジウ様達も既にご来店でしたか。
「あ、その。今日は設置無料キャンペーン中だそうです。少し皆さん休んで行かれませんか?」
「誤魔化しても駄目ですよ。今後設置には私が立ち会う様にして下さいね」
笑顔で何やら迫力のあるシュバルツ様に謝りつつ、ジウ様達を貴賓席にご案内します。「これは落ち着くね」「お父様、僕大人になったみたいに感じます」ジウ様の嬉しい言葉と微笑ましいキリク君の感想にほっこりしますねぇ。
バスターさんはモニターのジュニアと打ち合わせをし、護衛の二人もカウンター席に着いて貰います。「ええ!俺達も?」「良いのか?」と動揺しつつも嬉しそうです。今はまだ飲めませんからね、というとガッカリしていたこの二人も酒好きでしょうかね?
余談ですけど、バーラウンジでもソフトドリンクやコーヒーって飲めるんですねぇ。僕ノンアルコールやシロップジュースなのかなぁって思ってました。
皆さんに食前ですからコーヒーを、キリク君には100%ジュースを提供し、バーラウンジで流れているクラシックに浸っているとニーナさんが来店。
おや、クライス様直接ビュッフェレストランに行くみたいです。クライス様は後でゆったりここで過ごして頂きましょう。
食事の時間まで僕もここで居ましたが、居心地のいい店って時間過ぎるの早いですよね。丁度良い時間になったので、今度は食事に向かいます。
今日のメインはエンペラーフィッシュですよ!楽しみです。
今度はバスターさんも一緒に食べましょうよ。
アクセスありがとうございます♪今回はBarラウンジです。お酒出せなかったのが残念なので、次回は会食の後にもう一度登場させようかと。カクテル出したい!という事で明日も頑張りますが、更新は今の時間より遅くなります。宜しければ、アクセスしてみて下さい(*´꒳`*)